展着剤とは?種類ごとの使い分けや効果的な使用方法を詳しく解説!

展着剤とは?種類ごとの使い分けや効果的な使用方法を詳しく解説!

農薬を散布すると、水滴になってすぐに落ちてしまった経験はありませんか?実は農薬などの薬剤を希釈するときに展着剤を入れなければ、効果が薄れてしまう場合があるのです。展着剤とはどのような薬剤なのか、種類や効果、正しい使用方法まで詳しく解説していきます。

記事の目次

  1. 1.展着剤とは?
  2. 2.展着剤の特徴
  3. 3.展着剤の性質
  4. 4.展着剤の種類
  5. 5.展着剤の使い方
  6. 6.展着剤が必須のケースは?
  7. 7.おすすめの展着剤3選
  8. 8.まとめ

展着剤の使い方

画像出典:筆者撮影

展着剤には入れる順番や量があり、使い方を間違うとせっかくの展着剤も効果が薄れてしまいます。正しい展着剤の使い方をご紹介していきます。

使い方①入れる順番

展着剤が一番最初

薬剤を水で希釈する場合、基本的に混ざりやすいもの(界面活性剤の多いもの)から混ぜていきます。つまり、界面活性剤が主体の展着剤が一番最初になります。

水和剤など混ざりにくい薬剤は最後

1つの薬剤ならば展着剤のあとに入れるだけでよいですが、2種類の薬剤を混ぜる場合はさらに順番があります。展着剤のあとに乳剤や液剤を入れ、一度よくかき混ぜます。その後に水に混ざりにくい水和剤や水溶剤、フロアブル剤を入れ、再びよくかき混ぜて完成です。

使い方②使用上の注意点

適用のある薬剤を確認する

展着剤には相性のよい薬剤の組み合わせがあり、必ず適用のある薬剤を確認してから用いましょう。適用外の薬剤に展着剤を加えると、薬害など悪影響が出る恐れがあります。

展着剤の入れすぎは逆効果

たくさん展着剤が入ると、より薬剤が付きやすくなるどころか、逆に付きが悪くなる場合があります。特にもともと薬剤が付きやすい植物には、影響が強く見られます。また薬害を引き起こす原因にもなりますので、薬剤ごとの規定量はしっかり守りましょう。

展着剤不要の薬剤がある

画像出典:筆者撮影

乳剤やフロアブル剤などは、薬剤の付きをよくする機能をすでに持っているため、展着剤が不要の場合も多く、使える展着剤が限られています。ラベルやパッケージに「展着剤不要」と記載があるものには、用いないようにしましょう。

展着剤が必須のケースは?

Photo by ccm224

少ない薬剤で効率よく防除するため、展着剤が必須のケースを知っておくことが大切です。なかでも下記のようなケースは、ぜひ活用しましょう。

ケース①水をはじきやすい植物や害虫への散布

植物や病害虫の中でも、次のような特徴をもつ場合、ほとんど薬剤を弾いてしまいます。

  • 表面がワックスのようにロウ物質(クチクラ層)でコーティングされている植物
  • 細かい毛で覆われている植物
  • 毛やキチン質のような固い殻で覆われている害虫

ケース②家庭菜園など野菜類への散布

Photo byAStoKo

できるだけ少ない農薬で野菜作りをするためにも、ぜひ展着剤を利用し効果的に防除を行いましょう。特にネギやキャベツなど、薬剤が付きにくい野菜には必須です。薬剤の付きやすさを一覧にまとめてみました。

薬剤の付きやすさ 野菜例
付きにくい イネ、ムギ、ダイズ、ネギ、キャベツ、サトイモ、アスパラガス
やや付きにくい トマト、ナス、ジャガイモ、イチゴ、メロン
付きやすい キュウリ、インゲン、サツマイモ、チャ、トウモロコシ

ケース③果樹への散布

Photo byCapri23auto

定期的な病害虫防除が欠かせない果樹は、使用量も多いため展着剤で効率よく農薬を散布しましょう。屋外での散布も多いため、雨に強い展着剤を利用するとよいでしょう。果樹の薬剤の付きやすさは下記の通りです。

薬剤の付きやすさ 果樹例
やや付きにくい ブドウ、カキ
付きやすい リンゴ、モモ、ナシ

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おすすめの展着剤3選

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