チドメグサとは?
チドメグサとは、ウコギ科チドメグサ属の多年草植物です。道端の雑草としても認識され、和名は「血止草」、学名を「Hydrocotyle sibthorpioides」といいます。チドメグサは薬草でも知られ、生薬、湿布など薬用、煎じて飲む健康茶としても使われています。
チドメグサの生態
チドメグサはユーラシア大陸原産で、日本・アジアの熱帯地・台湾・中国・アフリカ、南アメリカ・オーストラリアに分布する多年草です。日本では本州・九州・沖縄・四国に多く生息しています。種子や地下茎で繁殖するチドメグサは、庭先や道端などのグランドカバープランツや水槽の水草に利用されています。
チドメグサの特徴
チドメグサの葉の特徴は、表面に艶があり、丸みを帯びたハートに似た形をしていることです。節から伸びる細い枝や根が地面を這うように広がり、土の表面を覆うように群生するのも特徴の1つです。チドメグサの花の色は白色~紫で、小さな花弁は5弁あり、束になって花を咲かせます。寒い地方では冬に枯れるものもあります。
チドメグサの効能
チドメグサの効能は止血作用のほか、利尿・解毒・腫れ物・肝硬変・星目・喉の腫れ・黄疸・歯痛・打撲傷などの炎症を抑える効果があるとされています。星目にはお茶にして洗眼し、止血には生の葉のしぼり汁を利用するといわれています。また、飲用には洗ったチドメグサを天日干しし、水分が半分になるまで煎じて飲まれているようです。
チドメグサの種類
日本で確認されているチドメグサは6種類で「ヒメチドメ」「オオチドメ(ノチドメ)」「ケチドメグサ」「オオバチドメ」などがあります。似ている植物は「ツボグサ」、外来種は「アマゾンチドメグサ」「ブラジルチドメグサ」「ウチワゼニクサ(ウォーターマッシュルーム・タテバチドメグサ)」です。
繁殖力があり湿気を好むアマゾンチドメグサ
水草でもあるチドメグサの仲間、南米原産のアマゾンチドメグサは水中や湿気の多い水辺を好んで生息する外来種です。繁殖力が強く鮮やかなグリーン色が見栄えがよいアマゾンチドメグサが、近年では水槽の水草などのアクアリウム用の植物として販売されています。
繁殖力が強いブラジルチドメグサと外来生物法
葉色が濃いのが特徴の南北アメリカ原産の「ブラジルチドメグサ」は、繁殖力が特に強い種類です。川辺に大量繁殖した経緯から、現在は特定外来生物に指定され、許可なしの栽培と輸入が禁止されています。水面に大量発生したブラジルチドメグサが太陽の光を遮ってしまい、水中の在来種などの生物の生息環境を悪くしてしまうほど、少ない栄養でも生き延びる繁殖力があるのです。
次のページでは、チドメグサの利用方法について見ていきましょう!