バイカモ(梅花藻)とは
バイカモは、学名Ranunculus nipponicus、キンポウゲ科・キンポウゲ属の水草で、別名ウメバチモ、ウダゼリ、カワマツなどと呼ばれ、山菜として食べられていました。現在はさまざまな理由で絶滅の恐れがあり、特に近畿地方では盛んに保全活動が行われています。
基本情報
園芸部類 | 水性多年生草本 |
形態 | 多年生・沈水植物 |
樹高・草丈 | 茎丈1~2m、葉丈2~6cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 日本固有種・食用、薬用、観光資源 |
栽培の可否 | 可(栽培度・困難) |
花言葉 | 幸せになります |
バイカモの特徴
バイカモは、山地や平地の流れのある川や湖の底に群生する、多年草の水草です。水温が14℃前後の清流でしか育ちません。水深が30~50cm前後で適度な流れがあり、砂や小石が数cm程堆積している場所に群生しやすいとされ、おもに湧き水を水源とする河川に見られます。
特徴①花
バイカモは細長い3~5cm程度の花茎を水中や水面に出して、直径約1.5cmの花をつけます。開花時期は3~11月頃で、花の色は白く花弁が5枚あり、梅の花に似ているためにバイカモ(梅花藻)やウメバチモ(梅鉢藻)という名前がつきました。
特徴②葉・茎
バイカモは水中に緑色の茎を漂わせ、節から不定根を出して水の底に定着して群生する水草です。切れやすく細い茎は1~2m程度まで伸び、葉の長さは2~6cm程度で、互生して扇状に裂けて、最後は糸のようになります。
バイカモの名所・近畿地方3選
醒井(さめがい)・地蔵川
醒井の地蔵川は、中山道の醒井宿の中に位置し、平成の清水100選に選ばれた居醒の清水(いさめのしみず)などの湧き水が水源となる川です。水温は年間を通して14℃前後と安定して、貴重な淡水魚の「ハヨリ」が生息しています。
ボタニ子
8月頃からは、百日紅の赤い花とのコラボレーションが楽しめます。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 咲き始めは5月、7月下旬~8月下旬 |
住所 | 滋賀県米原市醒井123 |
アクセス | 米原ICからJR醒ヶ井駅前駐車場まで約5分 JR醒ヶ井駅前駐車場から徒歩約10分 東海道本線 JR醒ヶ井駅下車 徒歩約10分 |
駐車場 | 醒井駅前駐車場他 |
問い合わせ | 米原市伊吹庁舎・商工観光課 0749-58-2227 |
田君川バイカモ公園
田君川は、兵庫県の新温泉町地区を流れる、湧き水と雪解け水を水源とする川です。標高10数mの平坦地、河口から約4kmの温泉地にバイカモが群生しているために、たいへん珍しいとされています。田君川のバイカモはヒメバイカモとよばれる品種です。
ボタニ子
ヒメバイカモは、環境省レッドデータブックに絶滅危惧IA類(CR)「ごく近い将来に絶滅する危険性が極めて高い種」に登録されています。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 5~8月初旬 |
住所 | 兵庫県美方郡新温泉町栃谷 |
アクセス | JR浜坂駅から町民バスで約10分「栃谷七釜温泉口」下車、徒歩約10分 八鹿氷ノ山ICから車で約60分・北近畿豊岡自動車道→国道9号→県道47号 |
駐車場 | あり |
問い合わせ | 浜坂観光協会 0796-82-4580 |
神河町・JR播但線新野駅付近
JR播但線新野駅付近には流れがきれいな用水路が多数存在し、毎年多数のバイカモの花が咲きます。用水路には1963年以前から存在する、水を田へくみ上げる水車があり観光スポットのひとつです。バイカモの花は神河町のホテルモンテローザの水路でも咲きます。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 5月上旬~8月下旬 |
住所 | 兵庫県神崎郡神河町新野 |
アクセス | JR播但線新野駅 |
駐車場 | ー |
問い合わせ | カ-ミンの観光案内所 0790-34-1001 |
バイカモの名所・北海道2選
恵庭市・さいわい公園
恵庭市にあるさいわい公園は駐車場やトイレなどが完備された公園です。西茂漁橋のそばにある看板横から川沿いに川上に行くとバイカモが咲いています。
ボタニ子
急な土手を降りるので、気をつけてくださいね。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 6月中旬~8月上旬 |
住所 | 北海道恵庭市幸町1-826 |
アクセス | JR北海道千歳線恵庭駅より徒歩約30分 |
