シンビジウムの植え替え
シンビジウムは毎年春に新芽を出して成長をし、2年もすると株は鉢のふちまで上がってきます。
植え替えの目的
植え替えの目的は、新芽や鉢の中の新根を伸ばしやすくして葉ばかり増えるのを防ぐことにあります。葉ばかり茂ると花芽がつきにくくなり成長を悪くしてしまいます。新芽や新根をのびのびと育てるために、いままでの鉢よりひと回りくらい大きい鉢に植え替えをします。この作業を鉢増しといいます。
植え替えの注意点
- 植え替えは必ず4月~5月上旬の適期に行う
- 新根を育てるために植え替えは毎年するのはNG
- 鉢はひと回り程度の大きさにとどめる(いきなり大きくしない)
植え替えに必要な用具
鉢
プラスティック製か化粧鉢を使用します。シンビジウムの根は下に伸びる性質のため、鉢は直径より高さのある「蘭鉢」がよいでしょう。
植え込み材料
洋蘭用の培養土を使用します。軽石やバークを主体にしたもので水はけもよくシンビジウムには適しています。ふつうの草花用の培養土は根腐れをおこすので使用しません。
ゴム製ハンマー
鉢いっぱいに根が張ったシンビジウムを抜くために必要です。葉をまとめて片手でにぎり、鉢の周囲の縁をゴム製のハンマーでたたくとすっぽりと抜けます。
植木はさみ
根の状態を見て黒ずんだ根をカットします。何鉢も植え替えるときは、一鉢ずつ必ずはさみは消毒しウィルス性の病気に感染させないために消毒は必要で無水のアルコールでふくのが便利です。
植え込み棒
新しい培養土を少しずつ加えながら植え込み棒で均等に土を足していきます。植え込み棒は竹べらの長いものか、菜箸などで代用もできます。
植え替えの用具
- 鉢はプラスティックか化粧鉢の蘭鉢を使用します
- 植え込みの用土は蘭専用の培養土を使用します
- 株を鉢から抜くためにゴム製ハンマーか木づちを用意します
- 清潔なはさみを消毒して使います
- 植え込み棒を準備します
植え替えの方法
植え替えの適期は4月上旬~5月中旬で、1年おきか2年おきに行います。新根が成長するには1年はかかるので毎年植え替えをすると根が育ちきりません。
- 葉をたばねてしっかりと手でにぎり鉢を持ち上げ縁をハンマーでたたきます
- 健康な根は白です
- 黒い根は根腐れをしているのでその場合は根をすべて切り取ります
- 通常の植え替えは根の下1/3を切り取ります
- 根鉢を手の甲でたたき古い植え込み材料を半分ほど取り除きます
- 新しい鉢の縁から2cmのところに株元がくるように植えます
- 材料を植え込み棒を使いながら少しずつ固く詰めます
シンビジウムの増やし方(株分け)
大きくなった株を小さく分けることを株分けといい、植え替えの適期と同じ時期に行います。植え替えを1~2年おきに行うと、シンビジウムの株も大きくなるので増やす楽しみもかねて株分けをします。
株分けの目的
大きくなったシンビジウムは用土も多いので、運ぶのが大変になってきます。また葉がなくなったバルブが鉢のまんなかに集まってしまい、見た目を美しくなくなります。持ち運びしやすくなり株姿もきれいになるのが株分けのポイントです。
株分けの注意点
- バルブを1つずつに分けてはいけません
- 葉のあるバルブを2バルブつながった状態か、古い葉のないバルブを入れて3バルブにします
- 分けた株の大きさにあった鉢を選びます
株分けの方法
株分けをして増やすのもシンビジウムの栽培のだいごみです。珍しい種類や好きな花色のシンビジウムを、大株にする前に株分けで増やして株数をたくさんにすることもできます。
- 花茎が残っていたら折り取り支柱もはずします
- 葉をたばねて握り鉢を持ち上げハンマーで縁をたたきます(植え替えと同じ)
- 根鉢の下1/3をカットします(植え替えと同じ)
- 2バルブか3バルブで分ける位置も決めて切れ込みを入れます
- 手で植え込み材料を落とし株分けをします(手またははさみでカット)
- 葉がないバルブが多すぎるときは古いバルブを取り除きます
- 植え替えと同じように植え付けをします
シンビジウムに花芽をつけるには?
シンビジウムの花芽を開花するために少しの注意点があります。確実に花を咲かせるためのポイントをご紹介します!
花芽がつく時期の管理
朝晩がいくらか涼しくなってくる9月が花芽ができる時期です。よく見ると葉の付け根にある茎(バルブ)がふくらんできて成長期の終わりのサインです。お彼岸以降は明るい日光の当たる時間が減るので、野外での置き場所の日当たりチェックがかかせません。
花芽を確実に育てる方法
葉芽が出てきているときは花芽に養分を集中させるために、芽かきを確実に行います。また、肥料も液体肥料を週に1回水やりの代わりに施します。固形の置き肥は葉芽の生育を促すので秋には施しません。まだまだ昼間の日光は強いので、遮光をしないと葉焼けをしてしまいます。
シンビジウムに花芽をつけるために
- 水やりの代わりに週1回の液体肥料を与えます
- 葉芽を見つけたら芽かきを必ずします
- じゅうぶんな日当たりを確保しましょう
シンビジウムの花後の管理
シンビジウムは最初の一輪が咲きだしてから100日くらいの花の寿命があります。もちろん鉢花として飾るのもよいのですが、すべての茎が開花したら最初の花茎から順番に切り花として楽しむと株の消耗がさけられます。
開花中の注意点
シンビジウムは室内の日当たりがよく、ガラス越しに日光がさす環境が置き場所として適しています。ただ寒い時期ですと暖房を使うことが多いので少し注意が必要です。暖房の風が直接当たらない場所に置きませんと、せっかくのつぼみが咲かずに黄変して落ちることがあります。
開花中の管理の注意点
- 暖房の風をさけてガラス越しの日光が3~4時間当たる部屋に置きます
- 暖房をきった夜間の適正温度は13~15℃がよいでしょう
- 床暖房の上に鉢を置かないようにしましょう(乾燥のためにつぼみが落ちます)
- 留守をするときは数日前から水やりをしません
- 留守の時の置き場所は部屋の中心のテーブルに段ボールなどをしいて寒さ対策をします
花後の切り戻し
花後の切り戻しは株を弱らせないために、花がすべて満開になる前に切り花として楽しむために切り戻しをします。シンビジウムは切り花でも1か月くらいは咲き続けます。
まとめ
初心者でも温度管理がしやすいシンビジウムは、冬の鉢花として栽培しやすいと思います。多年草として株の寿命も大変長いので、ぜひお気に入りのシンビジウムを手に入れてみたらいかがでしょうか。月別の栽培ポイントを中心にお伝えしました!
出典:写真AC