ミルトニアの育て方
ミルトニアはアンデスの山地に生息する高山植物で、環境変化に弱い特徴を持っています。地植え栽培もできますが、管理がしやすい鉢植え栽培がおすすめです。夏と冬の手入れポイントをおさえて、美しい花を堪能しましょう。
南米は平均気温も日本より高いから、夏は大丈夫なんじゃないの?
ボタニ子
アンデスの山の夏は昼間は30℃以上あっても、夜は20℃近くまで下がります。日本の夏は夜でも30℃を下回ることが少ないので、耐えられないといわれているんだよ。
アンデスは冬でも20℃くらいあるんだね!日本はマイナスまで下がることがあるから、冬の寒さにも耐えられないんだね。
栽培カレンダー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け、植え替え | ● | ● | ● | |||||||||
開花時期 | ● | ● | ||||||||||
肥料 | ● | ● | ● | ● | ● |
ミルトニアの多くは6~7月に花を咲かせますが、品種によっては9月頃に開花時期を迎えるものもあります。購入する際には、商品タグをチェックしてみましょう。
育て方①栽培環境
ミルトニアは強い日差しが苦手です。栽培にあたっては、風通しがよい明るい日陰がよいでしょう。春から夏にかけては屋外で管理できますが、秋が近づく頃には屋内へ取り込んでください。四季を問わず屋内で栽培する場合は、窓際に置き、カーテンなどで光をさえぎる工夫が必要になります。
室内管理のポイント
室内では窓際に置くのがよいのですが、気温が下がる冬はミルトニアには寒い環境になってしまいます。日が暮れる頃には、窓から離れた場所に移動しましょう。温度を保つためにも、ダンボールなどで囲いを作るのもよいですね。
育て方②植え付けと植え替え
ミルトニアの植え付けは、外気温が10℃以上ある春先または晩秋が好ましいといわれています。また、花芽が大きい状態での植え付けや植え替えは、ストレスがかかりますので、花芽が出ていないものまたは花芽が小さいものを選びましょう。
ボタニ子
ミルトニアは茎が細くて、折れてしまうことがあります。心配な場合は、支柱を立てましょう。
植え替え
植え替えは、2年に一度を目安に行います。作業に適した時期は植え付けと同じく、気温が10℃以上ある春か晩秋です。傷んだ根と水コケを取り除いたら、新しい水コケを用意して鉢に植えつけましょう。土に関しては、次の「育て方③用土」を参考にしてください。
ボタニ子
ミルトニアの根には、水コケが絡まっています。この水コケはミルトニアの栽培には欠かせないものなので、覚えておきましょう。
育て方③用土
ミルトニアの栽培には、厳密には土ではなく水コケを使用します。細かいモルバークでもよいでしょう。腐葉土や堆肥は必要ありません。植木鉢に隙間があいているとカビが生えることがあるので、隙間のないようにしっかりつめてください。市販されている洋ランの培養土が、便利でおすすめですよ。
育て方④肥料
肥料は、花が咲く前の5月頃に洋ラン専用の肥料を施します。ティースプーンに少量乗るくらいを目安にしましょう。肥料を施しすぎると、根を傷める原因になるので気をつけてくださいね。夏の暑さがやわらぐ9月下旬にも同量の肥料を施すとよいですよ。
ボタニ子
液体の肥料を使うのもおすすめです。この場合は、記載されている分量よりも2倍薄めて使うのがポイントです。
育て方⑤水やり
ミルトニアは乾燥に弱いので、水切れに注意が必要です。土の表面がカラカラに乾く前に、水やりをしましょう。春と秋は1日1回を目安にします。夏は、朝と夕の2回水やりをしてください。根元だけでなく、葉にもかかるように水やりをするとよいですよ。冬は水やりを控え、1週間に1回でよいでしょう。
水やりの注意点
こまめな水やりは大切ですが、水のやりすぎは根腐れを起こす可能性があります。室内で管理する場合も、水のやりすぎには気をつけてください。葉の隙間や花芽に水がたまっている場合は、ふき取りましょう。
続いて、病気や害虫対策、増やし方などを紹介します。
出展:写真AC