シッサスは熱帯アメリカを中心に、約200種類以上が分布している植物です。つる性のため、ワイヤーを利用して好きな形に誘引したり、ハンギングバスケットで育てたりと、さまざまな仕立て方ができます。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 多年草、低木 |
性質 | つる性 |
樹高・草丈 | 10cm~100cm |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、初心者向け、インテリアグリーン |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ブドウ科シッサス属に分類されている植物の総称が「シッサス」です。常緑性の低木で、耐陰性があり、室内で観葉植物やインテリアグリーンとしても利用されています。育て方や増やし方が簡単で、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。
シッサスの花言葉は?
シッサスには「信頼」「永遠の愛」という花言葉がついています。シッサスは花を咲かせませんが、素敵な花言葉がつけられており、贈り物にも最適な植物です。
シッサス・エレンダニカ
参考価格: 3,500円
シッサス・エレンダニカは、葉の先に小さな切れ込みが入るのが特徴です。シッサスの代表品種ともいわれており、ぶどうのような形の葉がかわいらしく人気があります。
草丈 | 50cm~70cm |
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植え方 | 吊り鉢 |
カンガルーアイビー
参考価格: 2,980円
カンガルーアイビーは「カンガルーバイン」とも呼ばれています。卓上サイズのため、リビングやキッチン、玄関などでも気軽に育てられる品種です。
草丈 | 20cm〜30cm |
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植え方 | 鉢植え |
植え付け時期 | 5月〜7月、9月 |
植え替え時期 | 5月〜7月 |
肥料の時期 | 5月〜10月 |
挿し木の時期 | 6月〜8月 |
剪定の時期 | 5月〜6月 |
シッサスは、熱帯地方が原産のため寒さに弱く、地植えにすると冬越し前に枯れてしまいます。基本的には鉢植えで育て、季節ごとに置き場所を移動できるようにしましょう。大きめの鉢を使用してほかの植物と寄せ植えにしたり、ハンギング仕立てにしたり、自分好みの育て方ができます。
シッサスの上手な仕立て方は?
シッサスは、ワイヤーや支柱に誘引すると、アーチ型やハート型などさまざまな形に仕立てられます。また、あんどん仕立てや、壁面に垂れ下がるように仕立てるのもおすすめです。
シッサスは水耕栽培が可能です。葉を数枚つけた状態で茎をカットし、水につけておくと発根します。また、水挿しだけでなく「ハイドロボール」を使用して、ハイドロカルチャーとしても育てられるのが特徴です。インテリアに合わせて、ハイドロボールや瓶の色を選んでみましょう。
シッサスは、適度な日当たりと風通しのよい場所で管理します。耐陰性があるため、半日陰や室内でも育てられますが、日光が全く当たらないと、葉が黄色く変色してポロポロと落葉してしまいます。葉が密に茂るので、風通しのよい場所で育て、病害虫被害を予防しましょう。
シッサスは、排水性の高い用土が適しています。市販されている「草花用培養土」や「観葉植物用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土をよく混ぜ合わせた用土を使用してください。水はけをよくするために、鉢底ネットや鉢底石を使用するのもおすすめです。
ハンギング仕立てにする場合は?
ハンギングバスケットに仕立てる場合は、吊り下げても落ちないように、なるべく軽い用土を使用しましょう。赤玉土を基本として、ピートモスやパーライト、バーミキュライトなどを混ぜ込んでください。
シッサスは、季節ごとに水の量を調節しながら育てるのがポイントです。春〜秋にかけては成長期にあたるため、土の表面が乾燥したら、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水を与えます。冬は成長が緩やかになり、あまり水を吸わなくなるのが特徴です。そのため、水やりの回数を控えてやや乾燥気味に管理しましょう。
室内で育てる場合の水やりのコツは?
シッサスを室内で育てる場合は、エアコンの風による乾燥に注意してください。葉が乾燥すると、シッサスの美しさが損なわれます。霧吹きなどを利用してこまめに葉水を行い、葉をみずみずしく保ちましょう。
シッサスは比較的丈夫な植物のため、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、成長が滞っていたり、株を大きくしたりする場合には、5月〜10月に緩効性の置き肥を与えてください。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こし枯れる原因となります。室内で育てる場合は「化成肥料」を使用すると、コバエの発生を予防できるのでおすすめです。
ハダニは、乾燥した時期に発生しやすい害虫です。葉の裏側などの見つけにくい場所に寄生するため、発見が遅れると大量発生している恐れがあります。水が苦手な性質を利用して、定期的に葉水を行い、ハダニの発生を予防しましょう。
カイガラムシは、名前のとおり貝殻のように硬い甲羅に守られており、殺虫剤が効きにくいのが特徴です。集団で寄生し、シッサスの成長に必要な栄養分を吸汁します。発見したら、歯ブラシなどを使用して、株から払い落として駆除してください。風通しが悪いと発生しやすいため、置き場所をかえたり、適度に剪定したりして対処しましょう。
うどんこ病は、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分が、うどん粉をまぶしたように白い粉をふくため「うどんこ病」と呼ばれています。うどんこ病を放置すると腐敗が始まり、悪臭を放つようになるのが特徴です。ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
シッサスをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、茎が太くてしっかりとしている苗を購入します。害虫がつきやすいので、葉の裏側までチェックして、病害虫被害を受けていない苗を選んでください。
シッサスの植え替えは5月〜7月が適期です。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、根についた古い用土を払い落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。完全に根付くまでは水切れを起こさないように注意して、風通しのよい日陰で管理します。
植え替えは必要?
シッサスは根詰まりを起こすと、成長が滞ったり下葉から枯れ込んだりします。プランターや植木鉢、ハンギングバスケットなど、鉢植えで育てている場合は、1年〜2年に1回は植え替えが必要です。
シッサスの剪定は5月〜6月に行います。茎が伸びすぎている部分や、葉が込み入っている部分を剪定し、草姿を整えていきましょう。梅雨に入る前に、思い切って株の半分程度まで切り戻し剪定をしておくと、湿度による病害虫被害を防ぐ効果があります。
シッサスは耐暑性が強く、屋外での夏越しが可能です。しかし、夏場の直射日光に長く当てると、葉焼けを起こします。シッサスを半日陰で育てている場合はそのままで構いませんが、日当たりがよすぎるようならば、寒冷紗や遮光ネットを使用して、30%~50%ほど遮光してから夏越しさせましょう。
シッサスは耐寒性がやや弱く、5℃以下になると下葉から枯れ込んでくるのが特徴です。日本の環境では、屋外で冬越しさせるのは難しいといわれています。そのため、10℃を下回るようになったら、寒さをしのげる室内に取り込んでください。
シッサスは、6月〜8月にかけて挿し木で増やしましょう。若くて健康に育っている部分を選び、15cm〜20cmほどの長さで切り取ります。赤玉土などの挿し木用の用土に挿して、発根するまでは日陰で管理してください。シッサスの挿し木は成功率が高く、初心者にもおすすめの増やし方です。
出典:写真AC