クラリセージとは？ハーブの特徴や香りから用途・利用法までご紹介！

クラリセージは、ヨーロッパ産のハーブで草丈が1mほどもある大型の植物です。サルビアの花のように長い穂になって下から順に花びらを咲かせていきます。大きな植物で花の長さだけでも30～50cmもあり、花びらの色は淡いブルーや薄いピンクです。観賞用および薬用の用途のために栽培されています。

クラリセージは南ヨーロッパ原産の植物ですが、日当たりがよく乾燥した土地で生育できるため暖かい地方を中心に世界中に分布しています。低温に強く-18℃の環境下でも生育できますが、高温多湿の条件には弱く涼しく風通しのよい場所を好みます。

セージには広義のサルビア属全体を指す場合と、狭義のスパイスなどに使われるコモン・セージを指す場合があります。コモン・セージは60～90cmほどの大きさですが、クラリセージは150cmと葉も花も大型です。コモン・セージは長寿のハーブとして、古来より強壮薬やうがい薬として利用されてきましたが、肉の臭みを消すスパイスとしてもドイツ料理やイタリア料理に欠かせない存在です。

クラリセージは特有の香りがあり、シャープでワイルドな甘さを漂わせます。この香りにはさまざまな効果があり、植物を茹でて蒸気に含まれる芳香成分を抽出してエッセンシャルオイル（精油）を精製し、アロマテラピー素材やフレグランス素材として活用しています。

クラリセージの香りは、最初にハーブ調の草の香りがしたあとにほのかに甘みと温かみを含んだ香りです。好き嫌いが分かれる匂いで、「甘くナッツ系の印象を含んだフルーティーなハーバル調の香り」や「雨上がりのアスファルトに似たにおい」と感じ方はさまざまです。クラリセージの芳香成分である酢酸リナリルはラベンダー、リナロールはクロモジに多く含まれているため、それらに似た匂いがすると考えられます。

インターネットで購入できるクラリセージの精油を紹介します。

クラリセージの名は、ラテン語で「明るい」「清浄な」の意味を持つ「クラルス」が由来です。その香りには幸せな気分へ明るい方向に導き、過敏になった神経を落ち着かせる効能があります。

クラリセージの芳香成分の『酢酸リナリル』や『リナロール』には、心を静め落ち着いた状態にする「鎮静作用」があることが報告されています。そのため、気持ちがパニックしてザワザワしているときに、気持ちを落ち着けたり精神安定を促したりしてくれるリラックス効果をもつ精油です。

韓国の研究報告では、クラリセージにはラベンダーやカモミールより強い「抗ストレッサー効果」があるとされています。このことから、ストレスで心も体も疲弊しきっているときに、緊張をほぐして優しく包んで幸福感を与えてくれると考えられます。気持ち的に沈んでいるときにこそ、使うのが望ましいといえる精油です。

クラリセージには精神をリラックスさせる効果があることから、ストレスからくる身体の不調に対しても効果があります。ストレス性の腹痛や動悸などを抑えるほか、芳香成分には「鎮痛作用」もあることから、頭痛や筋肉痛、腹痛など体の痛みを和らげる効果が期待できます。

クラリセージの効能で最も注目されているのが「PMS（月経前症候群）や更年期障害など女性特有の悩みに対する効能」です。これはクラリセージに含まれる『スクラレオール』が女性ホルモンに似た成分であり、ホルモンバランスを調整してくれるためです。そのため、リラックス効果とあいまって生理前の感情の浮き沈みを防いでくれます。

クラリセージの用途には、肌の炎症の緩和があります。『リナロール』に抗菌・抗炎症作用があるため、傷の炎症を抑えることが期待でき、スキンケアやニキビ予防の用途で使われます。また、皮脂の分泌を抑える効果もあり、テカリが気になるオイリー肌の人におすすめの精油です。

日本ではまだ浸透していませんが、クラリセージには「髪の毛の成長を促進させる効果」があり、欧米の洗髪料には配合されていることも多い精油です。さらに、抜け毛を抑える効果やフケ性を緩和する効果もあることから、ヘアケア用途への使い方が期待できると考えられています。