キンリョウヘン(金稜辺)とは?ミツバチとの関係や栽培方法をご紹介!

キンリョウヘン(金稜辺)とは?ミツバチとの関係や栽培方法をご紹介!

キンリョウヘン(金稜辺)は中国原産のシンビジウムの一種です。キンリョウヘンはニホンミツバチという種類のミツバチと深い関係があります。そんなキンリョウヘンとミツバチとの関係と、育て方や植え替え、株分けの方法をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.キンリョウヘンとは
  2. 2.キンリョウヘンの特徴
  3. 3.キンリョウヘンとミツバチの関係
  4. 4.キンリョウヘンを購入するときのポイント
  5. 5.キンリョウヘンの育て方
  6. 6.キンリョウヘンの開花調整
  7. 7.キンリョウヘンの増やし方
  8. 8.まとめ

キンリョウヘンとは

Photo by wasabinouta

基本情報

ラン科
シュンラン属
原産国 中国
分布 野生種は中国南部に自生
開花期 4月~5月
別名 金稜辺、金陵辺、蜜蜂蘭(ミツバチラン)

キンリョウヘンは中国原産のラン科の植物でシンビジウムの一種です。日本には室町時代頃に渡来したといわれており、明治時代に栽培ブームがおきました。そのときからさまざまな種類の品種が作られていき、現在に至ります。キンリョウヘンはそんなシンビジウムの中でも交配種ではなく原種にあたります。そのため、シンビジウムの中では比較的育てやすい種類なのです。

キンリョウヘンの特徴

出典:写真AC

キンリョウヘンは品種改良されて華やかな花を持つほかのシンビジウムに比べると、花が地味なため、花を楽しむ種類としてはあまり人気がありません。しかし、キンリョウヘンにはニホンミツバチを誘引(ゆういん)するという大きな特徴があります。この特徴があるため、キンリョウヘンはミツバチを飼う養蜂家(ようほうか)には欠かせない植物になっています。

キンリョウヘンとミツバチの関係

Photo by coniferconifer

キンリョウヘンは蜜を出しません。花ではなく、花が付く花茎の根元に、ニホンミツバチを誘引するフェロモンを出す蜜腺があります。このフェロモンにひかれてニホンミツバチはキンリョウヘンに集まってきます。ニホンミツバチは野生種であるため、販売されてはいません。そのため、ニホンミツバチが群れを分ける春に、新しい巣を求めるニホンミツバチをキンリョウヘンを使ってひきつけ捕獲するのです。

ニホンミツバチとは

Photo by wasabinouta

ニホンミツバチは古来から日本にいるミツバチで、北海道と沖縄、離島の一部以外の日本各地に生息しています。ニホンミツバチは帰巣本能が強く、セイヨウミツバチに比べるとあまり多くの蜜を集めません。また、ニホンミツバチは比較的大人しい性質を持っていますが、反面、天敵のスズメバチに対抗する手段を持っており、集団で群がって自らの体温で熱死させることもできます。

キンリョウヘンが誘引できるミツバチ

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キンリョウヘンは中国を原産とするシンビジウムなので、キンリョウヘンの持つフェロモンは中国のトウヨウミツバチと、同じ種類のニホンミツバチは誘引できます。また、タイに居るトウヨウミツバチの亜種もキンリョウヘンのフェロモンが有効ですが、同じトウヨウミツバチの系統でも必ずしも誘引できるとは限らないのです。そして、セイヨウミツバチはキンリョウヘンのフェロモンでは誘引できません。

誘引するときのコツ

キンリョウヘンを使ってニホンミツバチの群れを捕獲するには、持ち桶、持ち箱と呼ばれる捕獲用の巣箱を用意して近くにキンリョウヘンを置きます。このとき、キンリョウヘンに目の細かい網をかけておくとよいでしょう。キンリョウヘンにはかなりの数のニホンミツバチが引き寄せられるので、スズメバチを殺すほどの熱でキンリョウヘンが弱ってしまうからです。また受粉することによって花が長持ちしなくなるのも防げます。

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キンリョウヘンを購入するときのポイント

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