大根の概要
大根はビタミンCやカリウム、胃腸の働きを整えるジアスターゼなどを含む栄養豊富な野菜です。部位によって味や食感が異なります。どこの部位がどの料理に向いているかを把握して使い分けるのがおすすめです。たとえば、甘くてやわらかい上部は大根おろしに、やわらかい中部は煮物に向きます。栄養価の高い葉も捨てずに利用しましょう。
ボタニ子
ボタ爺
どこから使っても保存期間はほとんど変わらないぞい。好きな部位から使って大丈夫じゃ。
大根の種類
大根は、品種によって形・色・大きさなどが違います。家庭菜園では、植える時期や栽培場所の広さにあった品種を選びましょう。畑だけでなくプランターや培養土の袋などでも栽培できますが、一般的なサイズの大根を育てるなら深さ30cm以上の容器が必要です。小ぶりで容器栽培しやすいミニ大根もおすすめですよ。
ボタニ子
「ラディッシュ」や「二十日大根」とも呼ばれるミニ大根は、家庭菜園初心者でも育てやすいよ。
種から育てる野菜
大根は種から育てるのが一般的です。なぜなら、根がまっすぐに伸びて成長する直根性の野菜で、植え替えには適していないからです。植え替えると根に傷がついてうまく育たなかったり、又根になったりすることがあるため注意してください。大根は苗ではなく種を購入して育てましょう。
大根を上手に種から育てるコツ
大根は、涼しくて日当たりがよい環境を好むアブラナ科の野菜です。連作障害を避けるため、同じ場所での栽培には1~2年の間隔をあけましょう。大根栽培でよくある失敗には根が割れる又根のような奇形、発芽不良や生育不良などがあります。栽培失敗を防ぐためには、事前に育て方や手入れのコツをしっかりと確認しておきましょう。
ボタ爺
家庭菜園でどこに何を植えたかを覚えておくと、連作障害対策に役立つぞい。
①芽出しのコツ
土作り
土作りでは、種まきの2週間前までに石灰をまきます。深さ30cm以上まで耕し、土のかたまりを取り除きましょう。肥料は種まきの1週間前に施してください。土にかたまりがあったり、未熟な堆肥を使ったりすると、又根や成長不良の原因となるため要注意です。畑で育てる場合には畝も立てましょう。
プランター栽培でも畝立ては必要ですか?
プランターでは、畝は立てられません。なお、畝立てには排水性がよくなるというメリットがあるため、プランター栽培では排水性のよい土を使うのがおすすめです。
種まき
種は、畑やプランターなどに直まきします。育苗ポットやトレイに植えるのは避けましょう。土に25~30cm間隔で穴をあけ、1穴に5~6粒まきます。大根の種は発芽するときに光を必要としない「嫌光性種子」のため、種まき後は1cmほどの土をかけて軽く押さえてください。発芽までは乾燥に注意しましょう。
大根の芽出しのコツ
- 土作りで未熟な堆肥を使わない
- 土のかたまりは取り除く
- 種は直まきする
- 種まき後は1cmほど覆土する
- 発芽まで乾燥に注意する
②栽培中の手入れのコツ
間引き
間引きは3回に分けておこないます。1回目はふた葉が完全に開いたら3本立ちにしましょう。残す株を傷つけないよう丁寧にそっと抜いてください。2回目は、本葉が2~3枚になったときに2本立ちにします。最後に、本葉が6~7枚のときに形のよいものを残して1本立ちにしましょう。
追肥・土寄せ(増し土)
追肥・土寄せなどの手入れは、2~3回目の間引きのときにおこないます。不要な株を抜いたら、土を株もとにしっかりと寄せて肥料を足しましょう。プランター栽培の場合、土寄せの代わりに増し土をする(=株もとに土を足す)のもおすすめです。増し土をするときには、あらかじめ土に肥料を混ぜておきましょう。
大根栽培中の手入れのコツ
- 間引きは3回する(①ふた葉が完全に開いたころ、②本葉が2~3枚のころ、③本葉が6~7枚のころ)
- 残す株を傷つけないように抜く
- 2、3回目の間引きのときに追肥・土寄せ(増し土)をする
ボタ爺
土寄せや増し土をすると、株が倒れにくくなるんじゃよ。
③収穫のコツ
収穫時期・方法
収穫時期は葉の状態から判断します。葉が下向きに垂れさがってきたら食べごろです。栽培日数や根の太さなども目安にしてください。収穫方法は、根の上部や茎の根もとなどをつかんで引き抜きます。食べごろを逃すと、スが入りやすくなるため注意しましょう。
ボタニ子
軍手をはめるとやりやすいよ。
保存
秋冬に収穫した大根なら、春先まで土に埋めて長期保存できます。長期保存する場合には、土付きのまま葉を切り落としてください。縦または斜めに大根が入る深い穴を掘り、穴の中に大根を入れて土をかぶせましょう。寒い地域や冷え込む時期には、より深く埋めたりワラをかぶせたりするなどの凍害対策も必要です。
大根の収穫のコツ
- 食べごろを逃さない(ス入りに注意)
- 根の上部や茎の根もとなどをつかんで引き抜く
- 秋冬に収穫した大根は土に埋めて長期保存できる
ボタニ子
土に埋める保存方法は、家庭菜園でたくさん収穫できたときなどに試してみてね。
大根を一度に食べきれないときはどこから使うとよいのかな?