和ハッカってどんな植物?
基本情報
和名 | ニホンハッカ |
学名 | Mentha canadensis L. var. piperascens |
英名 | Japanese pepperminnt |
科 | シソ科 Lamiaceae |
属 | ハッカ属 Mentha |
形態 | 多年草 |
草丈 | 20~60cm |
名前の由来
和ハッカとは日本在来のミント、ニホンハッカです。ミントの中国名「薄荷」を音読みにして、日本ではミントを「ハッカ」と呼びます。目の疲れや眠気覚ましに和ハッカの葉を目に当てて使われていたために、「メグサ(目草)」「メザメグサ(目覚め草)」「メハリグサ(目はり草)」などの別名があります。
和ハッカの特徴
特徴①花
和ハッカの花が開花するのは夏~秋にかけて(8~10月ごろ)です。淡い紫色または白っぽい紫色の唇型の小さな花が茎の上部の葉腋に輪のように多数つきます。
特徴②葉
和ハッカの葉は長い楕円形で、葉にさわやかな香りをもちます。和ハッカの茎の断面はシソ科特有の四角形で、この茎にも香りがあります。ペパーミントやスペアミントなど西洋のシソ科の植物も和ハッカと同じように茎は四角形です。
特徴③香り
清涼感のある和ハッカの香りは、精油成分メントールによるものです。和ハッカの葉茎を水蒸気蒸留することで得る精油(ハッカ油)をさらに冷却して再結晶させたものがメントールです。結晶化したメントールは「ハッカ脳」「メントールクリスタル」などと呼ばれます。
和ハッカの効能
効能①冷たさ感じる
ハッカ油を皮膚に塗ると、スース―と刺激的な冷たさを感じます。メントールが冷たいわけでも、体温を下げるわけでもないのに、皮膚はヒンヤリした冷たさを感じられるのは不思議な現象です。この理由はまだ解明されていませんが、皮膚の冷たさを感じるセンサーに何らかの刺激を与えているのではないかと考えられています。
効能②感覚をマヒさせる
皮膚の感覚を軽くマヒさせるのも、すぐれたメントールの効能です。和ハッカのメントールが虫さされや軽い炎症などのかゆみを感じにくくしてくれます。虫さされの薬にメントールが配合されているのは、感覚をマヒさせてかゆみを感じにくくするという理由からです。
効能③炎症をおさえる
メントールには軽い炎症を和らげる効能が認められています。あかぎれや軽いしもやけの腫れなどに用いると、腫れがおさまると同時に赤味をとる働きがあるといわれます。虫に刺されておこる腫れにもメントールが有効です。
効能④食欲増進
和ハッカの香りは食欲を増進する働きがあるといわれ、料理の風味付けにも利用されます。また高ぶった神経を鎮静させ、精神疲労の回復や消化をうながす作用も期待されます。紅茶にハッカ油を1滴加えてつくるミントティーは食欲のないときにおすすめです。
和ハッカの使い方
使い方①ハッカ油
和ハッカから抽出するハッカ油は多くの利用方法を持ち、生活の中で役立つ使い方ができるため家庭に常備しておくと便利です。無水エタノールと水で希釈して、スプレー瓶に入れて使用しましょう。
ハッカ油スプレーの作り方
100mLの液体が入るスプレーボトルに無水エタノールを10mLを入れ、ハッカ油を10滴を上限に加えます。10滴以上入れると刺激が強くなるため注意が必要です。ボトルをよく振って無水エタノールに精油を溶かしましょう。次に90mLの精製水を加えてよく振ると完成です。
利用法①掃除
ハッカ油を水で薄めてスプレー瓶に入れ、掃除に使います。まな板やシンクの除菌にハッカ油のスプレーが手軽で便利です。フローリングの拭き掃除にもハッカ油を薄めて使用すると部屋中に爽快な香りが漂います。
利用法②虫除け
虫や小さな動物はハッカ油の香りを嫌うため、天然成分の虫除けとしてハッカ油のスプレーが活躍します。キャンプなどのアウトドアや夏のお出かけに、ハッカ油のスプレーを携帯することをおすすめします。ハッカ油が直接肌に触れると刺激が強いため、必ず水で薄めて使用してください。
利用法③デオドラント
汗ばむ季節のデオドラント剤としてハッカ油のスプレーがおすすめです。シュシュッと吹きかけるだけでイヤな臭いが消え、気分もリフレッシュできます。暑い日にマスクをするとき、少量吹きかければ、マスクの不快感を和らげてくれるためおすすめです。靴箱やお部屋のにおい消しにもハッカ油が効果を発揮します。
