はじめに
サギゴケは丈夫なことから、タイルの間などを覆うカバープランツとしてよく用いられます。一面に花を咲かせる姿には、思わずうっとりしてしまいますよね。また、常緑なので、花期以外にも葉っぱでお庭を引き立てます。
サギゴケの特徴
サギゴケはどのような特徴を持った植物なのでしょうか。また、コケではないのに「サキゴケ」という名前が付いているのも気になりますね。サギゴケの基本的な情報、名前の由来、増やし方についてご案内します。
基本情報
サギゴケは、ゴマノハグサ科(分類体系によってはサギゴケ科)の植物です。本州以南に広く分布し、田んぼの畔など、湿った場所を好みます。2cm程の白色の花を付けるのが特徴で、花期は4~5月です。多年生で、ロゼット(バラ)状の葉っぱを地表に形成して冬越しします。
名前の由来
白色の花が鳥の「サギ」に似ていること、地面を「コケ」のように覆うことから、「サギゴケ」と名付けられました。「シロサギゴケ」とも呼びます。英名はMiquel's mazusです。Miquelは植物学者の名前、mazusはサギゴケ科植物の総称で、「ミケルさんのサギゴケ」といった意味になります。
サギゴケの増やし方
サギゴケは種子の他に、イチゴやユキノシタのように、茎からランナーを延ばして繁殖します。ランナーの先端に子株がついているので、この子株を切り取って植え替えることで、増殖が可能です。湿った環境を好むため、土が乾燥しないよう注意して育てる必要があります。
サギゴケとムラサキサギゴケの違い
花の色の違い
では、サギゴケとムラサキサギゴケはどこが違うのでしょうか。実は、生える場所や花期といった生態、葉っぱの大きさといった形態に違いはありません。花期も共に3~4月です。両者を分ける点は花の色だけで、紫色ならムラサキサギゴケ、白色ならサギゴケとなります。
分類上の違い
分類上では、ムラサキサギゴケ(学名:Mazus miquelii)のうち、白い花をつける品種をサギゴケ(M.miquelii f. albiflorus)と呼んでいます。つまり、ムラサキサギゴケの中の一品種といった扱いです。日本語だと「サギゴケ」が基本形のような印象を受けるので、少しややこしいですね。
その他の類似植物との違い
きれいな花を付ける雑草トキワハゼも、サギゴケと似ています。よく見ると違いは多く、トキワハゼの花は約1cmと小柄で、花期も4~11月とサギゴケよりも長いです。また、一年生草本で冬越しをしないため、ロゼット状の葉っぱを作ることもありません。
まとめ
シロサギゴケの基本情報と、ムラサキサギゴケとの違いについてご紹介しました。花の色だけが違う、というのは大変シンプルですよね。なお、ピンク色の花を付ける種類もあり、シロサギゴケ同様、ムラサキサギゴケの中の一品種として扱われています。
出典:写真AC