シンビジウムの育て方!生育に適した環境や水やりなど管理のコツは?

シンビジウムの育て方!生育に適した環境や水やりなど管理のコツは?

花色も豊富ですらりとした姿も美しいシンビジウムは、洋蘭の中でも低温に強く越冬が比較的簡単です。じゅうぶんな日当たりの環境を確保することが花芽を付けるコツで、初心者にも楽しめるように、シンビジウム栽培の月別の管理方法や水やりの基本をお伝えします。

記事の目次

  1. 1.シンビジウムの魅力
  2. 2.シンビジウムの育て方
  3. 3.シンビジウムの植え替え
  4. 4.シンビジウムの増やし方(株分け)
  5. 5.シンビジウムに花芽をつけるには?
  6. 6.シンビジウムの花後の管理
  7. 7.まとめ

年間栽培管理表

月別の手入れ

出典:写真AC

1月

12月に花つきやつぼみ付きのシンビジウムを、入手したときは花は咲き続けています。家庭で何年も育てている株の場合は環境や手入れ方法の違いで状態はばらばらです。夜間の温度が22℃以上あるとつぼみが咲かずに黄変して落ちるので、暖房効果のうすい場所に夜は移動します。

置き場所 ガラス越しの日光が当たる場所
水やり 乾いたら午前中にあげる
施肥 施さない
植え替え 行わない

2月

12月から開花してきた株はもう2か月近く経ち、株の消耗をふせぐ意味でも花茎を切り戻して切り花として楽しんだほうがよいでしょう。つぼみが開花しようとしている茎はそのまま開花させます。急な寒さには注意しましょう。

置き場所 ガラス越しの日光が当たる場所
水やり 乾いたら午前中にあげる
施肥 施さない
植え替え 行わない

3月

徐々に気温が高くなり、冬場の株を置いた部屋の夜間の最低気温によりシンビジウムの状態が違っています。最低温度15℃で管理した株は花が終り新芽が伸びはじめていますが、最低温度7℃の株は花芽が伸びたり開花をはじめている状態です。

置き場所 ガラス越しの日光が当たる場所
水やり 乾いたら午前中にあげる
施肥 施さない
植え替え 行わない

4月

花が3月中に終わり新芽を伸ばしている株や開花中の株、花茎が伸びてまだこれから開花する株などばらつきはあります。バルブから伸びた新芽を見つけたら作業開始の合図です。また、春の芽かきは必ず行います。八重桜の終わるころまでは、まだ花冷えもあるので部屋から野外には移動しません。

芽かきとは

春に出てくる芽はほとんどが葉芽とよばれる葉になるもので、たくさん葉がしげると花芽が出にくくなるので新芽の数をへらす目的で芽かきという作業が必要となります。具体的には出てきた葉芽を折り取ります。

芽かきの方法

  • 一株に3芽ほど残し、ほかは芽かきをします
  • 芽の根もとに指をかけて折り取ります(先をつまむと途中で折れるので確実に)

置き場所 下旬から遮光30%~40%の野外での管理
水やり 用土の表面が乾いたら与える
施肥 下旬から液体肥料と固形の置き肥を施す
植え替え 適期なので必要な株は行う

5月

まだ株によって状態は違いますが、開花中で部屋で管理している株も新芽がではじめたら成長期の合図なので野外の管理に変えます。日光が強くなるので、部屋から出した株は必ず遮光をしないと葉焼けをおこします。葉焼けの回復はできないので起こしてしまい、葉の色が変わった部分は切り落とします。

置き場所 野外の30~40%の遮光
水やり 晴れたら毎日与える
施肥 週1回の液体肥料、油かすの置き肥は月に1回施す
植え替え 中旬までに行う

6月

春先に伸びてきた新芽がぐんぐん育つ時期です。梅雨の時期はシンビジウムにとっては好ましい環境といえます。気温も最高で30℃くらいで最低気温も15℃くらいあり、梅雨特有の多湿が新芽の成長に最適の条件です。この梅雨時期に大きく育てることが栽培の成功のポイントなのです。

