オオタニワタリの増やし方
オオタニワタリはどのように増やすかご存じでしょうか?オオタニワタリはシダ植物のため、種ではなく胞子で増えます。増やし方やその後の育て方、管理の方法をご説明します。
準備するもの
・水苔
・清潔な柔らかいブラシ(未使用のハブラシなど)
・赤玉土(培養土ではなく清潔な土)
・鉢(植える量によって変えます。手持ちの鉢、プランターなどでOKです)
最初は水苔で育てる
オオタニワタリの胞子が発芽するまでは、清潔な環境で、乾燥を防ぐことが大切です。そのため、根がしっかり定着し発芽するまでは、水苔の上で育てます。
胞子の採取方法
①胞子が付いているか確かめる
葉の裏を触ってみて、ザラザラする粉っぽいものがあるか確かめます。粉っぽいものがあれば、まき時の胞子が付着しています。
②胞子をブラシで採取する
オオタニワタリの胞子を採取するときは、ブラシでやさしく葉の裏をこするようにすると上手にできます。葉に袋をかぶせて、その中で採取して胞子を集めます。
胞子のまき方
①まき床を用意する
用意した鉢に、赤玉土を入れます。その上に水苔を広げ、胞子が定着しやすいまき床を作ります。あまりに乾燥してうまく広がらない場合は、水苔を湿らせると広げやすいです。
②胞子をまく
用意したまき床に採取した胞子をまきます。なるべく全体的にまけるように注意します。
③水やりをする
胞子が流れないよう、じょうろではなく霧吹きや噴霧器などで水やりを行います。しっかり水苔が湿るまで水やりを行うのがポイントです。
鉢の管理方法
種をまいた後の育て方が重要になります。ポイントをご紹介します。
直射日光を避けて管理
胞子をまいた鉢は、直射日光を避けて、明るく風通しがよい場所で管理します。
胞子が流れないように霧吹きで水やりを行う
発芽するまで、乾燥に注意しながら霧吹きや噴霧器で水やりを行います。
頻繁に水やりができないときは
発芽までは乾燥に注意が必要です。頻繁に水やりができない場合は、鉢にビニールを被せることで乾燥を防ぎましょう。
植え替え方法
発芽し、しっかり根が張ったら植え替えます。大きくなるまでそのままにしておくと込み合ってきてしまうので、分けやすい大きさの段階で植え替えます。
まずは小さい鉢やポットに植え替える
植え替える際には、オオタニワタリの育て方の植え替えの方法を参照してください。まずは苗の大きさに合った育苗用ポットに赤玉土と腐葉土を6:4くらいで混ぜ合わせた用土に植え替えます。その後ある程度生長してから、段階的に大きい鉢植えに変えていきます。
肥料はある程度大きくなってから
オオタニワタリが発芽して間もない頃は肥料を与えず、水だけで管理します。育苗用ポットから、4~5号鉢に植え替えてから肥料を与えるといいです。
病害虫
オオタニワタリは、アブラムシやハダニなどの害虫や、うどん粉病などの病気が発生することがあります。発生した場合の対処方法をご紹介します。
病気と害虫の両方に効く殺虫殺菌剤がおすすめ
まずは風通しのいい環境に置くのが予防に大事です。しかし、発生後は早めの段階でベニカスプレーなどの殺虫殺菌剤を使用することで、被害の拡大を防ぐことができます。初期の段階では、オーガニック栽培にも向いているベニカマイルドスプレーなどもおすすめです。
オオタニワタリの越冬方法
オオタニワタリの冬場の育て方をご紹介します。
オオタニワタリは寒さが苦手
オオタニワタリは耐寒性が低く15℃を下回ると生育が緩やかになり、休眠状態になります。そのため、冬場は鉢植えのまま室内で管理します。春から秋にかけてお庭で楽しんでいた方は、気温が15℃を下回るようになったら室内へ移動します。
日当たりのよい場所で管理する
冬場は日差しが少ないため、日当たりのよい場所で保管しても葉を傷めることは少ないです。耐寒性が低いため、基本的に温度が低くなりすぎない日当たりがよい場所で管理します。日差しが強い場合はカーテン越しに日が当たる場所へ移動します。暖房の風が直接当たらないように注意します。
冬場の水やりは控えめに
耐寒性が低いため、冬場は休眠状態で過ごすため、水やりは控えめにします。土の表面が乾いてから2~3日後に水やりを行います。
春になったら外へ出してOK
春になり15℃を下回らなくなってきたら、日当たりがよい外へ移動しても大丈夫です。春から生育を再開するので、今まで控えめにしていた水やりをしっかり行い、肥料を与えます。
オオタニワタリの楽しみ方
オオタニワタリは一般的に観葉植物として出回っていることが多いですが、実は食用になることをご存じでしょうか?実際にどのように食用にされているか、調理方法などをご紹介します。
オオタニワタリは食用になる?
沖縄では山菜のような存在
沖縄では、日当たりのよい森林の樹上で着生しており、山菜のような存在で観賞用のみならず、食用としても親しまれています。特に八重山のあたりで食べられています。しかし、一般的な山菜は地面に近く収穫しやすいですが、山深い樹上となると収穫も困難です。そのため、沖縄では自宅の庭に地植えにしたり鉢植えで栽培し、その都度お庭で収穫して調理に活用する方が多いようです。
くるりと巻いた柔らかい新芽を食べる
オオタニワタリは大きく光沢のある葉が特徴的ですが、食用にされているのは主に中央の新芽の部分です。
オオタニワタリの調理方法
オオタニワタリは野菜と山菜の間のようなぬめりとコリコリ・サクサクといた独特の食感が特徴的です。天ぷらや炒め物、煮物など幅広く調理できます。
台湾でも好んで食べられる
オオタニワタリは日本だけではなく、実は台湾でもよく食用にされています。台湾では山地の先住民によく食べられてきており、都心の屋台や海鮮料理屋などで、炒め物などで活用されています。
まとめ
オオタニワタリは、耐寒性は低いですが葉の光沢が美しい人気の観葉植物です。葉の美しさにとどまらず、自分で増やせたり食用にできたりと魅力がいっぱいの植物です。街中でオオタニワタリの鉢植えを見かけた際には、ぜひご自宅でも育ててみてはいかがでしょうか?
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出典:写真AC