園芸部類 | 庭木、花木 |
形態 | 落葉低木 |
樹高・草丈 | 20cm~60cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 鉢植え、庭木、生垣 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ヒメウツギは日本原産の落葉低木です。おもに関東以西、四国、九州と暖地に自生しています。名前は同属の植物であるウツギを小さくしたような樹姿が由来です。花が美しく、あまり大きくならず扱いやすい樹形であることから、日本では古くから庭木として親しまれてきました。日本最古の和歌集「万葉集」にも登場しています。
ヒメウツギ ユキ チェリーブロッサム
参考価格: 1,210円
ユキチェリーブロッサムはヒメウツギの園芸品種です。チェリーブロッサム(桜の花)という名前が示すように、桜を連想させる優しいピンク色の花を春~初夏にかけて、株いっぱいに咲かせます。花後~夏のみずみずしい葉姿、秋に見せる紅葉も美しいですよ。季節ごとに異なる美を楽しめます。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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ヒメウツギ ‘ライム シャンデリア’
参考価格: 880円
ライムシャンデリアはヒメウツギの園芸品種で、さわやかなライム色の葉が特徴です。開花時期は白い花とのコントラストがすばらしく映えます。日当たりがよい場所でよく育つ樹木ですが、半日陰でも問題ありません。花つきもよいので、シェードガーデンを彩る貴重な花木になるでしょう。明るい葉色も暗くなりがちなシェードガーデンにぴったりです。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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植え付け時期 | 11月~12月、2月~3月 |
植え替えの時期 | 植え付け時期と同じ |
肥料の時期 | 3月~4月、10月~11月 |
剪定の時期 | 5月~6月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月~5月頃 |
ヒメウツギは落葉性植物なので、落葉期にあたる11月~3月が適期です。ただし、厳冬期である1月は株にダメージを与える恐れがあるので避けます。最適期は厳冬期後の2月~3月でしょう。厳冬期に土壌改良を行い、ヒメウツギが好む環境を整えておけば、植え付け後の生育がよくなります。
ヒメウツギはあまり大きくならないため、鉢植えでも地植えでも大丈夫です。鉢植えの場合は、苗よりも一回りか二回り大きい鉢を用意しましょう。地植えの場合は植え付ける前に土壌改良を行い、2週間以上寝かせてから植え付けます。
ヒメウツギの理想的な栽培環境は、日当たりと水はけがよい場所です。しかし、耐陰性があるので半日陰でも育ちます。鉢植えの場合は1日で数時間は日光が当たる場所を確保しましょう。室内栽培は日光不足になりやすいので避けたほうが無難です。
ヒメウツギは土質を選びません。強いてあげるなら、水はけがよく有機質を適度に含んだ用土がよいでしょう。鉢植えの場合は市販の園芸用培養土でも大丈夫です。自分で作るなら赤玉土(小粒)7:腐葉土2:ピートモス1の割合で作りましょう。地植えの場合は、植え付け前に庭土を耕して腐葉土、有機質肥料、ピートモスを混ぜ込み、2週間ほど寝かせておきます。
ヒメウツギは乾燥に弱い植物です。乾燥しやすい夏場は水切れに注意して管理しましょう。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やりが基本です。乾燥しやすい夏場は半日陰に移動させ、朝夕2回、土の様子を見て水やりしましょう。地植えの場合、根付いた後は水やりする必要はありません。ただし夏場の乾燥がひどい時期は、土の様子を見ながら水を与えます。
ヒメウツギは鉢植えと地植えで肥料の与え方が異なります。地植えの場合は元肥と春と秋の追肥で十分です。元肥の与え方は植え付け前に乾燥牛糞や緩効性化成肥料を混ぜ込みます。追肥は3月~4月、10月~11月に1回、株元に発酵油粕や堆肥を与えましょう。鉢植えの場合は、月に1回のペースで緩効性肥料を置き肥します。根を傷めないように、肥料はできるだけ株元から離して置きましょう。
ヒメウツギは丈夫な植物で、病気や害虫が原因で枯れることはめったにありません。しかし、注意すべき害虫はいます。生育期に大量発生しやすいアブラムシです。アブラムシは特にヒメウツギの春の新芽を好んでつきます。その結果、生育障害を引き起こすのです。発見次第、早めに薬剤で駆除しましょう。
ヒメウツギの栽培管理で注意すべき病気は、うどんこ病とさび病です。うどんこ病は春~秋、温度と湿気が高い時期に発生します。さび病は葉が枯れたようなくすんだ色に変色したり、イボのような斑点ができたりする病気です。うどんこ病と同じく気温が高い時期に発生します。どちらも病気にかかった葉を除去し、薬剤散布で駆除しましょう。
ヒメウツギは花後に剪定を行います。もともと自然に樹形が整う植物なので、よほどのことがない限り、強剪定は必要ありません。枯れた枝、混みあった枝、元気のない弱々しい枝を切り落としましょう。
ヒメウツギは苗植えが一般的ですが、種まきも可能です。ヒメウツギの実は10月頃に熟すので実ごと収穫し、よく乾燥させてから紙に包んで密閉袋に入れ、冷蔵庫で保管します。4月~5月頃、気温が15℃~20℃で安定したときが植え付けの適期です。冷蔵庫から取り出したら実から慎重に種を取り出して、育苗ポットに植え付けます。乾燥しないように管理して、十分に発根したら植え替えましょう。
ヒメウツギの苗は、ひょろりとした細い幹と枝という状態で流通していることが多いです。か弱い印象を受けますが、成長すれば太くなるので心配ありません。幹にカビなどの病気がないかどうかを確認するだけで十分です。
ヒメウツギの鉢植えの植え替えの適期は11月~12月です。葉が落ちた後、一回り大きい鉢と新しい用土を用意して植え替えます。植え替えの周期は、2年~3年に1度で大丈夫です。地植えの場合は植え替える必要はありません。
ヒメウツギの剪定時期は花後の5月~6月です。あまり大きくならないうえに、樹形が乱れにくい植物なので、混みあった枝や枯れた枝を取り除く程度ですみます。全体の樹形が乱れたと感じた場合は、根元から20cm~30cmのところで切り取って樹形を作り直しましょう。強剪定は木に大変な負担がかかるため、3年~4年に1度にとどめます。
ヒメウツギは乾燥が苦手ですが、落葉樹なので冬場はそれほど水分を必要としません。地植えの場合、雨が当たる場所なら水やり不要です。鉢植えの場合は、用土が完全に乾く一歩前のタイミングで水やりします。
ヒメウツギの増やし方は、株分けや挿し木が一般的です。株分けは落葉期にあたる11月~12月に行います。根が出ている枝を選んで切り落とし、新しい場所へ植え付ければ作業完了です。挿し木の適期は3月下旬~6月の梅雨入り前です。10cm~15cmほどの長さに切った枝に発根剤を塗って、挿し木用の土に挿します。土が乾かないように管理し、発根したら植え替えましょう。
ヒメウツギ 樹高0.3m前後 12cmポット
参考価格: 530円
ヒメウツギはあまり大きくならないため、庭木、鉢植え、グランドカバーと、さまざまな用途に使えます。花色や葉色が美しい園芸品種もあるので、好みや目的にあわせて選びましょう。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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出典:写真AC