ラベンダーとは?
ラベンダーはシソ科ラベンダー属の木本です。紫の可憐な花とよい香りが広く知られ、北海道の富良野は一面のラベンダー畑が有名です。
基本情報
学名 | Lavandula |
分類 | シソ科ラベンダー属の木本性 |
花期 | 4月~7月 |
花色 | 紫、白、ピンク |
原産地 | 地中海沿岸 |
ラベンダーの特徴
ラベンダーは大きさからか、草本と間違われることがあります。しかし、ラベンダーは草本ではなく木本です。花色は紫のものが有名ですが、白やピンクの花色のものも出回っています。
ラベンダーの香り
ラベンダーの特徴は、なんといっても香りにあります。よい香りで、石鹸やポプリ、アロマオイルにも使われています。さまざまなアイテムに使われることから、人気の香りといえるでしょう。
ラベンダーの種類
写真はレースラベンダーです。
ラベンダーと呼んだ場合、イングリッシュラベンダー系のラベンダーを指すのが一般的ですが、ラベンダーの種類はこれだけではありません。フリルのついたフレンチラベンダー系、交配品種のラバンディン系、栽培が難しいとされているレースラベンダーの種類があります。
ラベンダーの種まきの方法
ラベンダーは種から育てられます。ここでは、種まきの方法と、種をまく前に行うことを紹介します。
種から育てる前の作業
種まきを行う前に、ラベンダーの種にひと手間加える必要があります。それは、冷蔵庫の中に2週間くらい種を入れておくということです。ラベンダーは寒さに当たらないと発芽しないという性質を持っています。寒さに当てるために冷蔵庫に入れる必要があります。冷蔵庫から出した後は、種を3日間水に浸します。これは、ラベンダーの種の殻が硬いためです。このうちの、水に沈んだものだけを種まきに使います。
種まきの時期
種まきは、1年のうちで2回行えます。3月~4月にかけての春先と、9月~10月の秋に入るころです。ラベンダーの種は気温が20℃前後になると発芽するため、春先と秋に入る前がベストなタイミングです。また、発芽後苗が育つ気温が15℃~25℃前後といわれており、初夏に種まきを行ってしまうと、気温が高すぎて苗が育ちません。これらのことから、ラベンダーの種まきは春先か秋に入る前がおすすめといえるでしょう。
種まきの方法
種まきは、底に穴が開いているプラスチックの容器を使って行います。適当な容器がなければ、卵のパックの底に穴を開けて代用もできます。使用する土は、赤玉土と腐葉土です。肥料などは必要ありません。容器に土を入れて、2~3粒の種をまきます。種をまいた後は、発芽するのに必要な日光が届くよう表面にうっすらと土をかけ、霧吹きなどで水を与えます。
種まき後
種まきを終えたら、直射日光が当たらないような場所で管理します。日光は必要ですが、強すぎる直射日光は発芽時にダメージを与えかねません。また、風が強いところも避けたほうがよいでしょう。発芽したときに、苗が倒れてしまうからです。
種まきの注意点
種まき後の特に覚えておきたい注意点は、水やりです。発芽するまで、水を切らさないのも大切ですが、勢いよく水を与えてしまうと種が流れてしまう可能性があります。水をあげるときは霧吹きであげるか、シャワーのように水を優しくかけてあげることがポイントです。
水が多すぎても過湿になって発芽しないことがあります。1日に何回も水をあげるのは避けたほうがよいですね。
ラベンダーの発芽後の管理方法
種まきも無事終わり、ラベンダーが発芽を迎えました。ここでは発芽からの管理の方法を紹介します。
発芽までの日数
ラベンダーは種まきをしてから発芽まで2週間~1カ月かかります。さらには、花が開花するようになるまでには2~3年かかります。発芽するまでの2週間~1カ月は水を切らさないように管理しましょう。
発芽後の管理
水やり
発芽後、本葉が茂るようになるまでは乾燥に注意が必要です。乾燥すると発芽したばかりの若い芽はすぐ枯れてしまいます。土の状態を確認しながら水やりを行ってください。
間引き
1つのところに、2~3粒の種をまいているため、複数のラベンダーの芽が出るでしょう。そのなかで、最も元気のよい苗だけを残して、残りは間引きしてください。特に、ひょろひょろとしている芽は間引きをしましょう。
苗の育て方
ラベンダーが発芽を迎え元気に育ったら、今度は植え替えです。植え替え方法、苗の育て方を紹介します。
植え替え
ラベンダーの本葉が2~3枚までに育ったら、植え替えを行います。植え替えるときは、ピンセットなどを使いていねいに苗を摘まんでください。
地植えでの植え替え・育て方
地植えでラベンダーを育てる場合は、土作りが必要です。ラベンダーは酸性の土壌を嫌うため、植え替える2週間前には土のなかに苦土石灰を入れてよく耕します。その1週間後に緩効性の化成肥料を入れて、さらに耕します。土作りが完了したら、ラベンダーを植え付けていきましょう。根付くまでは毎日たっぷりと水やりをするのがポイントです。
鉢への植え替え・育て方
鉢に植え替えると、室内でも育てられます。しかし、鉢の大きさには注意が必要です。あまり大きい鉢を使ってしまうと、過湿に陥ってしまうことがあります。また、使う用土は肥料入りの培養土を使用しましょう。鉢の底に土が出ないようにネットを敷き、土を入れます。ウォータースペースを開けてラベンダーの苗を丁寧に植えていきましょう。植え替え直後は、鉢の底から水があふれ出るぐらいたっぷりと水やりを行います。
秋に種から育てた場合、寒くなってきても根付いていなければ室内に入れる必要があります。したがって、秋まきの場合は鉢で育てるのがおすすめです。
植え替え後に置く場所
ラベンダーの苗は高温に弱いです。そのため、直射日光が当たるような場所は避けましょう。直射日光が当たらない風通しのよい場所に地植えしたり、鉢を置いたりするのがポイントです。特に夏の時期は強い直射日光には注意が必要です。
植え替え後の水やり
根付くまでは毎日たっぷりと水やりを行いますが、植え替えた後は土の表面が乾いていたら水をあげるようにしましょう。水をあげるときは、日光の当たる日中を避けるのがポイントです。日中に水をあげると、ラベンダーがやけてしまうことがあるからです。そのため、ラベンダーの水やりは朝、朝にできなければ夕方に行うのがよいでしょう。
開花まで
種から育てた場合は開花まで約2~3年かかります。それまでに、つぼみもいくつかつけますが1年目は根や茎の成長にあてるため、つぼみができたら切り取るのがポイントです。
ボタニ子
花を開花させるためには、植物もエネルギーが必要です。このエネルギーを株の成長に使うよう、つぼみは切り取ってしまいましょう。
まとめ
ラベンダーは発芽までに時間がかかるため、一般的には種まきが難しいとされている植物です。しかし、毎日ラベンダーの様子を見れば、適切に育てられます。ぜひ、ラベンダーの種まきに挑戦してみてください。2~3年後に開花したときには、庭一面見事な花を咲かせるかもしれません。
出典:BOTANICA