エピデンドラムとは
エピデンドラムはラン科に分類される多年草です。原産地は中南米の熱帯、亜熱帯地区に分布します。 野生種の草丈は1m以上にもなりますが、現在の日本で流通しているエピデンドラムの丈は、30~100cmほどで、茎が長く伸びすぎないよう改良された交配種です。
学名
ランの仲間であるエピデンドラムの学名は、Epidendrum(エピデンドラム)です。ギリシャ語で“epi”は「上」、“dendron”は「樹木」という意味です。これは、エピデンドラムが土ではなく、樹木や岩の上に根を張る着生ランであることに由来します。
英名と別名
エピデンドラムの英名は、“Button-Hole Orchid”(ボタンホールオーキッド)です。エピデンドラムは「エピデン」「エピデンドルム」「エピデンドロン」「虹手毬(ニジテマリ)」「サクラヒメチドリ(桜姫千鳥)」などの別名ももっています。
用途
ランの栽培は上級者向けだと考えられがちなのですが、エピデンドラムの育て方は比較的簡単なので園芸ビギナーの方にも楽しんでいただけるランの仲間です。長い茎の先に咲く花が美しいため、切り花や生け花でも多く使われます。
エピデンドラムの花の特徴
花の姿の特徴
エピデンドラムのまっすぐに伸びた細長い茎の頂には、ボール状に小輪の花を咲かせます。小さな花が集まってボールのような丸い形をつくるので、とても華やかです。開花の時期は、12月~8月ですが、種類によって異なります。
花の色の特徴
エピデンドラムの細長い茎の先には、美しい花をつけます。多数の小さな花が形作るボール状の姿は特に印象的です。野生のエピデンドラムの色はオレンジが主流でしたが、現在では、オレンジ以外にも黄色、白、ピンク、赤、紫など色の数も増えています。
品種の特徴
日本では成長を抑制するタイプのリードステムエピデンドラムという品種が多く流通していますが、エピデンドラムは観賞用に交配され、現在では1000種以上もの品種があります。葉が垂れ下がる、茎が肥大する、棒状の茎をのばすなど、多種多様な形状をしています。
日本に出回る品種
一般的に日本でエピデンドラムといえば、長く伸びた茎の先端にボール状に小輪状の花を咲かせるタイプを指します。このような品種は「ラディカンス系」や「リードステム系」と呼ばれています。
エピデンドラム・ラディカンス
「ラディカンス系」の代表は、エピデンドラム・ラディカンスです。交配に使用される主要な原種です。茎が長く、オレンジはこの花の代表的な色ですが、他にも色が豊富です。茎が長く成長するので、鉢植えには向きません。
エピデンドラムの花言葉
エピデンドラムの花言葉は「孤高への憧れ」「判断力」「可憐な恋」などがあります。その他には、「ささやき」「浄福」「可憐な美」「孤高へのあこがれ」「日々豊かに」「清らかな幸福」などもあります。エピデンドラムの花言葉の由来について探ってみましょう。
「孤高への憧れ」
これは想像するのが簡単ではないかもしれませんが、野生のエピデンドラムが高く数メートルもの茎をのばし、そのの先端にボール状の花をつける姿になぞらえた名前です。野原にすっと立つエピデンドラムの姿が独り信念を追及することへの憧れに結びついたのです。
「判断力」
「判断力」という花言葉の意味もエピデンドラムのねじれることなく、すっと高くまっすぐに伸びた茎が、聡明な判断力を思わせるということに由来します。樹木や岩の上に根を張ることからもこの言葉をイメージできますね。
「可憐な恋」
「可憐な恋」は花の姿から簡単に想像できるのではないでしょうか。オレンジやピンクのかわいらしい小さな花が群れて、次々に咲き誇る姿はこの花言葉がぴったりです。
ボタニ子
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