自分でコウモリを退治できる?
コウモリの完全退治を自分で行う場合は、コウモリ退治にききそうな方法を順に試して行けば不可能ではありません。ただし自分でコウモリの完全退治をすることは簡単ではありません。とはいえ放置すれば病気の発生源になるなど、今以上に危険性が高まるだけです。ではコウモリ退治を自分ですることは可能なのでしょうか?
退治するのはアブラコウモリ
コウモリは世界に約980種が確認されていますが、国内で家屋に巣を作るのはアブラコウモリのみです。体長はわずか5cm前後と小さいため、「壁にできた黒いシミかかと思って掃除しようとしたらコウモリだった」という発見ケースもあります(以降「コウモリ=アブラコウモリ」で紹介します)。
コウモリの体は黒い色ではない
コウモリの体は黒い色が多いですが、家に巣を作るコウモリは黒い色ではありません。もちろん個体によっても色の違いはありますが、多くの場合はこげ茶色または灰褐色をしており、黒い色に見える場合も真っ黒ではなく褐色系が混ざっているのが特徴です。
コウモリ撃退は難しいが不可能ではない
コウモリの除去は、業者に頼むと駆除するだけで数万円、駆除後の死骸やフンの処理、消毒・殺菌などの依頼は別料金になります。そのため自分で何とかしようと考える人も多いですが、駆除後の消毒・殺菌までが完全撃退の必須となるので作業は難しいです。ただし素人でも撃退のコツがわかれば、自分で行うことも可能です。
コウモリ退治に関する法律に注意
家に巣を作ったコウモリは病気や悪臭の原因になるため早急な退治が必要ですが、コウモリは鳥獣管理保護法の保護対象なので、自分で退治する場合も許可なく捕獲・駆除することはできません。ですから自分でコウモリ退治をする場合は、法律に触れない範囲で行います。
鳥獣保護管理法とは?
鳥獣保護管理法とは、「鳥獣の保護及び狩猟の適正関する法律」のことをいいます。鳥獣保護法では鳥獣の保護だけでなく、違法な鳥獣の狩猟を制限するため、コウモリ撃退においても駆除には許可が必要です。そのため許可なく駆除すれば法律違反となり、場合によっては1年以下の懲役が科されることがあります。
コウモリの弱点
死骸やフンが病気や害虫の原因となるコウモリは、巣を発見したらできるだけ早く処理するのが撃退・退治のポイントです。プロでなければ完全に撃退するのが難しいといわれるコウモリですが、コウモリの特性の中には弱点も多いため、コウモリの弱点に着目すれば自分で退治する方法も見えてきます。
①煙
体の小さいコウモリは昼間は寝て過ごすため、天井裏や屋根のすみなど見えにくい場所に巣を作ります。そのため巣の位置が確認できないことも退治がしにくい理由です。しかし、コウモリは煙が苦手なので、巣がありそうな場所を煙で燻すと煙さに耐え切れなくなったコウモリが巣から外へ飛び出してきます。
②ナフタリン
単純性質の有機化合物であるナフタリンは昇華性の高い結晶なので、古くから防虫剤や忌避剤の主成分に使われています。ナフタリンはコウモリの赤血球を急激に破壊するため、ナフタリンのにおいがする場所は「危険性の高い場所」と認識し近づきません。
③ミントの葉
爽やかな香りが特徴のミントの葉はミントオイルやハーブティーなどさまざまな活用法がありますが、コウモリはミントの葉のにおいが苦手です。特にコウモリはミントの葉からハーブ成分を抽出したミントオイル(ハッカ油ともいう)が大の苦手で、ミントオイルが散布された場所には近づいてきません。
トウガラシも苦手らしい
トウガラシには触れるだけでも激しい灼熱感をおこすカプサイシンが含まれるため、コウモリはトウガラシのにおいも苦手です。トウガラシは香辛料になるため、化学薬品を使った忌避剤よりも人体への危険性が低いのですが、ミントの葉のかおりほどコウモリは苦手意識を持っていないため効果は弱いです。
④コウモリ以外の超音波
夜間に外を飛びまわるコウモリは、目が悪いため周囲の状況を判断するのに自ら超音波を発します。そのためコウモリは超音波を察知する能力が高いのですが、ほかの超音波が混ざると察知能力が高いがゆえに混乱をおこし、周りの状況を判断できず動けなくなります。
超音波を乱す磁石も苦手
コウモリは複数の超音波が発生している場所を嫌いますが、学習能力も高いため同じ振動数の超音波を聞き続けると慣れてしまいます。ところが超音波は波長が短いので、磁石を近づけるだけでも遮られます。そのため「コウモリの超音波をかく乱させるのに磁石は有効」という説があります。
出典:ピクサベイ