トマトの尻腐れ対策
尻腐れの治療
尻腐れトマトをもとに戻す農薬や治療方法はありません。しかし、症状の進行を止める治療(対策)はあります。先が少し黒くなりかけた頃に見つけて対処すれば、少し跡は残りますが食べられるようになります。ひどい症状には手遅れですが、次に育つ実の尻腐れ予防になりますので、対策をとりましょう。
尻腐れ対策と予防方法
①土にカルシウムを与える
植え付け前の土に、苦土石灰を混ぜておきましょう。苦土石灰には酸化カルシウムと酸化マグネシウムが含まれていて、酸度を調整するためによく使われます。成長過程で雨の多いときは、追加で1苗につき軽く1握りほど与えてください。尻腐れの兆候があらわれてから追加してもいいですが、即効性はなくゆっくり効いてきます。
②実にカルシウムを散布する
尻腐れの進行を止める方法は、葉面散布用のカルシウム剤(肥料)を、実に直接吹きかけることです。水で希釈して使用するものや、そのままスプレーできる製品があります。即効性なので、尻腐れになりかけた青い実を回復させることができます。しかし尻腐れになったところは、もとには戻りません。また、この方法は治療だけでなく予防にもなります。
③わき芽かき・摘葉をする
葉っぱは実を育てるために必要ですが、多すぎるとカルシウム分が実まで十分に届きにくくなります。わき芽をまめに取って、余計な枝や葉を増やさないようにしましょう。それでも繁り過ぎたときは、収穫予定の実と反対側(主枝を挟んで反対側)の葉を1枚剪定します。
その他の対策
主な予防法を3つ挙げましたが、他にも水やりや肥料が適切かチェックしておきましょう。暑さによる水分蒸発が主な原因なら、水やりを増やすことで防げます。窒素分の多い肥料を与えていたら、窒素の少ない肥料に変えてください。
尻腐れ病予防方法
- 土に苦土石灰を混ぜてカルシウムを与える
- 実にカルシウム剤を散布する
- こまめに脇芽を取る(それでも繁り過ぎたら摘葉)
- 水やりと肥料が適切かチェックする
トマトの尻腐れに効く薬剤・肥料
尻腐れ予防スプレー
住友化学園芸 肥料 トマトの尻腐れ予防スプレー 950ml
参考価格: 797円
住友化学園芸の「トマトの尻腐れ予防スプレー」は、薬剤(農薬)ではなく特殊肥料で、成分は水溶性のカルシウムです。希釈する必要がないので便利ですね。実やまわりの葉に直接吹きかけて使用します。実が青いうちにスプレーするといいでしょう。花にもスプレーしてかまいません。即効性で、尻腐れになりかけた実にも効きます。
カルシウムエキス(希釈)
アミノール化学 液体肥料 カルシウムエキス 500ml
参考価格: 1,989円
アミノール化学の「カルシウムエキス」は、カルシウム欠乏予防の葉面散布液肥です。即効でカルシウム補給ができます。水で500倍に希釈し、ジョーロや霧吹きに入れて実や葉にたっぷり散布しましょう。予防や、軽度の尻腐れの回復に効き目があります。
まとめ
「尻腐れ」は気の毒な表現ですが、家庭菜園ではよくあることです。病気ではないため、農薬を使わず対策がとれ、食べられるというのもうれしいですよね。土壌や与える肥料に気を配り、早めに見つけて対処しましょう。この記事では、尻腐れに焦点を当てました。詳しい育て方については、下の記事をご覧ください。
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出典:写真AC