デンファレとは
デンファレはラン科の着生植物です。「デンドロビウム・ファレノプシス」が正式名称で、洋蘭の一種に分類されます。「ファレノプシス(胡蝶蘭の学名)」とあるとおり、花は胡蝶蘭によく似た形です。かわいらしい形とトロピカルな花色は、鉢花やアレンジメントのほか、ブライダルの装飾やハワイの首飾り「レイ」の材料としても親しまれています。
名前 | デンファレ |
園芸分類、形態 | 多年草、ラン |
原産地 | ニューギニア~オーストラリア北部 |
開花の時期 | 6月~9月 |
花の色 | 白、ピンク色、ミックスなど |
暑さ / 寒さ | 強い / 弱い |
特徴 | 常緑性 |
独特の成長方法を持つ「着生植物」
デンファレの科属名は「ラン科デンドロビウム属」です。このデンドロビウムという言葉は樹木を意味する「デンドロン」と、生命や生活という意味の「ビオン」のふたつのギリシア語が由来で、デンファレの着生植物であるという性質も表しています。
- 「着生植物」…土の中に根を張らずに成長する植物のこと。
着生植物は土中に根を張らない代わりに、樹木に根を張りめぐらせて、雨や霧などの空気中の水分を取りこんで成長します。ほかの木々にくっついてはいるものの、栄養分を吸い取っているわけではありませんので、根を張る対象は岩の表面でも大丈夫です。デンファレを栽培するときにはこの性質を活かして、切り株や樹木にデンファレの根を張らせる着生栽培という方法を取ることも可能です。風通しや水切れがよいので、根が活発に育つ傾向にあります。
デンファレの種類
デンファレはニューギニアやオーストラリア北部など、熱帯性湿地に自生する植物です。最初に交雑を成功させたハワイでの栽培以降、寒暖差の少ない地域でも育てられる蘭として一気に人気が高まり、品種改良が進められました。現在ではタイやシンガポールでの栽培が盛んです。特にタイは、生産量・輸出量ともに世界トップを誇っています。たくさんある種類のうち、代表的なものをいくつか見ていきましょう。
デンドロビウム・ファレノプシス
デンファレの代表的な交配親で、ピンクがかった紫色の花びらが特徴です。この品種をもとにした園芸品種が多数開発されていて、その数はなんと45,000種を超えるともいわれています。それらの品種を総称した「ファレノプシスタイプ」は、デンファレの中でも圧倒的な存在感を放っています。胡蝶蘭に似たひらひらと繊細な花びらが人気です。
デンドロビウム・ビギバム
ファレノプシスとこの「デンドロビウム・ビギマム」が、原種の中でも有名なふたつです。主に小型品種の母体として使われていて、ビギマムから生まれた「ミニデンファレ」シリーズは10,000種類ほど存在します。白色や紫色がよく見られる花色です。小ぶりの花が可憐な印象ですね。
デンファレ・サンダンスグリーン
ピンクや紫といった色が目立つなか、ひときわ個性的なライトグリーンの花びらで目を引くこの品種が「デンファレ・サンダンスグリーン」です。しっかりとした花びらは大きめですが色合いが淡いので、ほかの色のデンファレのブーケにしても相性がよさそうですね。
デンファレ・エマホワイト
透きとおるように真っ白で、清楚な花びらが美しい品種です。アレンジメントや洋風ガーデンはもちろん、和室にもしっとりと馴染む涼しげな雰囲気があります。奥ゆかしい咲きぶりから、供花や献花としても人気のデンファレです。
デンファレ・ラブリーピンク
ピンクの花びらに白でしぼりが入ったようなデザインが特徴で、その名の意味しているとおりラブリーなピンク色の品種です。ほかのデンファレにはない色合いなので、お花に詳しい人にも喜ばれそうですね。
ボタニ子
次のページではデンファレの花言葉についてご紹介します!
デンファレの花言葉
デンファレは全体に共通した花言葉のほか、花の色によっても花言葉が違います。贈りものの意味や目的によって使う花の色を変えると、より相手にぴったりのプレゼントになりますね。それぞれの花言葉について、順番に見ていきましょう。
デンファレの花言葉(全般)
デンファレ全体に共通する花言葉は、「わがままな美人」「天性の華」「お似合いのふたり」です。堂々とした咲きぶりから少し高飛車な美人や、華のある女性を意味する花言葉がつけられたのでしょう。また、着生植物という性質から樹木に寄り添っているように見えるので、「お似合い」のイメージも持たれています。
デンファレの花言葉(ピンク色)
ピンク色のデンファレは「有能な人」という花言葉を持ちます。非常にかわいらしい色をしていますが、花言葉はかっこいい意味なのが特徴的ですね。信頼する仲間や、尊敬している先輩に贈るプレゼントにおすすめです。
デンファレの花言葉(白色)
楚々とした姿から、白色のデンファレには「純粋な愛」という素朴な意味合いの花言葉がつけられています。さりげなく気持ちを伝えたいときは、白いデンファレをプレゼントするのも素敵ですね。
デンファレの花言葉(紫色)
凛とした印象を抱かせる紫色のデンファレが意味しているのは、「愛と美」そして「よろこび」です。ポジティブで強さを感じさせる花言葉は、発表会や展示会などの場にもよく映えますね。
ボタ爺
続いては、デンファレの栽培方法について解説していくぞ。
出典:写真AC