よもぎとは?
よもぎは地下茎(ちかけい)で繁殖するキク科の多年草です。全国の日当たりのよい河原や野原、道ばたに自生します。春になると身近な場所に姿を見るおなじみの雑草ですね。季節が夏になる頃には、背丈が1m~1.5m近くまで成長します。そして、8~10月には小さな淡褐色の花をさかせて1mm程度の茶褐色の種を付けます。つまりよもぎの開花時期は秋頃ということです。
地下茎で繁殖するよもぎ
紹介した通り、よもぎは地下茎で繁殖します。地下茎とは字の通り、土の下で茎をのばします。春の新芽やわか葉の収穫時期を終えて、夏至を過ぎた秋から冬に、茎や根が地中をはうようにのびていきます。そして、春にまた新しい茎が、地上に出てきます。つまり、地上では別の株にみえても地中では繋がっており、群生している場合が多いというわけです。
よもぎの種類
日本には30種類以上のよもぎが自生しています。そのなかでも、一般的によくしられているのが「ヨモギ(カズザキヨモギ)」です。また、草もちにつかわれることから別名「モチグサ」とも呼ばれています。よもぎはいろいろな料理や健康・美容などに広く利用されています。
草もちの材料としてもおなじみのよもぎ!旬は春
よく知られているとおり、よもぎのわか葉はお団子やお餅など和菓子の材料にもつかわれます。夏を過ぎると葉はかたく食用には適しません。なので、食用とする場合の旬は春ということですね。この季節の新芽はあくも少なく、春ならではの清々しい香りを楽しめますよ。
よもぎの特徴
よもぎの一番の特徴は独特の香りとともに、春菊に似ている鳥の羽のように深く裂けている葉と、灰白色でふわふわした葉の裏の毛です。よく観察すると、葉の裏には綿毛が密集しています。なので白く見えるというわけです。葉の裏を確認してみて、白いものがよもぎです。
よもぎと似ている!?ブタクサとは?
また、よもぎと似て非なるものに「ブタクサ」があります。よもぎと同じキク科であるブタクサの葉は、3~5枚に裂けよもぎと似ていることから、よもぎとブタクサは間違えやすいと言われています。背丈は30cm~1m近くまで成長します。それから、開花時期の8~10月頃には黄色い小花の集まった房をつけます。ブタクサは風で花粉を運びます。この花粉は花粉症の主な原因ともいわれています。
よもぎとブタクサの見分け方!
ブタクサもよもぎと同じく全国の河原や野原、道ばたに自生します。生息地や葉の形が似ているため、素人目ではよもぎとブタクサの見分けがつかず間違えてしまうことも。よもぎとブタクサの大きな違いは葉の裏の色です。葉の裏が白いものがよもぎです。また、香りも確かめてくださいね。よもぎの葉は摘んで、軽く揉むと草もち独特の香りがしますよ。
よもぎの名前の由来は?
よもぎの名前は「よくもえる木」に由来するものといわれています。よもぎは、火をつけても炎があがらず、熱くなりすぎることなく燃焼する性質があります。その秘密は、葉の裏の綿毛に含まれる「ロウ」です。よもぎの綿毛を集めたものがお灸の「もぐさ」ですが、お灸は、この性質により「ロウソク」のように時間をかけてじっくりゆっくりと燃えるわけです。ちなみに、もぐさの収穫時期は梅雨が明けた頃の季節がてきしています。
よもぎの産地は?
紹介した通り、よもぎは全国に自生しています。そのなかでも、お灸に使われる国産もぐさの材料であるよもぎの採取量は、現在、新潟県が最も多く、富山県、石川県、長野県などでも採取されています。また日本のみならず、世界各地で薬草としてつかわれています。
出典:筆者撮影