使い方①食用
和ハッカのさわやかな味と香りは食品に多用されます。ハッカ味の飴、ガム、タブレットをはじめ、チョコレートとの相性も抜群です。和ハッカの葉でつくるミントティーも人気です。和ハッカの精油は食品添加物としてこれらの食品の香りづけに使われます。
使い方②化粧品
日本の暑い夏には、和ハッカ配合の化粧品がぴったりです。和ハッカの香りのシャンプーやボディジェルは肌の炎症をおさえつつ、お肌をすっきりと整えてくれるといわれます。石鹸や香水など、ハッカの香りを活かした化粧品にはロングセラーも多く、根強い人気を誇ります。
使い方③薬用
多くの胃薬、かゆみ止め、湿布薬などの薬用品にもメントールやハッカ油が配合されています。漢方薬には、ニキビや皮膚疾患の改善を目的に、和ハッカの葉が薬用成分として処方されています。そのほか、うがい薬や目薬、ドリンク剤などにも用いられ、和ハッカは薬用として用途の多い薬草です。
使い方④日用品
和ハッカは日常何気なく使っているものにも使われます。和ハッカの利用法は幅広く、歯磨き粉、マウスウォッシュ、口臭スプレーなどのオーラルケア製品、体ふきシート、デオドラント剤などボディ用の製品など数えきれないほどです。
和ハッカとミントの違い
一般的にハッカといえば日本原産のニホンハッカを指し、ミントはペパーミントやスペアミントなどの西洋のハーブを指します。このハッカとミントにはどちらも清涼感のあるさわやかな香りをもつことが特徴です。
ペパーミントとの違い
ペパーミントと和ハッカの大きな違いはメントールの含有量です。和ハッカにはメントールが高濃度で含まれていますが、ペパーミントのメントール含有量は和ハッカの50~60%程度といわれます。ペパーミントは西洋ハッカとよばれ、西洋でミントといえばペパーミントを指すほど代表的な品種です。
スペアミントとの違い
スペアミントと和ハッカの大きな違いは、スペアミントの主成分がメントールではないことです。そのためスペアミントは和ハッカやペパーミントと比較するとスース―感をあまり感じません。ヨーロッパやアメリカではスペアミントは主に料理に使うミントと考えられています。
和ハッカのおすすめ商品
おすすめ商品①ハッカ油スプレー
天然ハッカ油スプレー
参考価格: 864円
天然ハッカ油スプレーはスプレーボトル入りのハッカ油です。食品添加物のため紅茶や炭酸水など吹きかけるだけで和ハッカのフレーバーが手軽に楽しめます。手作りのマスクスプレーや虫除けなどにも使えますが、その場合は希釈して使用しましょう。
おすすめ度 | ★★★★★ |
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価格 | 864円 |
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おすすめ商品②Sel de Menthe(セル・デ・メンタ)
入浴剤Sel de Menthe(セル・デ・メンタ)
参考価格: 1,931円
北海道北見で栽培された和ハッカの香りを楽しめる入浴剤は、ロングセラーの人気商品です。マイルドな和ハッカの香りがするエメラルドグリーンのにごり湯で、一日の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。和ハッカの入浴剤は清涼感を与えると同時に、体をあたためてくれるためおすすめです。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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価格 | 1931円 |
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まとめ
和ハッカは食用から化粧品、医薬品などさまざまな用途に用いられる有用な薬草です。和ハッカは西洋のミントと比較すると冷感作用が強いため、用途に応じて上手に使い分けましょう。
出典:写真AC