世界で愛される日本の桜
日本の春をいろどる花として、桜は欠かせない存在でしょう。世界に分布する桜は日本が過去に寄贈したもの、その場所に古くから自生していたものなどさまざまな種類があります。桜は海外にも広く分布しており、各国の桜名所は毎年人気です。国交樹立や相手国への敬意を示すために贈られた桜も多く存在し、世界に分布する桜はときには平和の象徴ともなりながら世界中の人から愛され続けています。
桜を愛し続ける日本人
春の訪れとともに薄ピンク色の花をいっせいに咲かせ、1年のうちわずか2週間足らずで散っていく桜の姿に、日本人はさまざまな思いを投影してきたといえるでしょう。歴史書にも桜はたびたび登場し、多くの歌に詠まれてきました。日本人と桜の不思議な関係は海外でも知られるところとなり、「SAKURA」や「HANAMI」という言葉も浸透しつつあります。
桜の分布
桜の分布は北半球を中心にヨーロッパ、西シベリア、中国、アメリカ、カナダなど世界中で、開花時期は日本とほぼ同じ3~5月にかけて楽しめます。また、桜があまり分布していないといわれる南半球でも日本人が多く暮らすニュージーランドやオーストラリアには多く植樹されており、開花時期は8~9月頃です。
ボタニ子
世界の桜の名所ランキング第20位~15位
第20位:【台湾】無極天元宮
無極天元宮(ウージーデェンユェンゴン)は台北市大屯山(だいとんざん)の麓にある人気スポットです。真元天壇(しんげんてんだん)と呼ばれる円型5階建ての朱色の建物と桜の組みあわせがアジアを強く感じさせてくれるでしょう。夜にはライトアップもされ、幻想的な雰囲気を楽しめます。台湾は日本からも近く、海外旅行先としても人気の国で、桜以外の観光スポットも多いのが魅力です。
無極天元宮の場所
第19位:【スペイン】カセレス・ヘルテ谷
スペインのカセレス県にあるヘルテ谷には、一面に桜が植えられています。日本のソメイヨシノのような品種とは異なりサクランボが採れる品種なので、花の色はソメイヨシノよりもさらに薄く、観賞用とまではいえません。しかし、広大なヘルテ谷に広がる桜が咲く様子は見ごたえがあります。一面の桜を街の高台から見下ろせば、まるで谷に雪が積もったような美しさを楽しめるでしょう。
ヘルテ谷の場所
ボタニ子
海外で「桜の木」というと、「サクランボが実る木」をさすことが多いんです。桜の木との違いを紹介した記事はこちらです。
18位:【ニュージーランド】オークランド・コーンウォールパーク
南半球のニュージーランド・オークランドにあるコーンウォールパークは、桜スポットして有名です。美しく手入れされ、広々とした芝生の上に桜が点在します。ニュージーランドの花見は芝生の上に座ってピクニックのように楽しむスタイルで、日本とはひと味違う花見の雰囲気が魅力的です。海外にいっても花の美しさを愛する気持ちは世界共通であることがきっと体験できるでしょう。
コーンウォールパークの場所
第17位:【アメリカ】マンハッタン・セントラルパーク
アメリカ・ニューヨーク州マンハッタンにあるセントラルパークはニューヨーク市民の憩いの場として有名ですが、桜の名所としても人気です。世界のあらゆるものが集まる世界の中枢都市ニューヨークの街並みにも桜は溶け込んでいます。桜並木の下をランニングしたり、花見をしたりと人々の楽しみとなっているのがうかがえるでしょう。桜の季節にニューヨークを訪れた際は探してみてくださいね。
セントラルパークの場所
16位:【フランス】パリ・ソー公園
西ヨーロッパのフランス・パリは花の都として有名ですが、パリ郊外のソー公園の桜も人気があります。八重桜や白い花の品種など、いくつかの種類が広大な芝生に植えられており、桜がフランスでも多くの人から愛されていることが伝わってくるでしょう。
ソー公園の場所
15位:【韓国】ソウル・汝矣島公園
韓国の首都ソウルにある汝矣島公園(ヨイドゴンウォン)は、6kmにもなる1800本の桜並木があり、毎年桜の季節になると花見の人たちであふれる名所です。3月~4月にかけて「永登浦(ヨンドゥンポ)汝矣島(ヨイド)春の花祭り」が開催され、花見やイベントなどでにぎわいます。地下鉄のアクセスもよいため、春に韓国を訪れた際にはぜひ立ち寄りたいスポットでしょう。
汝矣島漢江公園の場所
世界の桜の名所ランキング第14位~10位
14位:【韓国】慶尚南道・鎮海
韓国南端の都市・慶尚南道(キョンサンナムド)の鎮海(チネ)は、韓国内でも有数の桜名所です。植えられた桜の数はなんと30万本におよび、日本の桜名所である吉野の10倍の数を誇ります。30万本の桜は鎮海中に分布しているため、街の観光を楽しみながら花見ができるのも魅力でしょう。鎮海の桜は街中で見られるため、花見スポットが点在しています。国内外から毎年200万人もの観光客が訪れる世界有数の花見スポットです。
ドラマロケ地にもなった余佐川
「余佐川(ヨジャチョン)」は鎮海中に散らばる数ある花見スポットのなかでも、ドラマのロケ地に使われたこともある人気スポットです。川沿い1.5kmにわたって植えられた桜並木がなんともロマンチックです。
余佐川の場所
13位:【タイ】ルーイ県・ダーンサーイ
タイのルーイ県ダーンサーイの桜はヒマラヤ桜と呼ばれる種類で、日本のソメイヨシノよりも濃いピンク色が特徴です。タイの温暖な気候のおかげで開花時期は12月と遅めで、冬の観光で花見ができます。飛行機とバスを乗り継いでいかないと到着できない場所のため、まだ日本での知名度は低いですが、あたり一面ピンクに染まる景色は一見の価値ありでしょう。
ダーンサーイの場所
12位:【オーストラリア】シドニー・オーバーン植物園
桜の主な分布は北半球ですが、オーストラリアでは南半球でありながら桜が見られます。オーストラリア・シドニーにあるオーバーン植物園内では、毎年8月に開花する桜を楽しむ「シドニー桜まつり」が開催され、日本庭園での相撲や盆栽といった展示も人気です。日本とオーストラリアの友好を感じられるお祭りのひとつでしょう。
オーバーン植物園の場所
11位:【中国】武漢・東湖桜花園
中国・武漢の東湖桜花園の桜は青森県弘前の桜、ワシントンD.C.とともに世界三大桜として有名です。日本と中国の国交正常化をおこなった田中角栄元総理から贈られた78本の桜がはじまりで、現在、東湖桜花園内に植えられた桜は1万本にものぼります。中国らしい五重塔や赤い欄干とのコントラストが美しく、見ごろとなる3~4月には海外からも多くの観光客が訪れる人気スポットです。
東湖桜花園の場所
10位:【カナダ】トロント・ハイパーク
カナダのトロントにあるハイパークには、2000本以上の桜が植えられています。ハイパークの桜は日本の寄贈がはじまりです。戦後、生活に苦労したカナダの日系移民に温かい支援を示したカナダへ感謝の意を込めて日本から桜が贈られました。ハイパークの花見を楽しみにする人の声は国内・海外問わず多く聞かれ、日本の桜や花見文化が遠く離れたカナダにしっかりと根付いていることがうかがえるでしょう。
桜は世界に100種類以上あり、日本には10種類前後あるといわれています。桜の種類・品種をまとめた記事はこちらです。