トマトの尻腐れとは?
トマトの先っぽが黒茶色に腐ったようになることがあります。一般に「尻腐れ(しりくされ)病」と呼ばれる症状です。これは、カルシウム欠乏による生理障害で、細菌やウイルスによる病気ではありません。トマトだけでなくピーマンやナスなど他の野菜もかかることがあります。
尻腐れの症状
最初は先の方(ヘタと反対側)にシミのような水っぽい斑があらわれ、次第に黒褐色になっていきます。進行すると壊死したような部分が広がり、くぼんで固まります。熟さないこともあり、たとえ赤く熟れても一度尻腐れになった部分はもとには戻りません。枝や根に影響はなく、実にあらわれる症状です。
ボタニ子
病気じゃないので伝染しません!でも、カルシウム不足が改善されなければ、次々に尻腐れの実ができてしまいますね。
尻腐れトマトは食べられる?
尻腐れになると赤い実に育たないことがありますが、赤く熟したトマトは、尻腐れ部分を取り除けば食べられます。細菌による病気ではないからです。味が濃くなっていることもあります。形が気にならない料理(ジュースやスープ、パスタソースなど)に使うといいでしょう。
トマトの尻腐れの原因
原因はカルシウム不足
尻腐れの主な原因は、カルシウムの欠乏です。カルシウムは水と共に根から吸収され、植物全体に運ばれます。では、どんなときにカルシウム不足になるのでしょうか。
土中のカルシウム不足
まず考えられるのは、土中にカルシウム分が足りないのが原因です。日本の土壌は酸性に傾きがちで、雨が多いとこの傾向は強くなります。そのために苦土石灰などを施して土壌調整をしますが、吸収される前に雨で流れてしまうことがあるのです。また、肥料に窒素成分が多いと、カルシウムの吸収が抑えられてしまうこともあります。
実まで届かない
一方で、雨が降らないと土が乾燥してしまい、水分が吸収されにくくなります。そのために、カルシウム分も植物全体に行きわたらない場合があります。水やりをしても、葉で水分蒸発が盛んにおこなわれるとカルシウムは葉に残り、その先の実まで十分に届きません。
カルシウム欠乏の原因
- 土にカルシウムが足りない
- 雨で土のカルシウム分が流れてしまう
- 窒素肥料の与えすぎで、カルシウム吸収が抑えられてしまう
- 土が乾燥して水とカルシウムが実まで送られない
- 葉から水分が蒸散してしまうと、実まで十分に届かない
ボタニ子
次はトマトの尻腐れ対策について紹介します。
尻腐れは伝染するの?