ヒメウツギの育て方!越冬方法や病害虫対策など上手な管理のコツは?

ヒメウツギの育て方!越冬方法や病害虫対策など上手な管理のコツは?

ヒメウツギは春から初夏にかけて白い小花がたくさん開花します。とても育てやすく、樹高は低いのですが横によく広がるので、グランドカバーとしても利用できる植物です。ここではヒメウツギの育て方や、越冬方法や病虫害対策などの管理の方法を詳しくご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ヒメウツギとはどんな花?
  2. 2.ヒメウツギの特徴
  3. 3.ヒメウツギの育て方
  4. 4.ヒメウツギの管理方法
  5. 5.ヒメウツギの増やし方
  6. 6.ヒメウツギの仲間
  7. 7.まとめ

ヒメウツギとはどんな花?

ヒメウツギの基本情報

出典:筆者撮影

学名 Deutzia gracilis
属名 アジサイ科ウツギ属
分類 落葉低木
開花時期 4月~6月
樹高 20~60cm
原産地 日本

ヒメウツギは日本原産の落葉低木です。主に関東から西の地域に生息しています。日向から半日陰までどこでも育てることができて、旺盛に生育するのでとても育てやすい植物です。冬には落葉しますが、春になると新芽を出して株全体が葉で覆われます。開花時期は4月~6月、内向き加減の白い花が穂状になってたくさん咲きます。樹高は60cm程度であまり高くなりませんが、横に大きく広がり、成長すると1m~1.5mほどの大きさにまで育ちます。

ヒメウツギは漢字で書くと「姫空木」

出典:筆者撮影

花が「姫」のように可愛くて、枝に空洞があるから「空木」

ヒメウツギは漢字では「姫空木」と表記します。「空木(ウツギ)」というのは、枝に特徴があり、枝の中に空洞ができています。枝を切ってみるとよく分かるのですが、中が詰まっていなくて、ストローのように真ん中が空いています。そして花が小花なので「姫」のように小さなかわいい花、ということでこの名前が付きました。

木釘として使われたことにも由来

また、ウツギの枝は丈夫で、気温とともに伸縮するという特性があるため、桐のたんすに木釘としてよく使われています。「打つ木」ということに由来して、「ウツギ」という名前が付いたという説もあります。

ヒメウツギの花言葉

出典:筆者撮影

「秘密」「秘めた恋」「夏の訪れ」「古風」「潔白」

ヒメウツギの花は5月、初夏に咲くので「夏の訪れ」という花言葉が付いています。また白い花がうつむきがちに咲く様子から「秘密」「秘めた恋」「古風」「潔白」という花言葉になりました。

ヒメウツギで稲の収穫を占う

また、花言葉とは少し意味合いが違いますが、昔はヒメウツギでその年の稲の収穫を占ったそうです。ヒメウツギがたくさん咲いている年は雨が少ないので豊作、花が少ない年は雨が多いので凶作というふうに占いました。それだけ昔から日本人にとっては身近な花ということなのですね。

ヒメウツギの特徴

特徴①生命力が強い

出典:筆者撮影

ヒメウツギはとても強い性質で、生命力がとても旺盛であるという特徴があります。寒さにも強く、落葉しますが冬枯れすることはありませんし、高温の夏でも元気です。また、少々強めに剪定しても、すぐに新しい茎を長く伸ばして広がります。このため、昔から土地の境界線に目印として植えられることが多いのです。また、この生命力の強さから、風水的にも活力を生む効力を持つというふうに言われていて、日本では門や玄関先などに植えられていることが多いのです。

特徴②横に広がってグランドカバーする

出典:筆者撮影

ヒメウツギの茎は1年でとても長く伸びるという特徴を持っています。上に伸びて樹高が高くなるのではなくて、低く垂れさがるように伸びて、樹高は低く、横に長く広がるのが大きな特徴です。このため、植える場所は広さに余裕がある場所の方が向いています。樹高が低く、地面に這うように生育する特徴を生かして、グランドカバーとしても利用できます。

特徴③房咲きする白い小花

出典:筆者撮影

ヒメウツギの花は春から初夏にかけて開花し、1~1.5cmほどの大きさで5枚の花弁があります。純白の可愛い小花がそれぞれの枝で房状に開花して、最盛期には株全体を覆うように豪華に開花します。それぞれの花はやや下向きに開花するという特徴があり、華やかさの中に奥ゆかしさも感じさせる愛らしい花姿です。

特徴④先がとがった楕円形の細かい葉

出典:筆者撮影

ヒメウツギの葉は6cmほどの先がとがった楕円で濃い緑色をしています。細かなギザギザが入っている細長い葉が、風に揺れるととても涼し気な雰囲気をかもしだします。秋には落葉するので枯れてしまったかのようにも見えますが、また春には美しい緑の葉がこんもりと株一面を覆うように茂ります。

ヒメウツギの育て方

出典:筆者撮影

ヒメウツギは丈夫なので、とても育てやすい植物です。あまり手をかけなくてもどんどん大きく育ちますし、急に枯れるということもほとんどありません。庭木として、初心者でも育てやすいのがうれしいですね。そんなヒメウツギの育て方を詳しくご紹介しましょう。

ヒメウツギの栽培年間カレンダー

一年間のヒメウツギ栽培カレンダーです。植え付け、肥料、剪定にはそれぞれ適した時期があります。カレンダー通りにしないといけない、ということもありませんが、ある程度の目安として参考にしてみてくださいね。

植え場所

日当たりから半日陰まで

ヒメウツギは明るく日当たりが良い、水はけがよいところに植えましょう。特に日が当たらないと育たないわけでもなく、半日陰になるような少し暗めの場所でも元気に育つという特徴があります。ほかの植物ではうまく適応しないような、日当たりの悪い場所に植えることができる花として重宝しますね。

十分なスペースがある場所

ヒメウツギは樹高が低く、横に広がる性質があるので、スペースがある場所に植えましょう。最初は小さな株でも、年を重ねるごとに大きくなり、しかも横に横にと枝か伸びるので、ほかの植物の生育が妨げられてしまいます。ゆとりを持って植えることをおすすめします。

用土

出典:写真AC

ヒメウツギはもともと山や野原などで生育する植物で、普通の植物が育たないような、石灰質の用土でも育つことができます。特に用土は選びませんが、一般的な植物と同じように、赤玉土7割、腐葉土3割の比率で混ぜた用土を使うといいでしょう。保水性、排水性がある用土をおすすめします。

水やり

ヒメウツギはどちらかというと少し湿り気がある土を好みます。庭植えの場合は降水に任せる程度でも大丈夫ですが、特に春から夏にかけて花が咲いたり気温が上がってきたりする季節には、土がからからに乾ていていたらたっぷりと水やりしてください。秋から冬にかけての落葉期には水やりを控えましょう。

肥料

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ヒメウツギは山や野原でも生息する強い植物なので、特に肥料を与えないといけないというものではありません。用土内にある養分でも十分に育ちます。ただ、綺麗な花をたくさん咲かせたいような場合は肥料を与えるといいでしょう。春や秋に、また寒肥として冬場に緩効性化成肥料を与えてやると、花数が多くなって生育も良くなります。庭植えの場合は少し土を掘り起こして肥料をすき込みます。鉢植えの場合は置き肥でも大丈夫です。

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ヒメウツギの管理方法

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