カトレアとは?
鮮やかで優美な花を咲かせるカトレアは「洋ランの女王」ともいわれ、愛好家の多い洋ランの代表ともいえます。カトレアというと栽培が難しいイメージが強いかもしれませんが、最近では初心者が育てやすいミニタイプの人気が高まり、ホームセンターでの取り扱いも増え始めました。
熱帯育ちの着生ラン
コロンビア、ベネズエラ、ブラジルなど中南米など熱帯地方が主な原産地で、樹木の幹に着生しています。雨季と乾季がはっきりとした気候で多くのカトレアは育っています。
カトレアの種類
カトレアは属名変更が多く、栽培しているうちに属名が変わっていることも少なくありません。そのため、旧属名のままの表記で出回っていることも多いのが現状です。カトレアの多くは、下記の2つの属に分類されます。
カトレア属
カトレアの基本種で「C.」という略語で表わし、近縁種の多くがカトレア属にまとめられ大所帯のグループになりました。ミニタイプのものなどさまざまな交配種が誕生し、多種多様な花が魅力です。
リンコレリア属
カトレアの近縁種で「Rlc.」という略語で表わします。かつてはブラサボラ属とされていたものが多く、その一部(ディグボアナ、グラウカ)とカトレアとブラサボラ属の交配種の多くがリンコレリア属へ変更になりました。
カトレアの生育サイクル
カトレアは「春咲き」、「夏咲き」、「秋咲き」、「冬咲き」の4つに分けられ、管理方法も生育サイクルごとに変わります。秋・冬咲きは春からが成長期で、生育のサイクルがわかりやすく品種数も多いため、入門種として選ぶのにおすすめです。カトレアの植え替えは、生育サイクルを意識すると失敗が少なくなります。
生育サイクル一覧 | |||
種類 | 成長期 | 休眠期 | 開花期 |
冬咲き | 春~秋 | 冬 | 12~3月 |
春咲き | 初夏~晩秋 | 冬~春 | 3~4月 |
夏咲き | 冬~早春 | 夏~初冬 | 5~7月 |
秋咲き | 早春~晩夏 | 秋~冬 | 9~11月 |
カトレアの構造
構造①バルブ
カトレアはバルブという太い茎の上に葉を開き、その先に花を咲かせます。バルブは新芽が伸びるリードバルブとそれ以外の古いバックバルブで構成されます。植え替え時には、この2種類のバルブをしっかり把握することが重要になります。画像を参考に確認しておきましょう。
構造②花
蕾は「シース」と呼ばれる葉の中に包まれて出てきます。中には写真のようにシースがなく、いきなり蕾があわられる種類もあります。主な花の構造はイラストの通りです。
シースのない例
構造③根
カトレアは5mm前後のやや細めの根をしています。成長期に入るとバルブの根元から伸びだしてきます。植え替え時期が来るサインにもなりますので、こまめにチェックしておくとよいでしょう。
画像出典:筆者作成