オンシジュームの植え替え!バルブってどの部分?失敗しない手順を解説

オンシジュームの植え替え!バルブってどの部分?失敗しない手順を解説

蝶が舞うような小花のラン、オンシジュームは初心者でも育てやすいランです。耐寒性には少し劣りますが、上手に管理すると春と秋の2回開花することもあります。春の成長期に植え替えをかねた株分けをして、オンシジュームを増やしてみませんか?植え替えの手順を紹介します!

記事の目次

  1. 1.オンシジューム(オンシジウム)とは?
  2. 2.オンシジュームのバルブとは
  3. 3.オンシジュームの育て方
  4. 4.オンシジュームの植え替え
  5. 5.オンシジュームの楽しみ方
  6. 6.まとめ

オンシジュームの育て方

出典:写真AC

オンシジュームは洋ラン栽培のなかでも比較的容易です。基本的な管理を守れば、だれでも花を咲かせられます。自生地では樹木の幹や枝につく着生ランで、木もれ日が長時間あたる風通しのよい環境で育っています。ここでは、栽培方法のポイントを見ていきましょう。

育て方①水やり

成長の時期(4~9月)

Photo byKranich17

成長期の4~9月は気温も高く乾きやすいため、水苔が乾いてきたらすぐに鉢底から流れだすくらいに水を与えます。新芽やバルブの成長のために、水は重要です。

開花の時期(9~10月)

水苔が乾いたらたっぷりと水やりをします。とくに花芽が伸びている株や、開花中の株は、乾きが早い状態が続き水をたくさん吸います。午前中のあたたかい時間に水やりをしましょう。

休眠の時期(11~3月)最低気温15℃以上

最低気温により水やりの仕方が変わります。最低気温が15℃以上の場合は、冬でも成長し新芽もでるため、成長期と同じように用土が乾いたらすぐ水やりをします。また暖房が効いている場合は、葉に霧水を与えます。

休眠の時期(11~3月)最低気温7℃

株の成長は休止の時期のため、与えた水は数日間乾きません。水苔などの用土の表面が乾いてきても、数日待ってから水を与えます。水が多いと根腐れの原因となるため、冬は乾かし気味に育てましょう。

育て方②用土

オンシジュームは着生ランのため、根で樹木の幹などに張りつき株を支え雨水を吸い生活しています。そのため草花用の培養土では根が空気にふれにくく、うまく育ちません。一般的には水苔やバーク(樹皮)と呼ばれる、洋ラン用の培養土で育てます。

用土①水苔の使い方

クリックするとAmazon商品ページへ飛びます

オンシジュームを水苔で栽培するときは、水はけのよい素焼き鉢を使います。市販の乾燥した水苔をバケツなどに12~24時間湿らせて、水気をしぼりふっくらさせてから使用します。

用土②バークの使い方

クリックするとAmazon商品ページへ飛びます

バークは水にしっかりとつけて、十分に水を吸わせて使用します。バークに植え付けの場合は、プラスチック製の鉢を使います。バークは一度植え込み材料が乾くと、与えた水が素通りしてしまうため、乾きにくいプラスチックのほうがよいのです。

育て方③肥料

肥料は新芽や根がよく伸びる成長期のみに施します。開花中や休眠中には施しません。株は最低気温15℃で冬越しさせると冬の間も成長するため、その場合は年間を通じて肥料を与えます。

液体肥料

クリックするとAmazon商品ページへ飛びます

オンシジュームには、草花用またはラン専用に販売されている肥料を使います。所定の倍率に希釈し、与え始めたら週に1回施します。希釈のいらないストレートタイプの液体肥料も販売されています。

固形肥料

クリックするとAmazon商品ページへ飛びます

置くだけの固形肥料は、水苔の上にのせると水やりのたびに少しずつ溶け出します。通常は40~50日くらいの間隔で施します。使用する量は肥料によって違うため、必ず説明書の量を守りましょう。また固形肥料は、小粒のものなら次回の固形肥料を置く時期までに消費されるのもポイントです。

育て方④増やし方

オンシジュームのバルブは、昨年のバルブの横に新しいバルブができます。バルブとバルブをつなぐ「ほふく茎」という場所から根が多数発生します。家庭の園芸の場合、オンシジュームを増やすには株分けをしましょう。挿し木や接ぎ木などでは増やせません。株分けの時期は4月ごろがよいでしょう。

株分け①植えたままハサミを入れる方法

株は鉢から抜かず、ほふく茎を消毒したハサミで2つに分けます。作業後そのまま育てると、切った側のバルブから新芽が出てきます。翌春に株を鉢から抜き、古い水苔を取り去って新しい水苔で株を2つに分けます。株分け後、2週間は肥料を施しません。

株分け②伸びた部分のみ切り取る方法

ほふく茎が長く伸びるタイプのオンシジュームの場合、バルブが鉢の外に出ることがあります。そのようなときは、鉢の外に伸びた部分を切り取り、別の鉢に植え付けましょう。もとの株はそのままにのため、2鉢に株分けできます。株分け後、2週間は肥料を施さずに管理しましょう。

株分け③一般的な株分け

大きな株を鉢から抜いて古い水苔をすべて取り除きます。根をむき出しにしてから、ハサミで2バルブごとに切り、株分けします。それぞれを新しい用土で植えましょう。1バルブごとに分けると株に勢いがなくなるため、次の年の開花は期待できません。株分け後の2週間は肥料を施さずに管理します。

育て方⑤栽培環境

①温度

最低でも7℃以上を保てる場所に、オンシジュームを置きましょう。温室がなくても、冬場は暖房のきいた室内で育てられます。オンシジュームは夏の高温には強いのですが、直射日光が当たると葉焼けをします。夏場は温度より、葉焼けをさせないように注意して遮光しましょう。

②日光

冬、休眠中のオンシジュームの株は、週に2~3回ガラス越しの日光を当てます。冬でも新芽が伸びている株はガラス越しの日光が当たる場所で管理しますが、夜間の冷え込みには注意しましょう。成長期は鉢を外に出して、1日に5~6時間日光が当たるようにします。日光不足になると花芽ができない場合もあります。

③風通し

成長期は、株と株の間をあけて通風をよくしましょう。夏場、鉢どうしを近づけると日光不足になり、花芽ができないことがあります。冬、休眠期の株は鉢どうしを近づけても大丈夫ですが、成長している株は離して通風を図ります。

育て方⑥代表的な病害虫

オンシジュームは病害虫が少ないランですが、それでも注意する病気や害虫がいます。

①黒星病

黒星病は葉に黒い点々が出る病気で、高温多湿になる梅雨明けの時期に多くみられます。薬剤を散布して、株を風通しよく育てるようにします。

②軟腐病(なんぷびょう)

元気の良かった株の新芽が突然腐りだし、だんだん黒っぽくなる病気です。室内栽培や温室で育てる場合によく発生します。患部を切り取り、ほかの健康な株と分けます。春先で野外に出せるときは、日光に当て消毒をするとよいでしょう。

③カイガラムシ

オンシジュームの葉や新芽は食害にあうことはありませんが、葉裏にカイガラムシがつくことがあります。見つけしだい、ガーゼをぬらして取り除きましょう。

④ナメクジ

ナメクジは夏の終わりから秋のはじめに、花芽を食い荒らします。発生してからでは手遅れで新芽がなくなってしまうため、殺ナメクジ剤をあらかじめ鉢にまきましょう。

ボタニ子

ボタニ子

次にオンシジュームの植え替えの仕方をお伝えします!

オンシジュームの植え替え

次のページ

オンシジュームの楽しみ方

関連記事

Article Ranking