デンファレの育て方
デンファレは着生植物なので、土に植える以外にも水苔や岩、切り株などに着生させる栽培方法もあります。栽培環境やスペースにあわせて、育てやすい方法を取ってくださいね。水やりや肥料の与え方など、くわしい育て方を解説していきます。
育て方①栽培環境
年間を通して暖かい気候を好みますので、特に寒い時期の置き場には注意が必要です。寒さを感じると葉が黄色く変色し、パラパラと落ちてしまいます。温度に問題があるか否かのバロメーターとしては、この「葉の変色」を見るとよいでしょう。季節に関係なく、1年中よく日光の当たる場所で管理します。春のうちから光に慣らしておけば、真夏に直射日光を浴びても日焼けすることはほとんどありません。
育て方②水やり
時期によって水のやり方に変化をつけます。5月ごろ~9月いっぱいくらいまでは生育期となりますので、梅雨の時期・長雨の時期以外はたっぷりと水を与えるようにしましょう。10月以降は段階を踏んで、水やりの回数を減らします。冬場は乾かし気味の管理で問題ありませんが、からからに乾いてしまうと枯れてしまいますので状態をよく観察してください。根の吸水力はあまり強くありませんので、根腐れしないように気をつけます。
育て方③肥料
水やり同様、時期によって変化をつけます。まず4月に、緩効性の化成肥料を与えます。油粕と骨粉を混ぜた有機肥料でも構いません。5月~9月は水やりの代わりに液体肥料を施しましょう。頻度は1週間に1度程度です。そして10月以降は、暖かい時期になるまで肥料を与えるのは休みます。
育て方④用土
水苔植えか、バーク(樹木の皮)と軽石を混ぜたミックス・コンポストで植えます。背が高くなるとひっくり返りやすいので、倒れないように対策をしてくださいね。水苔植えの場合は、素焼きの鉢に植えておくと安心ですよ。
育て方⑤植え替え
水苔の場合、経年劣化による腐敗がありますので、2年に1回は植え替えをするのがおすすめです。タイミングとしては、新芽が育ちはじめる4月なかば~5月が適しています。この時期を逃した場合は、花が終わってすぐの9月はじめに行ってもよいでしょう。鉢から抜いて、古くなった水苔と、枯れたり腐ったりしている根を綺麗にはぎ取ります。茶色く変色しているバルブも根元から切り取ってください。
育て方⑥増やし方
株分けがオーソドックスな方法です。ただし大きく育つまでに時間のかかる種類の洋蘭なので、2年目以降の充実した株で行いましょう。バルブ3本ごとくらいで根鉢にはさみを入れて、引っ張るように割ると簡単にできますよ。また、ごくまれにバルブ上部に̝高芽を出すことがあるので、高芽取りでも増やせます。丁寧に取りはずして水苔に包み、子株として育てるようにしましょう。
育て方⑦剪定
デンファレは不定期咲きです。枯れた花を放置すると病害虫を誘ってしまいますので、見映えだけでなく衛生面から考えても早めに取り除くとよいでしょう。開花後は下の方から順に枯れてゆくので、花びらがしおれてきたなと思ったものから切り落としていきます。そこからまた花芽を伸ばすこともありますよ。
育て方⑧病害虫
病気:黒班病・炭そ病
デンファレがかかりやすい病気は、黒班病や炭そ病です。どちらもカビが原因の病気で、葉や花びらが黒っぽく変色するのが特徴です。悪化すると治療が難しくなりますので、初期段階で対処するようにしましょう。風通しのよい場所で管理すると予防できます。
害虫:スリップス・カイガラムシ
スリップス(アザミウマ)やカイガラムシという害虫が大量発生しやすいです。早めに殺虫剤を散布し、被害が大きくならないように対策を取りましょう。カイガラムシはバルブの薄皮の中にもぐりこむ性質を持ちます。変色していたり元気がなかったりといった兆候が現れますので、よく観察してあげてください。
まとめ
胡蝶蘭によく似たかわいらしい姿で人気のデンファレについて、着生植物というめずらしい特徴や花言葉、育て方についてご紹介しました。洋蘭は一般的に栽培が難しいとされていますが、その中でもデンファレは育てやすい種類です。水やりと肥料、温度管理に注意して丁寧に管理してあげれば花を咲かせること自体は難しくありませんので、洋蘭栽培の入門としてもおすすめです。色や形の違うたくさんの種類の中から、お気に入りの品種を探すのも楽しいですね。
- 1
- 2
出典:写真AC