トマトジュースは体によい飲み物
トマトジュースは「医者いらず」と呼ばれるほど体によいとされるトマトで作る、ヘルシーな野菜ジュースです。JAS(日本農林規格)では「トマトを破砕して搾汁、または裏ごしして皮や種を取り除いたもの、もしくは食塩を加えたもの」あるいは「食塩以外のものを加えていない濃縮トマトを希釈して搾汁した状態にしたもの、または食塩を加えたもの」と定義しています。
トマトジュースを使ったカクテルは、「ブラッディ・マリー」や「レッド・アイ」などが有名だよ。
市販品は塩分量で分類される
市販のトマトジュースは調味料として食塩を使用していることが多く、食塩が入っているかどうかで「有塩(加塩)」「無塩(食塩無添加)」に分類されています。味の好みで選んでもよいのですが、暑さや激しい運動の後などで大量の汗を流した場合は有塩タイプ、高血圧などで塩分摂取量が気になる場合は無塩タイプと、体調や用途にあわせて選ぶのもおすすめですよ。
トマトジュースの栄養効果
栄養①リコピン
リコピンは天然色素成分カロテノイドの一種です。トマトの鮮やかな赤色は、リコピンを多く含んでいることによります。トマトジュースのリコピン含有量がどのくらいなのかは、トマトの熟成度などによって異なりますが、200mLあたり約15.9mg~27.8mgとされています。リコピンの特徴は強力な抗酸化作用です。抗酸化作用が、美肌や生活習慣病の予防に効果があるとされています。
リコピンの抗酸化作用は、βカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上と評されるほど強力なんですよ。
トマトジュースの原料のトマトが「医者いらず」といわれるほど体によい野菜と評価されているのも、リコピンの高い効能が関係しているんだよ。
栄養②カリウム
カリウムはミネラル分の一種です。ナトリウムとともに、人体の細胞活動が正常にたもたれるように調整する作用を持っています。また、体内にたまった余分なナトリウムを排出し、血圧を下げてむくみを防止する効果があります。なお、トマトジュースのカリウム含有量は、一般的には200mLあたり520mgです。
ちなみにカリウムの1日の適正摂取量の目安は、成人男性で2500mg、女性で2000mgです。
つまりトマトジュース200mLで、一日に必要なカリウムの約2割を摂取できるというわけだね。
栄養③食物繊維
食物繊維の一種であるペクチンも、トマトに豊富に含まれている成分です。食物繊維は体内の消化酵素で分解されないため、胃で消化されずに腸に届き、便秘を改善し、腸内環境をよくする効果があるとされています。ただし、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、働きが少し異なるため注意しましょう。トマトに含まれているペクチンは水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維には便を柔らかくして排出させやすくしたり、糖分の吸収を抑制したりする効果があるんだよ。
トマトジュースに含まれている食物繊維は、一般的には200mLあたり約1.4gです。リンゴが100gあたり1.5gなので、豊富なことがわかりますね。
栄養④ビタミンC
トマトにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは野菜や果物に豊富に含まれていることで有名な栄養成分です。リコピンと同じく活性酸素を撃退する抗酸化作用を持ち、体がさびつくのを防ぐ効果が期待できます。さらにビタミンCは、肌のハリやキメをたもつコラーゲンの生成に関わる成分です。メラニン色素の生成を抑える働きもあるため、シミやソバカスの改善効果も期待できるでしょう。
ビタミンCは、美肌作りに重要な働きをするため「美肌成分のエース」と呼ばれています。
ちなみにトマトジュースに含まれているビタミンCの量は、200mLあたり約12mgだよ。スイカ(100gあたり10mg)と同じくらいなんだ。
トマトジュースの効能
効能①美肌効果
トマトジュースにはリコピンやビタミンCなど、強力な抗酸化作用を持つ栄養成分がたっぷりと含まれています。活性酸素は本来、体内の細胞伝達や免疫機能として働く成分です。しかし、多過ぎると細胞を傷つけてしまいます。美肌の天敵であるシミやシワも、活性酸素が原因で起こる場合があります。そのため、活性酸素を撃退する抗酸化作用には美肌効果が期待できるというわけです。
ビタミンCには肌を作るコラーゲン生成に関係し、日焼けやシミ・ソバカスの原因となるメラニン色素を除去する効能もあるんですよ。
トマトジュースは、もともと美肌作りに有効なビタミンCと、非常に強い抗酸化作用を持つリコピンの相乗効果で、高い美肌効果が期待できるんだよ。
効能②ダイエット効果
トマトジュースはダイエットにも効能が期待されています。リコピンは、体の代謝をよくしてカロリー消費を上げる働きがあります。食物繊維のペクチンは便秘を改善し、糖質の吸収を抑えるため、余分なエネルギーや老廃物が体内に蓄積するのを防ぐ効果が期待できます。さらにカリウムが体内の余分な塩分を排出するため、むくみ太りの予防・改善効果も期待できるでしょう。
トマトは未熟なものよりも、完熟したものが栄養価が高い特徴があります。だから完熟トマトを使うトマトジュースは栄養価が高いんですよ。
特にリコピンの含有量は、熟した程度で大きく違うんだ。完熟トマトのリコピン含有量は、未熟な状態で収穫したトマトの5.6倍以上もあるんだよ。
効能③生活習慣病の予防・改善効果
トマトジュースに豊富に含まれているリコピンには、生活習慣病を予防・改善する効果も期待されています。増え過ぎた活性酸素による細胞への攻撃は、心血管疾患や生活習慣病の原因となる恐れがあるためです。リコピンやビタミンCの強い抗酸化作用によって活性酸素が除去されることで、生活習慣病などの疾患の危険性も減らせるといわれています。
リコピンは継続して摂取すると、善玉コレステロールを増やす効果があります。血中の悪玉コレステロールの減少効果が期待できますよ。
トマトジュースはそのまま飲むのが一般的ですが、料理やカクテルの材料にする場合もあります。