たんぽぽコーヒーとは
たんぽぽコーヒーとはたんぽぽの根を使って作られた飲み物で、別名「たんぽぽ茶」とも呼ばれています。コーヒー豆は使用していませんが、焙煎された根をドリップして作ることや、風味がコーヒーに似ていることから、名前に「コーヒー」の文字が使われるようになりました。
ボタニ子
たんぽぽコーヒーの由来
たんぽぽコーヒーの発祥地はポーランドです。その昔コーヒーはとても貴重で高価であったため、裕福な家庭でしか口にできない飲み物でした。「みんなにもおいしいコーヒーを飲んでもらいたい」という当時のポーランド国王の願いから、コーヒー豆ではなく風味が似ているたんぽぽの根から作られた「たんぽぽコーヒー」が作られたのです。
たんぽぽコーヒーとコーヒーの違い
たんぽぽコーヒーとコーヒーの大きな違いはカフェインの有無です。たんぽぽコーヒーにはカフェインが含まれていないため、カフェイン摂取を控えている人や小さな子どもでも安心して飲めるのが魅力といえるでしょう。見た目や風味は似ていますが、たんぽぽコーヒーは「濃いほうじ茶」や「麦茶とコーヒーの間」のような味わいです。
たんぽぽコーヒーの選び方
たんぽぽの根は繊細なため、作り方一つでたんぽぽコーヒーの味は大きく変わります。試飲などで味を確認し、自分にあったものを選びましょう。たんぽぽコーヒーは材料から、大きく2種類に分かれます。
たんぽぽコーヒーの種類
たんぽぽコーヒーには「たんぽぽの根100%」でできているものと「たんぽぽの根とほかの食品のブレンド」のものがあります。前者は栄養成分が濃く健康によいですが、味を調えにくく飲みにくいものが多いのが難点です。後者は栄養成分の含有量は前者に劣りますが、その分飲みやすいのが魅力です。
たんぽぽコーヒーに含まれている成分と効果
たんぽぽコーヒーの原材料である「たんぽぽの根」には、有効成分が豊富にふくまれています。中国では生薬として、ヨーロッパでは薬用ハーブとして昔から人々に愛用されてきました。
成分①カリウム
たんぽぽの根に含まれる成分の中で、豊富に含まれているのがカリウムです。カリウムは余計な塩分を体外へ排出し、体内の水分バランスを保つ働きを持っています。利尿作用もあるため、体内の毒素や老廃物排出、血圧を下げる効果が期待されています。
成分②タラキサシン
タラキサシンとは、たんぽぽの根などのハーブに含まれる苦み成分です。胃や肝臓の働きをよくする働きを持っており、消化運動の促進や体内の解毒作用、便通改善の効果が期待されています。ホルモンバランスを整える働きをするため、美肌や生理不順、生理前後のイライラを抑える効果も期待できます。
成分③イヌリン
イヌリンは、菊芋やゴボウなどのキク科の植物に多く含まれる、水溶性食物繊維の一種です。消化されずに腸内まで届き、善玉菌のエサとなるため、腸内環境の改善や腸の動きを活性化させるといわれています。食べ物の消化を遅らせ、体内への糖の吸収を緩やかにするため、食後の血糖値の上昇を抑える効果も期待できます。
成分④鉄分
鉄分は、血液中で赤血球を作っている「ヘモグロビン」に欠かせない成分です。体全体に酸素を運ぶ大切な役割を持っており、貧血や立ちくらみの改善、筋力や持久力アップの効果が期待できます。
成分⑤カルシウム
カルシウムは、骨や歯の形成に欠かせない成分です。骨や歯の強化以外にも、神経の興奮や緊張を緩和する働きを持っており、心臓機能アップや細胞活動の活発化、イライラを抑える効果が期待されています。
成分⑥ビタミンA
ビタミンAの主要成分は「レチノール」です。レチノールは皮膚粘膜を健康な状態に保つ働きを持っており、生殖機能や細胞の働きを正常化する効果が期待されています。目の働きを促進する働きもあり、視力低下や眼球乾燥症を防ぐ効果も期待できます。細菌への抵抗力も高めるため、妊婦や乳幼児には特に必要な成分です。
たんぽぽコーヒーが持つ女性に嬉しい効能とは
効能①ホルモンバランスを整える
たんぽぽコーヒーには、肝臓の動きを活性化させる働きがあるといわれています。肝臓はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの過剰な分泌を抑制し、ホルモンバランスを保つための重要な器官です。エストロゲンには肌や髪につやを与える効能もあります。ホルモンバランスが乱れやすい産後や妊婦、妊活中、生理前後などにおすすめの飲み物です。
効能②むくみとり
たんぽぽの根は、ヨーロッパで「おねしょのハーブ」と呼ばれるほど、利尿作用が高い特徴があります。体内の水分代謝を活発にする働きも持っているため、余分な水分を体外に排出させる効果が期待できます。たんぽぽコーヒーは、長時間のオフィスワークが多い人や、むくみやすい女性に人気の飲み物です。
効能③母乳の出や質をよくする
麦茶や緑茶とはちがい、たんぽぽコーヒーは体を温める働きを持つといわれています。妊婦、妊活中の人はもちろん、授乳中の天敵である「冷え」が心配なかたから支持を得ています。母乳を出す「プロラクチン」と呼ばれるホルモンを正常に動かす働きがあるとされるため、母乳の出や質をよくする飲み物としてとても人気です。
効能④ダイエット
たんぽぽコーヒーは100gで45kcalと低カロリーな飲み物で、豊富な食物繊維を含み、高い利尿作用を持つことから、便秘解消やデトックス効果が期待できます。ダイエット中の人にもおすすめできる飲み物の一つです。
効能⑤貧血予防
多くの女性や妊婦が抱える問題の一つに「貧血」があげられます。鉄分サプリで効率的に補給もできますが、1日の摂取量制限があり、毎日飲むとお金がかかるため続けにくいデメリットがあります。鉄分が多く含まれているたんぽぽ茶なら、毎日手軽に続けられるためおすすめです。
「たんぽぽコーヒー」と「たんぽぽ茶」は同じものだよ!