コンパニオンプランツとは?
コンパニオンプランツとは、違う種類同士の野菜や植物で、お互いに良い作用をもたらし合うもののことを言います。うまく組み合わせて畑に混植すれば、手入れも楽で、害虫の被害が抑えられることもあります。この記事では家庭菜園で人気のトマトやミニトマトと一緒に植えるとうれしい効果が見込める、コンパニオンプランツについてご紹介していきます。
トマトのコンパニオンプランツ:防虫効果
最初にご紹介するトマトと一緒に植えるのにおすすめのコンパニオンプランツは「防虫」効果があり、土壌の水分を「乾燥」気味にしてくれるものをご紹介します。トマトはアンデスが産地です。乾燥した大地がどこまでも広がるような場所で生まれた野菜なので、土も乾燥気味なものを好みます。
期待できる効果
- 匂いで防虫効果が期待できる
- トマト(ミニトマト)が好む乾燥した土壌環境にみちびく
①バジル
バジルの香りでアブラムシやコナジラミなどを寄せ付けない
バジルのあの食欲を誘う香りもアブラムシやコナジラミといった害虫にとっては嫌な香りなので防虫効果が期待できます。青虫などには効果がなく、葉を食べられてしまうこともありますが、畑に混植するだけでアブラムシなどの害虫を避けられるのはうれしい効果でしょう。
バジルは水分を多く必要とするので土地を乾燥気味にしてくれる
バジルは多湿な土地を好みます。冒頭でお伝えしたように、アンデスを産地とするトマトは乾燥した土地を好みます。乾燥した環境の方がトマトの甘みも旨味も増すことは有名でしょう。そんなトマトが嫌う水をバジルが吸収してくれるため、お互いよい土壌環境で成育することができます。
バジルとトマトは料理にも相性抜群
トマトとバジルの相性は料理でも有名です。トマトと一緒にチーズやバジルを合わせたカプレーゼに、パスタソースやピザソースと育てた後の使い勝手も抜群です。家庭菜園で、トマトを収穫したついでにバジルも収穫すればどちらも新鮮な味と香りを楽しめるでしょう。
②パセリ
パセリの香りでアブラムシやハダニを寄せ付けない
バジルに続き「防虫」「土壌の乾燥」が期待できる野菜はパセリです。パセリも独特な香りがありますが、この香りによってアブラムシやハダニなどの害虫を寄せ付けない効果があります。柔らかい葉のイタリアンパセリは背が高くなり、トマトの成育の競争相手になってしまうことがあるので避けるようにし、パラマウント系のパセリを選びましょう。
パセリは水分を多く必要とするので土地を乾燥気味にしてくれる
パセリはバジル同様、水を好みます。そのため、トマトが不要とする水分を吸収してくれ、とても相性のいい組み合わせです。トマトとパセリお互いが争うことなく成育していく、まさにwin-winな関係の組みあわせといえるでしょう。
トマトのコンパニオンプランツ:病気予防
続いてご紹介する野菜によって期待できる効果は「病気予防」になります。植物や野菜の根には、その種固有の菌類が住み着いている(共生)している場合があります。その菌類の働きによってトマトを病気から守ってくれる効果が期待できるものをご紹介します。
期待できる効果
- 根に共生している菌の働きによってトマト(ミニトマト)の病気を予防する
- 匂いで防虫効果が期待できる
①ネギ
ネギのあの独特の香りによって防虫効果が期待できるのは想像しやすいでしょう。ここではそれ以外の「病気予防」についての効果をご紹介します。
ネギの共生菌がトマトの萎凋病などを防いでくれる
独特の香りと風味がある野菜のネギには「バークホーデリア・グラジオリ」という菌が共生しています。この菌は抗生物質を作り出し、そのおかげで土壌中の病原菌の数が減少する効果が期待できます。トマトでは萎凋病や青枯れ病、立ち枯れ病を起こす菌などを減少させ、トマトが病気にかかるリスクを減らしてくれます。
②マリーゴールド
オレンジや黄色が美しい、身近な花であるマリーゴールドもトマトのコンパニオンプランツです。こちらも香りによって防虫効果が期待できますが、特筆すべきは次にご紹介する「センチュウ」による病気を防げる点になります。
「センチュウ」防除に効果的
土壌中にいるセンチュウは目視では確認できないほどの小さな虫です。しかし、このセンチュウの被害にあうと、トマトの根にコブのようなものを作り、それによってトマトの成育を阻害してしまいます。マリーゴールドはこのセンチュウに効果があります。
「ネグサレセンチュウ」に効果がある「アフリカンマリーゴールド」
トマトだけではなく、ダイコンなどの根菜類が「ネグサレセンチュウ」にかかってしまうと、まさに根が腐ってしまい収穫量に大打撃を与えます。このネグサレセンチュウに効果があるのが、マリーゴールドの中でも「アフリカンマリーゴールド」と呼ばれる背の高い品種であることが農研機構の研究によって明らかにされています。大根を植える前にアフリカンマリーゴールドを植えておくと、土壌中の「ネグサレセンチュウ」が増殖できず、次に植えるダイコンへの被害を抑えられるというものです。アフリカンマリーゴールドの根にはネグサレセンチュウが寄生できないということをうまく生かした例といえます。もちろん、トマトの根腐れ病にも効果があるといえるでしょう。
まとめ
トマトと一緒に植えるだけでうれしい効果が期待できるコンパニオンプランツたち。最終背丈を計算してうまく組み合わせて混植すれば、小さな面積で収量アップも望めます。料理に相性のいい組み合わせを考えても楽しいでしょう。使用する農薬の量を減らせるのもありがたいポイントです。うまく取り入れて、ヘルシーな毎日に役立てましょう。