ハッカとは
清涼感のある独特な香りをもつハッカには、いろいろな効能や使い方があります。「ハッカ=ペパーミントやアップルミント」と考える人も多いですが、実は違います。
基本情報
名前 | ハッカ(薄荷) |
学名 | シソ科ハッカ属 |
花期 | 8~10月 |
分布 | 日本(主に北海道) |
ハッカの特徴
ハッカは和ハッカ(和薄荷)や和種ハッカといわれる、シソ科の多年草です。草丈は50cmほどになります。茎は四角、葉は長円形で、秋になると葉のわきから淡い紫色の花を咲かせます。
ハッカの効果
メントールの効果
ハッカに含まれるメントールには、抗ウイルス、殺菌作用、免疫調整作用などがあるとされています。ハッカのメントールは、虫除けや夏のマスク、消臭などさまざまな場面で活躍してくれるでしょう。
匂いの効果
清涼感のあるハッカの匂いには、ストレスをやわらげたり、気分をリフレッシュしたりする効果があるといわれています。ハッカのアロマを、バスタイムや眠る前に利用するのもよいですね。
ハッカとミントの違い
ハッカは日本に自生する多年草です。ミントというと、ペパーミントやスペアミントなどを思い浮かべる方も多いでしょう。ハッカはそれらとは違い、日本の在来種です。ペパーミントは「セイヨウミント」ともいわれ、海外が原産の植物です。また、ハッカの主成分であるメントールの量にも違いが見られます。ハッカにはペパーミントの1.5倍の量のメントールが含まれています。
ハッカスプレーの作り方
ハッカスプレーは、材料を混ぜるだけで完成するという手軽に作れるアイテムです。手作りのメリットは、市販のものよりもリーズナブルという点です。使っているハンドタオルや、部屋にシュッとひと吹きして使いましょう。
材料選びのポイント
ハッカ油はどこで買える?
ハッカスプレーを手作りするにあたり、必要なのがハッカ油です。ハッカ油とは和種ハッカを、蒸留・精製して作られたものです。薬局で扱われていますが、ない場合は通販で購入できます。
スプレーボトルの選び方
ハッカスプレーに使える容器は、ポリプロピレン・ポリエチレン・ガラスです。ボトルに使えないのは「ポリスチレン」です。ポリスチレンを使うと、ハッカスプレーが容器を溶かしてしまう危険があります。似たような名称ですが、間違えないようにしてくださいね。
作り方①基本のハッカスプレー
材料(100mL分)
- ハッカ油:(10〜20滴)
- 無水エタノール:10mL
- 水(精製水):90mL
- スプレー容器
- ビーカー
- ガラス棒(必要に応じて)
作り方
- ビーカーに、無水エタノールを入れ、ハッカ油を加える
- ガラス棒などでよく混ぜる
- 精製水を加えて、よく混ぜてからスプレー容器に入れたら完成
使うときの注意点
- スプレーを使う前に、よく容器をふる
- 冷蔵庫に保管して、1週間以内に使いきる
- シミになる素材の家具や布などに向かってスプレーするのは避ける
- 無水エタノールは希釈して使う
作り方②重曹入りハッカのうがい水
ハッカ水+重曹で、うがい水にもなります。重曹には、食用と掃除用(工業用重曹)があります。うがい水は口に入れるもののため、食用を選んでください。うがいした後は、口の中がさっぱりとしますよ。
材料(450mL分)
- ハッカ油:3滴
- 重曹(食用):小さじ3
- 水:450mL
- うがい水を入れる容器(ペットボトルなど)
うがい水の作り方
- 口の広い大きめの容器に、重曹とハッカ油を入れて混ぜる
- そこに、水を加えて混ぜる
- ペットボトルや、飲用に使えるふた付きの容器に移し替える
ハッカのうがい水を使うときの注意点
- 容器をよく振り、通常通りうがいをする
- 疲れているときや体調のすぐれないときは、使用をやめておく。もしくは、使うハッカ油を1滴にとどめておく
作り方の注意点
ハッカ油には刺激がある
ハッカ油は濃度が高いため、原液が肌に付くのは危険です。かぶれなどを引き起こす可能性があるため、付いた場合は速やかに洗い流しましょう。また皮膚が弱い方は、使用量を少なめに調節するのもおすすめです。
火気に気をつける
基本のハッカスプレーを作る際、火のそばで作業を行わないでください。エタノールはアルコールを含んでおり、引火しやすく危険です。
ハッカスプレーの使い方
使い方①虫除け
ハッカのメントールは、虫が嫌がるものです。虫が多くいる場所に行くときの携帯するのがおすすめです。キャンプやバーベキューなどのアウトドアや、庭で草取りをするときなどに、直接肌に吹きかけて使いましょう。またキッチンに寄り付くコバエなどの害虫を除けるのにもぴったりです。ただし殺虫作用はありません。
使い方②夏マスク
涼感スプレーとしての効能も
暑い夏、マスクをしたままでは汗のにおいがしたり、蒸れたりして辛い思いをするでしょう。そんなときは、マスクの外側にハッカスプレーをひと吹きすると、ひんやり感が得られます。ハッカスプレーは、涼感スプレーともいえるのです。
花粉の飛散や風邪予防にも活躍
ハッカスプレーをマスクに吹きかけると、鼻や喉の辛さの軽減が期待できます。花粉飛散の時期のマスクや、風邪予防でつけるマスクにもおすすめです。
使い方③殺菌・消臭
ハッカスプレーは、消臭・除菌の効果が期待できます。トイレや車のシート、ペットのいる室内、ゴミ箱などにシュッとふきかけましょう。重曹入りハッカのうがい水も、爽やかなメントール成分の効果で、殺菌・口臭予防になります。手軽なマウスウォッシュとしておすすめです。
使い方④香水
ハッカの香りには、ひんやり感や清涼感をもたらす効能があるとされます。ハッカの匂いは気分のリフレッシュにもなるため、手作りハッカスプレーを香水代わりにアロマコロンとして使うのもよいでしょう。特に暑い夏に活躍してくれますよ。
ハッカスプレーを自作してみよう
ハッカスプレーは、虫よけをはじめ殺菌や消臭、香水などと、使いみちが多くあります。作り方も簡単で、チャレンジしやすいのもうれしいポイントです。雑菌が増えやすい季節を快適に乗り切るためにも、ぜひ自作のハッカスプレーにチャレンジしてみてくださいね。
出典:写真AC