カレンデュラとは
見る人に元気をくれるオレンジ色の花、カレンデュラは多くの薬効をもつ食べられるハーブです。また、クリームなどに加工されスキンケアも使われ、美容効果も古くから知られています。そんな魅力的な効果効能がいっぱいの植物カレンデュラの特徴について詳しく見ていくことにしましょう。
基本情報
和名 | キンセンカ(金盞花)、カレンデュラ |
別名 | トウキンセンカ |
学名 | Calendula officinalis |
英名 | Pot Marigold(ポットマリーゴールド) |
科 | キク科 Asteraceae |
属 | キンセンカ属 Calendula |
種 | キンセンカ C. officinalis |
開花 | 3~6月 |
形態 | 1年草、多年草 |
原産地 | 地中海沿岸 |
植物としての特徴
草丈は10~60cm、葉は単葉で長さは5~18cmほど、黄色~オレンジ色の直径約10cmの多数の花びらをもつ花を咲かせます。開花時期は3~6月と長く、朝方に開花する1日草であることが特徴です。
名前の由来
カレンデュラの和名はキンセンカ(金盞花)、花の姿が金色の盃(さかずき)に見えることからこの名前がつきました。英名のカレンデュラの名前の由来は、毎月決まった日に花が咲くという特徴的な習性から、月の初日を意味するラテン語「カレンダエ」に由来するともいわれます。
よく似た名前の植物
よく似た名前のマリーゴールドはマンジュギク属なので、キク科のポットマリーゴールドとは別物です。ポットマリーゴールドは食用や薬用のハーブとして扱われるため混同を避けて、区別するためにカレンデュラと呼ばれます。マリーゴールドは食用にはなりませんのでご注意ください。
栽培
ヨーロッパでは多くの薬効が認められるハーブのひとつとして数えられ、栽培されてきました。栽培は比較的簡単で、日本では南房総や淡路島など温暖な地域で栽培されています。観賞用に栽培されることが大半ですが、ごくわずかに食用ハーブとして栽培する農家が存在します。
カレンデュラの効能と効果
赤ちゃんから年配の方までカレンデュラは幅広い層にさまざまな効能をもつハーブです。ハーブティーの飲み方や、美容のためのクリームとしての使い方によってどのような効果と効能が期待できるのでしょうか?カレンデュラがもつ多くの体や皮膚への薬効や特徴について見ていきましょう。
成分
カレンデュラの鮮やかなオレンジ色の花びらに含まれる色素は、ルテイン、リコピンなどのカロチノイド色素です。その他にもフィトステロール、フラボノイド、苦味物質、精油などの多様な物質を含みます。総合的には、殺菌、消炎の作用が強いことがカレンデュラの薬効の特徴だといえます。
効果①眼精疲労
カレンデュラに含まれるルテインというカロテノイドには、細胞にダメージを与える活性酸素を無害化する働きとともに、パソコンやスマートフォンから発生する青色光(ブルーライト)を吸収する効果が認められています。青色光を吸収することで、視力の低下や白内障の予防につながるといわれます。
効果②ホルモンバランス調整
フィトステロールは植物ステロールともよばれ、植物に含まれるフィトケミカルの1種です。カレンデュラに含まれるフィトステロールには女性ホルモン様の作用があると考えられ、生理にともなう不快感や痛み、周期の悩みに有効な効能があるといわれます。
効果③口臭予防
フラボノイドというカレンデュラに含まれる成分は、天然に存在する有機化合物群で、ココアや緑茶、蜂蜜やオレンジなどにも含まれ口臭予防に役立つ働きがあるといわれます。
効果④粘膜の保護
カレンデュラの花のオレンジ色の元となるカロチンは、摂取すると体内でビタミンAに変換される栄養素です。ビタミンAに変換されたカロチンは粘膜や皮膚の修復や保護をうながす効能が認められています。抗炎症作用が認められているケルセチンもあわせて口の中や胃などの粘膜の炎症に効果を期待できるといわれます。
効果⑤皮膚の修復作用
古くからカレンデュラは皮膚や粘膜の切り傷や美容のために使われてきた歴史があります。メカニズムは解き明かされていませんが、多糖類に免疫活力を与え、抗炎症作用やカロチノイド色素やフラボノイドが総合的に働くことで傷を癒し、抗菌、抗真菌、抗ウイルス作用で保湿、ニキビやふけに働くのではないかといわれます。
注意点
カレンデュラはキク科の植物なので、キク科にアレルギーの人は特に注意してください。カレンデュラの副作用に関しては研究中のことが多く、妊娠中や授乳中は使用を避け、持病をお持ちなど健康に不安がある場合には、医療機関に相談して使用することをおすすめします。