置き場所 遮光ネットをはずして雨にもあてる
水やり 乾いたらすぐに与える
施肥 3~4日に1回液体肥料を施す、油かすの置き肥は月1回
植え替え なるべく避ける

7月

梅雨明けと同時に高温となり日ざしも強くなります。新芽の葉が5~6枚くらいになってきて成長期の最中なので栽培環境のチェックを行います。毎日5~6時間日が当たる場所を選び、木の下などの置き場はよさそうに感じますが日光不足となりがちなので注意が必要です。

置き場所 野外で遮光30~40%
水やり 乾いたらすぐに与える、葉水も必要
施肥 週1回液体肥料、油かすの置き肥は月1回施す
植え替え 行わない

8月

8月は本来ならば高温多湿で成長によさそうですが、シンビジウムは昼間の気温にくらべて夜間の気温が10℃ぐらい下がる環境を好みます。特に都会では熱帯夜が多く、生育不良の状態になりやすいので夜に鉢の温度や周りの温度を下げる目的の葉水と地面への打ち水がかかせません。

置き場所 野外で遮光30~40%
水やり たっぷりと与え、夕方から夜に葉水と打ち水
施肥 週1回液体肥料を施す、置き肥は8月からはしない
植え替え 行ってはいけない

9月

朝夕の気温変化がはっきりとしてくるとシンビジウムに変化があらわれます。葉の付け根にあるバルブが、少しずつふくらみ始めて成長期の終わりを告げます。9月は花芽ができる大切な時期で日当たりが重要ですから、大きくなった株が一鉢でないときは置き場所で葉が重なり日光の量が不足しないようにします。

置き場所 野外で遮光30~40%
水やり 乾いたらたっぷりと与える
施肥 週1回液体肥料を施す
植え替え 根腐れ以外は行わない

10月

葉の成長は止まり、バルブが太る充実期をむかえます。充実した株ですと下旬に花芽があらわれることもありますし、花芽と葉芽が同時に出ている株や葉芽だけということもあります。10月は芽の状態を見て秋の芽かきが必要となり、下旬ころになると北国では部屋に取り込む必要も出てきます。

秋の芽かき

バルブの成長期に花芽と葉芽が出てきたときに、花芽だけ残して葉芽を折り取る作業を秋の芽かきといいます。花芽にバルブの養分が行きわたらないと花茎の成長が妨げられます。春の芽かきと同じように確実に折り取ります。

花芽と葉芽の見分け方

  • 株元に出てきた芽のなかでたけのこのようにふっくらしたものが花芽
  • とがった平べったい芽が葉芽
  • 花芽はさわってみると先のほうまで中身がつまっているのがわかります

置き場所 野外で遮光30~40%
水やり 乾いたら与える
施肥 基本的には施さない
植え替え 行わない

11月

出典:写真AC

株は成長を休む時期となり、今シーズンの春から成長してきた芽は新しいバルブとなり葉も8~9枚育っています。10月と同じように花芽か葉芽かを見極めて芽かきをしましょう。天気予報をチェックして関東地方以西の地域でも最低気温が10℃になったら部屋に取り込みます。よく日光が当たる場所を置き場所にしましょう。

置き場所 ガラス越しの日光が当たる場所
水やり 乾いたら与える
施肥 施さない
植え替え 行わない

12月

成長の休止期になり新しい葉もバルブも出ません。シンビジウムは成長が止まっている時期に花芽を伸ばし開花する性質なので、いまある花芽やこれから伸びる花芽を大切に世話する時期です。園芸店で売っているシンビジウムは、夏場に涼しい地域で育てて早く花芽が伸びたものですから、家庭では12月に花芽が伸びだせば順調といえます。

置き場所 ガラス越しの日光が当たる場所
水やり 乾いたら午前中に与える
施肥 施さない
植え替え 行わない

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シンビジウムの植え替え

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