レンタル畑で自給自足！関東近郊のシェア畑とそのメリット・デメリットを紹介！

貸し農園とは、名前からもわかる通り「農園を借りること」です。休日の過ごし方や食の安全に対する意識の変化から、これまで農業や園芸に接点がなくても「野菜の自給自足に挑戦したい」と考える人が増えています。このような希望をかなえてくれるのが、近年注目されている貸し農園です。

貸し農園は契約やサービス内容によって「レンタル畑」と「シェア畑」の2種類にわかれます。「貸し農園」の言葉の意味とほぼ同じなのがレンタル畑です。これに対してシェア畑は、複数の契約者が1つの畑をシェアします。そのためレンタル畑とは異なり、使用における制限や条件が多いです。

レンタル畑は、契約者が所有者から農地を一定期間借りることを意味します。契約の対象は畑（土地）なので、契約者が土地の所有者に支払うのは原則畑の賃貸料のみです。道具やトイレなどの確保は個別に必要ですが、1区画の広さが平均10㎡なので、広いスペースで野菜作りが楽しめます。

シェア畑は1つの畑を複数の契約者と共有（シェア）するため、畑をレンタルするにしても、使用について細かな制限がある点が貸し農園と異なります。ただし制限が厳しい分、「手ぶらで畑にきても農作業ができる」「週末農業の受け入れも可能」など、さまざまなニーズに柔軟な対応をしているのがシェア畑の特徴です。

東京23区内にある貸し農園は、規模はコンパクトでもサービスが充実しているシェア畑が多いです。特に東京都心に近い地域ほどシェア畑が多く、賃貸料金が安いレンタル畑は少ない傾向があります。そのため東京23区内で料金が安い貸し農園を探す場合は、都心から離れたエリアがおすすめです。

シェア畑足立青井は、五反野駅と青井駅からそれぞれ徒歩15分の場所にある貸し農園です。住宅街の中にある見晴らしのよい畑で、広さは3㎡と10㎡から選べます。利用料金は3㎡が6,400円、10㎡が8,900円です。駅からやや遠いですが、専用駐車場があるので車でも来園できます。

シェア畑葛飾柴又は、駅から徒歩5分の場所にある駅近の貸し農園です。専用駐車場はありませんが、休憩スペースで着替えができるので電車で通えます。ただし駅近物件のため月額料金が高く、3㎡で6,400円、4.8㎡で9,900円です。高砂駅が畑に近く便利ですが、柴又駅からも徒歩15分で移動できます。

田園調布区民農園は、格安で利用できるおすすめスポットです。大田区が管理している区民農園なので、大田区に住民登録していなければ利用できません。また利用希望者多数の場合は、抽選に当選した人のみ利用可能です。貸付期間は1年のみで継続契約はできません。とはいえ利用料金は、年間2万4,000円と格安です。

東京23区外でも東京のベッドタウンとして人気のエリアでは、東京23区の貸し農園事情とほとんど同じです。場合によっては、利用料金が東京23区内の貸し農園より高いこともあります。そのため利用を検討する際は、広さ・料金・サービス内容を細かくチェックするのがポイントです。

シェア畑リエットガーデン三鷹は、自然豊かで子育て世帯が多い三鷹市にあります。駅から徒歩10分の好立地のため、「子どもに農業体験をさせるために契約した」という利用者も多いです。利用料金は3㎡が8,000円、4.8㎡が1万1,000円と高めですが、友人と共同利用すればお得に利用できます。

シェア畑仙川伊藤農園は、調布市にある駅近の貸し農園です。最寄り駅である仙川駅から徒歩3分の好立地ですが、畑全体が広くのんびりとした雰囲気があるので、自分のペースで野菜作りが楽しめます。利用料金は3㎡が7,400円、8㎡が1万500円で、友人との共同利用が可能です。

ひよどり山農園は、八王子市の市民農園です。都内のレンタル農園としては珍しく、20㎡と30㎡から選べます。さらに市民だけでなく、市外在住者も利用可能です。年間利用料金が安く、20㎡が1万9,500円（市外は2万4,000円）、30㎡が2万9,250円（市外は3万3,750円）で利用できます。

東京近郊までエリアを拡大すると、広くて利用料金も安い貸し農園が多いです。東京近郊の貸し農園の広さは平均10㎡なので、広々したスペースでのんびり野菜作りがしたい人に向いています。ただしリーズナブルな貸し農園の多くは自治体が管理しているため、住民以外の利用ができないことが多いです。

小倉市民農園は、神奈川県川崎市にある市民農園です。川崎市が管理しているため、川崎市在住者しか利用できません。小倉市民農園は1区画10㎡ですが、利用料金が年間8,000円と安いです。現在172区画ありますが、年に一度の利用者募集には多くの希望者が集まります。

千代ヶ丘市民農園も、川崎市にある市民農園です。農園のすぐ近くにバス停やスーパーなどがあるため、利便性のよい市民農園として人気があります。川崎市に在住していることが利用条件ですが、10㎡の畑が年間8,000円で借りられるため、子育て中の若い世代の利用者が多いです。

シェア畑津田沼は、前原駅から徒歩10分の場所にある駅近の貸し農園です。農園の近くに公園やスーパーがあるため、買い物や子どもと遊ぶついでに野菜栽培が楽しめます。さらに専用駐車場もあるので、車の利用も可能です。利用料金は月額制で3㎡が6,400円、10㎡が8,000円で、友人との共同利用もできます。

関東近郊の貸し農園には、レンタル畑とシェア畑の2種類あります。「期間を決めて畑を借りる」という点においてこの2種類は共通するものの、サービスの内容や料金などの特徴は異なる点が多いです。共通点がある2種類がまったく異なる特徴を持っている理由には、貸し農園のメリットとデメリットが関係しています。

貸し農園のメリットは、住環境を変えずに家庭菜園ができることです。人口が密集している東京都内ではマンションのような集合住宅が多いですが、ベランダへの土の持ち込みを禁止しているマンションが増えています。貸し農園は住まいを変えず、暮らし方を変えるだけで家庭菜園を実現できる点が、魅力でありメリットです。

貸し農園には「週末だけの農業体験ができる」というメリットがあります。特に貸し農園の中でもシェア畑の場合は、専属アドバイザーによる農業サポートがサービスに含まれていることがほとんどです。さらに苗や肥料の準備も利用料金に含まれているので、週末の限られた時間でも、本格的な野菜作りや収穫体験ができます。

貸し農園は、運営者によって利用条件が大きく違う点がデメリットです。貸し農園には企業が管理・運営する「シェア畑」と、自治体が管理・運営する「レンタル畑」があります。値段が安いのはレンタル畑ですが、住民登録していることを条件とすることが多いです。シェア畑は誰でも利用できますが、料金が高い傾向にあります。

近年の貸し農園は単に農地を貸すだけでなく、さまざまなサービスがついた貸し農園も登場しています。初めての家庭菜園には不安がつきものですが、専属アドバイザーのサポートつき貸し農園なら、週末農業や子どもの農業体験にもおすすめです。