チコリーは小さな白菜のような見た目をしていますが、ゴボウやタンポポの仲間の植物です。栽培には日光を当てる方法と、日光を遮断する方法があり、育て方の違いによって味や見た目の違いが楽しめます。
園芸部類 | 野菜 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 60~150cm |
花の色 | 青 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | やや弱い |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
チコリーは成長途中の段階で収穫していき、葉の部分を食用としますが、植えたままにしておくと初夏に青い花を咲かせます。この青い花はエディブルフラワーと呼ばれる食べられる花です。サラダなどの彩に活躍します。根はタンポポのように太く、これを煎じることでノンカフェインコーヒーとして味わえます。あえて開花させて観賞できるのもチコリーの魅力です。
ラディッキオ
参考価格: 1,399円
ラディッキオはイタリアンチコリーとも呼ばれる品種で、赤い葉が印象的です。葉はやや硬くて若干の苦みがありますが、グリルなどで加熱させることで、柔らかくて食べやすくなります。
カステルフランコ
参考価格: 253円
カステルフランコは、まだら模様の葉が特徴的で、バラのような見た目から「ウインターローズ」とも呼ばれています。苦みの中にもほのかな甘みがあり、肉料理との相性がよい品種です。
種まきの時期 | 9月 |
植え付け時期 | 10月 |
花が咲く時期 | 5~9月 |
収穫時期 | 3~10月頃 |
チコリーは種から育てます。種まきに適した時期は9月頃です。苗はポットで十分育ってから、10月頃に植え付けましょう。収穫は種をまいた翌年の3月頃から可能です。夏の間は、青色のかわいらしい花が楽しめます。
チコリーはプランターや地植え、ビニールハウスでの栽培が可能です。プランターは深さが60cm程度の野菜用のものがよいでしょう。地植えで栽培する場合は、種をまく2週間前に土作りを行ってください。
チコリを日に当てずに育てると、柔らかくすっきりとした味わいになります。これは「軟白栽培」と呼ばれる方法です。軟白栽培は9月頃に根を掘り上げて、根元から3cmほどのところをカットして新しい用土に植え付けます。
チコリーは、屋外の風通しがよい場所で栽培管理してください。日当たりも重要ですが、夏の暑さが苦手です。夏時期は株が蒸れて枯れる可能性があるので、日陰を作ったり場所を移動させたりして工夫するとよいでしょう。
軟白栽培の場合は、風通しをよくして、光が当たらないように管理します。ダンボールなどで覆って、光を遮るのも効果的です。温度が高いと蒸れて枯れる可能性があるので、栽培中は温度が18℃以上にならないように気をつけましょう。
チコリーは連作障害を起こす可能性があるため、同じ場所で栽培を繰り返すのは避けましょう。最低でも1年あけるのが望ましいです。
チコリーを露地栽培する場合は、10~15cmくらいの高さの畝を作ります。チコリーは根を深く張る性質があるため、30cmほどの深さまでしっかりと土を耕してください。また、チコリーの栽培にはアルカリ性の土質が適しています。1㎡あたり200gを目安に苦土石灰をすき込んでおくとよいでしょう。
用土は、赤玉土に腐葉土やたい肥を混ぜた、水はけのよい土が好ましいです。割合は7:3を目安に配合してください。水はけを改善するために、パーライトを混ぜ合わせるのも効果的です。土作りは、種まきの1週間前に済ませておきましょう。プランター栽培には、野菜の培養土がおすすめです。
チコリーは、苗の葉が3~4枚ついてきたら、10月頃に植え付けます。20~30cmの株間をとり、苗よりもひと回り大きめの穴を掘って、根鉢が崩れないように植え付けるのがポイントです。プランター栽培は、1つのプランターに2株を目安に植え付けると適度な間隔が保てますよ。
チコリーは土作りの段階で、元肥として緩効性肥料を施しておきます。元肥は、根の成長をサポートするためにも欠かせません。忘れずに施しましょう。その後は、成長に不安があるときに月1~2回を目安に施してください。軟白栽培の場合は、肥料は必要ありません。
種まきは、9月に行います。すじまきしたら、かすかに光が当たるようにごく薄く土をかぶせてください。ポットで育苗する場合は、1つのポットに数粒、ばらまきがよいでしょう。無事に発芽したら、定期的に間引きをしてください。
種の発芽は、10~15℃が適温です。チコリーの種まきは9月頃で、だんだん気温が下がってくる時期でもあります。温度が下がらないように、気をつけてください。また、乾燥しないように定期的に水やりをして発芽まで管理しましょう。
チコリーは、土の表面が乾燥してきたら水やりをします。しかし高温多湿に弱く、水をやりすぎると根腐れを起こす可能性があるので、とくに夏の間は注意してください。露地栽培なら、降雨のみでよいでしょう。
チコリーを早々に収穫してしまう場合、支柱は必要ありませんが、チコリーは150cm程度と意外に大きく成長します。晩秋まで育てるつもりであれば、倒れないように支柱を立てるとよいでしょう。
マルチングは必要ありませんが、寒冷紗などでトンネルを作って直射日光や風からチコリーを守ってください。
チコリーは生育不良の場合に限り、追肥を行ってください。とくに成長に問題ない場合は、追肥は必要ありません。
チコリーを日光に当てずに育てると、全体的に白っぽくなります。しっかり葉に色を付けたい場合は、明るい場所で栽培しましょう。
花が咲く現象は「とう立ち」とも呼ばれるものです。開花の時期は5月頃に迎えるので、花をつけたくない場合は、早めに収穫しましょう。咲いた花も食用として楽しめますよ。種取りに挑戦する場合は、花は咲いたままにしておきます。
チコリーはもともと苦みを含む野菜です。日光をあてた栽培方法では、若干の苦みを感じられることがあります。栽培に失敗したわけではないので、安心してください。苦みを抑えるには調理法をアレンジするか、軟白栽培に挑戦してみましょう。
うどんこ病はカビが原因の病気です。病気になっている部分を取り除き、薬剤をまいて拡大するのを防ぎましょう。病気が広がる恐れがあるため、取り除いた部分は必ず処分してください。風通しや水はけなど栽培環境を見直すことも大切です。
その他の病気 | |
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軟腐病 | 細菌が原因の病気。地上部がしおれて、悪臭を放ち腐る。傷んだ野菜はすぐに取り除いて、薬剤を散布。定期的に雑草を取り除くなどの管理が大切。 |
根腐れ病 | 水のやり過ぎ、土の水はけが悪いなどが原因。傷んだ部分を取り除いて、バランスの整った土に植え替える。 |
アブラムシは、年間を通して発生しやすい害虫です。とくに、春先など快適な気温の時に多く発生する傾向が見られます。アブラムシは葉や茎から養分を吸い取り、モザイク病などを媒介する害虫です。手で取り除くか、木酢液を薄めた薬剤などを散布しましょう。
チコリーの種は、9月にまきます。まき方はすじまきとし、ごく薄く土をかぶせてください。発芽に必要な温度は、10~15℃です。チコリーは夏の暑さに弱く発芽しない可能性があるので、夏の種まきは避けましょう。
チコリーの苗は、葉が2~3枚になった頃に1回目の間引きをします。このときは葉が傷んでいるものを間引きしてください。2回目の間引きは葉が4~5枚になった頃で、株間が30cmくらいになるように間引きしましょう。苗が十分に育ち、草丈が10cmくらいになった頃が苗を植え替えるタイミングです。
出展:写真AC