苔盆栽におすすめの苔①ヤマゴケ(山苔)
ヤマゴケ(山苔)はホソバオキナゴケ(細葉翁苔)とアラハシラガゴケ(粗葉白髪苔)などの総称のことです。乾燥に強く、日当たりもそれほど必要としないため、初心者にも管理しやすいおすすめの苔です。ヤマゴケは盆栽の苔のほか、苔玉や苔テラリウムにも適しています。
特徴
ヤマゴケは乾燥すると白く変色します。ヤマゴケのシラガゴケ、オキナゴケという名前は、この特徴に由来するものです。ホソバオキナゴケはビロードのような美しさがあり、アラハシラガゴケは葉が少し長く、葉先が縮れて不揃いです。
適した場所
ヤマゴケは雨水が直接当たらない杉の木の根元や、腐った木に自生し、適度な温度が必要で涼しい場所を好み、暑さを嫌います。そのため強烈な日差しの下では枯れることがあるので、半日陰~日陰のやや乾燥気味で、安定した湿度が保たれる場所で管理します。
用土
ヤマゴケには、ケト土と赤玉土を7:3程度、またはピートモス、赤玉土、樹皮培養土などを2:2:6の割合で混合した用土がおすすめです。その他、樹皮培養土なども使用できますが、定着するまでに時間がかかるので、枯れることもあります。
植え方
ヤマゴケの植え方は移植が一般的です。2~3cmの塊に小分けした苔を、空気を含んだフワフワでやわらかい用土の上に置いていきます。苔と苔の間隔は10cmほど離し、ピンセットで植え付けましょう。やわらかい用土を使うことが定着成功のポイントです。
水やり
ヤマゴケを植え付けた直後約1カ月は、毎日水やりをしますが、定着したら水やりは控えめにして、少々乾き気味な環境を保ちます。苔が白っぽくなったら水やりをしましょう。乾燥が進むと褐色になり枯れることもありますが、水やりをして管理すれば復活することが多いです。
手入れのポイント
ヤマゴケは環境になじめれば、新芽を出すまでスピーディーです。植え付けた直後に枯れる場合がありますが、管理する環境に注意しながら手入れを続けると、復活することもあります。ただしヤマゴケがコロニー(集団)を形成するためには時間を必要とします。
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