バーベナはピンク色や白色の、桜に似た小花をたくさん咲かせる植物です。耐暑性が強く、ほかの植物が枯れてしまうような真夏日でも元気いっぱいに花を咲かせ、花壇に彩りを与えてくれます。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 一年草・多年草 |
樹高・草丈 | 10cm〜150cm |
花の色 | ピンク、黄、紫、赤、白、複色 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、初心者向け、花壇の寄せ植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
バーベナは「美女桜」という別名でも呼ばれているとおり、桜に似た咲き姿が特徴です。品種によって、耐寒性が弱く冬越しできない品種もあるため、一年草扱いされる場合もあります。地面を這うように成長する「ほふく性」と、背が高く成長する「立ち木性」があり、花壇の寄せ植えやグランドカバーなど、育て方もさまざまです。
バーベナの花言葉は?
バーベナには「魔力」「魅力」という花言葉がついています。バーベナは、ローマ神話や北欧の神話にも出てくる植物です。悪魔よけや、占いにも利用されていたという伝説から「魔力」や「魅力」という花言葉がついたといわれています。
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宿根(しゅっこん)バーベナは比較的丈夫なため、冬越しが可能な多年草タイプの品種です。一度植え付けると、放任で育てても毎年開花が楽しめるのが特徴で、グランドカバーとしても利用されています。
花色 | 薄ピンク |
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草丈 | 40cm |
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三尺バーベナは「柳花笠(ヤナギハナガサ)」とも呼ばれている品種です。蜜が花弁にたくさん含まれており、蜜蜂やアゲハ蝶を呼び込む「蜜源植物」としても親しまれています。
花色 | 薄紫 |
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草丈 | 100cm |
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バーベナの植え付け時期は?
バーベナは、4月〜5月か9月〜10月に植え付けます。バーベナが枯れるのを防ぐために、梅雨時期や真夏日、真冬日を避けて植え付けるのがポイントです。
バーベナの開花時期は?
バーベナは開花時期が長く、5月〜11月にかけて次々と花を咲かせます。
植え付け時期 | 4月〜5月、9月〜10月 |
植え替え時期 | 4月〜5月、9月〜10月 |
種まきの時期 | 9月〜10月 |
剪定の時期 | 5月〜8月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月〜11月 |
バーベナは地植えでも鉢植えでも育てられます。草丈が150cmほどまで大きく成長するため、花壇の寄せ植えにする場合は、他の植物の背景になるように植え付けましょう。地面を這うように成長する品種は、グランドカバーとしても育てられます。鉢植えにする場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けてください。
バーベナは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけが間延びして花付きが悪くなります。また、葉が密につく性質があるため、風通しのよい環境で管理して、病害虫被害を予防しましょう。屋外でも室内でも育てられますが、室内の場合は窓辺など日当たりのよい場所に置くのがポイントです。
葉が黄色く変色する原因は?
バーベナの葉が黄色くなる場合は、日光不足の可能性があります。ほかの植物の影になっていたり、室内の日光が全く当たらない場所で管理したりすると、変色する恐れがあるので注意しましょう。
バーベナは、水もちと水はけのよさを兼ね備えた用土で育てます。市販されている「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。地植えにする場所が粘土質の場合は、堆肥や腐葉土をたっぷりとすき込んでから植え付けましょう。
地植えの場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。しかし、全く雨が降らずに地面が乾燥しすぎているようならば、様子をみながら水やりをします。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから水やりをしてください。多年草の品種は冬に休眠期に入り、水をあまり吸わなくなるため、水やりを控えめにして、やや乾燥気味に管理しましょう。
4月〜10月にかけて、肥料切れを起こさないように管理しましょう。植え付けの用土に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおき、1ヶ月に1回〜2回程度、液体肥料を追肥してください。肥料切れを起こすと花付きが悪くなるため、定期的に花芽の様子を見ながら肥料の量を調節しましょう。1ヶ月に1回、緩効性の置き肥を株元に与えても構いません。
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、バーベナの成長に必要な栄養分を吸汁してしまいます。数が少ないうちは、ガムテープに貼り付けて駆除しますが、数が多い場合は殺虫剤を散布して駆除しましょう。光り物が苦手なため、園芸用のシルバーテープを張り巡らせておくと予防できます。
ハダニは、やや乾燥している時期に発生しやすい害虫です。葉の裏側の見つけにくい場所に発生するのが特徴で、発見が遅れると大量発生している恐れがあります。水が苦手な性質を利用して、定期的に葉水を行い、ハダニの発生を予防しましょう。
うどんこ病は、カビが原因で発生する病気で、春と秋に発生しやすいのが特徴です。感染した部分がうどん粉のように白く粉をふいたようになり、放置すると腐敗が始まり悪臭を放ちます。うどんこ病に感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分してください。
ポット苗の状態でバーベナを購入する場合は、株元までしっかりと葉がついており、病害虫被害を受けていない苗を選びましょう。グランドカバーにする場合は「ほふく性」の品種を、花壇の寄せ植えにする場合は「立ち木性」の品種を選ぶのがおすすめです。
植え替えは、植え付けと同じ4月〜5月か9月〜10月に行います。根を傷つけないようていねいに掘り起こし、根についている古い用土を落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えていきましょう。
植え替えは必要?
一年草の場合は、植え替えの必要はありません。多年草の品種を鉢植えにしている場合は、根詰まりを防ぐために2年〜3年に1回は植え替えが必要です。
5月〜8月の成長期にかけて、花後に剪定を行いながら育てます。伸びすぎている茎や、葉が込み入っている部分を切り戻し剪定して、草姿を整えていきましょう。花茎から切り取ると花芽がつきやすくなり、開花をうながす効果が期待できます。
バーベナは、直射日光が当たり多少の葉焼けを起こしても、枯れる心配が少ない丈夫な植物です。耐暑性が強く、夏越しに必要な準備はとくにありません。
一年草の場合は冬が来る前に枯れてしまうので、冬越しの必要はありません。宿根バーベナなど多年草の品種は、霜や雪が当たると株が傷んでしまうため、ビニールやバークチップを利用してマルチングをしてから冬越しさせましょう。
挿し木は、4月〜5月か9月が適期のため、剪定で切り落とした茎を使用して増やすのがおすすめです。若くて健康に育っている茎を選び、先端から15cm〜20cmほどの長さで切り取ります。下についている余分な葉を取り除いてから、赤玉土などの挿し木用の用土に挿してください。発根するまでは、水切れに注意しながら育てます。
バーベナは花後に種子をつけるため、放任で育てるとこぼれ種でどんどんと増えていくが特徴です。自分の思い描く場所に増やしたい場合は、花後の剪定を行わずにそのまま育てます。種子が黒くなり、完全に立ち枯れたら花茎から切り落とし、軽く振って種を採取してください。種まきに適した9月〜10月までは、種を新聞紙などに包み、風通しのよい日陰で管理します。