駐車場 | あり |
問い合わせ | 恵庭市経済部 花と緑・観光課 0123-33-3131(内線2521) |
恵庭市・恵み野中央公園
恵庭市の恵み野中央公園は、恵み野地区の中央に位置する総合公園です。近年公園内でバイカモは咲いていませんが、付近にある恵み野南緑地の用水路でバイカモの花が咲きます。水辺の近く、写真撮影がしやすい場所とされています。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 6月中旬~8月上旬 |
住所 | 北海道恵庭市恵み野北3丁目9 |
アクセス | 恵庭ecoバス 「図書館」バス停で下車 |
駐車場 | あり(恵み野小学校側が便利) |
問い合わせ | 恵庭市経済部 花と緑・観光課 0123-33-3131(内線2521) |
バイカモの名所・その他5選
上真柄町・治佐川
越前市上真柄町の治佐川は、水源と同じ地下からくみ上げられる水が、福井のおいしい水に認定された清流です。治佐川には、水が冷たくてきれいな場所にしか生息しない淡水魚トミヨが生息しています。
ボタニ子
治佐川付近は道路がとても狭いので注意してくださいね。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 6月下旬~8月 |
住所 | 福井県越前市上真柄町44 |
アクセス | 北陸道武生IC~ |
駐車場 | ― |
問い合わせ | 越前市観光交流推進課 0778-22-7434 |
三島梅花藻の里
富士山から湧き出す地下水が豊富な静岡県三島梅花藻公園のバイカモは、イチョウバイカモといわれる品種の変種、ミシマバイカモです。1935年に楽寿園の小浜池で発見されたといわれています。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 5~9月 |
住所 | 静岡県三島市南本町7 |
アクセス | 東海道本線JR三島駅から徒歩約20分 伊豆箱根鉄道駿豆線三島田町駅から徒歩約5分 (佐野美術館近く) |
駐車場 | ー |
問い合わせ | 三島市商工観光課 055-983-2656 |
都留市・長慶寺
基本情報
長慶寺は、京都の妙心寺を本山とする禅宗のお寺です。長慶寺の湧き水は平成20年に平成の名水百選に選ばれた、十日市場・夏狩湧水群に属しています。あずまや風の休憩所では無料で名水を楽しめます。
開花時期・例年の見頃 | 5月下旬~9月下旬 |
住所 | 山梨県都留市夏狩240 |
アクセス | 中央自動車道都留 ICを下りて左折、国道139号線を富士吉田方面に約7分 富士急行線・十日市場駅で下車、北西方向に徒歩約20分 |
駐車場 | あり |
問い合わせ | 長慶寺 0554-56-9453 |
湖南町中野地区・清水川
清水川は福島県湖南町中野地区に流れる清流です。地元では金魚草と呼ばれ、中野地区環境を守る会により大切に管理されています。
ボタニ子
清水川のバイカモは、福島県の絶滅危惧Ⅱ類「絶滅の危険が増大している種」に指定されています。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 6月中旬~8月上旬 |
住所 | 福島県郡山市湖南町中野字堰内 |
アクセス | JR東日本・郡山駅から車で約40分 |
駐車場 | ー |
問い合わせ | 郡山市湖南町観光協会 024-983-2117 |
白石市・白石城周辺
宮城県白石市指定史跡の白石城は、陸奥国苅田郡に位置し、江戸時代は仙台藩主家臣の城でした。お堀の館掘川と武家屋敷周辺の沢端川の清流で梅花藻の花が咲きます。
基本情報
開花時期・例年の見頃 | 6月中旬~8月上旬 |
住所 | 宮城県白石市益岡町1-16(益岡公園内) 宮城県白石市西益岡町6-52(武家屋敷) |
アクセス | 東北新幹線 白石蔵王駅より車で約5分 JR東北本線 白石駅より徒歩約10分 東北自動車道 白石ICより約10分 |
駐車場 | 城下広場駐車場、益岡公園駐車場ほか、周辺の駐車場 |
問い合わせ | 白石市商工観光課 0224-22-1321 |
バイカモの名所に行ってみよう!
ボタニ子
大雨のあとは、川が増水してバイカモの花が散ってしまいます。お出かけ前に状況を確認しましょう。
絶滅が危惧されるバイカモは、さまざまな理由により花が少ない場合もあります。バイカモが群生する地域はきれいな水とともに、古くから地域の人たちに保護された大切な場所です。地域の人たちの迷惑にならないように注意しながら、かわいらしいバイカモの花を楽しみましょう。
出典:写真AC