アイリッシュモスとはどんな植物?
アイリッシュモスは、ガーデニングのグランドカバーとして使用される人気のある植物です。サギナとも呼ばれるこの植物の基本を知ると、育て方や増やし方に興味がわいてきます。特徴などを含め、アイリッシュモスをご紹介します。
基本情報
学名 | Sagina subulata |
英名 | Corsican pearlwort、Scotch Moss |
科名 | ナデシコ科 |
属名 | サギナ属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | ヨーロッパ |
草丈 | 10cm |
耐暑性 | 弱い |
耐寒性 | 強い |
小花をつけるナデシコ科
名前にモスとつくと苔の仲間という印象を持ちますが、アイリッシュモスはナデシコ科です。原産地のヨーロッパでは、アイリッシュモスは日陰のような環境下でもどんどん増えることから、「肥大した」という語源を持つ「サギナ」が属名につけられました。草丈は10cmほどの常緑性で、やわらかい葉をたくさんつけます。5月~8月に小花を咲かせる多年草です。
2種類のグリーン
アイリッシュモスの草の色は2種類あります。ライトグリーンと濃いグリーンです。色の変化には日光が関係しています。日当たりが良いと黄色みが強くなりライトグリーンになり、半日陰に置くと緑色が強くなり濃いグリーンになります。どちらも鮮やかな緑色で単品でも楽しめますし、他の植物と組み合わせることもでき、幅広く活用できます。
アイリッシュモスの名前の由来
流通名はふんわり感から
葉が羊毛のようにフワフワと柔らかく繁っていることから、羊毛の織物産業が盛んなスコットランドとアイルランドの地名にちなんで流通名がつけられました。ライトグリーンの流通名は「スコッチモス」、濃いグリーンの流通名は「アイリッシュモス」で出回っています。また、ふんわりとした手触りから「モフリッチ」という流通名もあります。
英名は真珠から
アイリッシュモスの小花は、点々と咲きます。その様子が真珠に似ていることから、英名の一部「pearlwort(パールワート)」と名付けられました。
アイリッシュモスの花言葉
アイリッシュモスの花言葉に、「可憐」と「小さな爪痕」があります。「可憐」は、白い小さな花姿が由来です。「小さな爪痕」は、アイリッシュモスの花が5弁でその形が細い爪に似ていることから花言葉がつけられました。
アイリッシュモスの育て方
アイリッシュモスは多年草の常緑性の植物なので、枯れなければ一年中美しい緑を観賞することができます。そこで、どのように育てれば枯れずに管理できるのか育て方のポイントをご紹介します。
育て方①育てる場所
涼しく乾燥した場所を好む
アイリッシュモスが好む場所は、涼しく乾燥した所です。気温が10℃前後になると、緩やかな成長になります。また、耐寒性が強い植物ですが、外の気温が5℃になったら、室内で管理しましょう。
屋外では半日陰
屋外で育てる場合は、半日陰になる場所を選びましょう。アイリッシュモスは、真夏の直射日光に当てすぎると、葉が焼けてしまうからです。半日陰となる場所がない場合は、日陰に移すか、遮光ネットか寒冷紗を使い半日陰に似た環境を作ります。
室内はエアコンに注意
室内では、日光が当たる場所を選びます。ただし、葉焼けの原因となるため直射日光は避け、カーテン越しに置きます。また、エアコンの風も、葉が痛む恐れがあるため、エアコンが直接当たらない場所で管理しましょう。
育て方②用土
用土は、水はけのよい土を用意してください。水はけの悪い土を使用すると、根腐れの原因になるからです。調合をする場合、目安として観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合で配合します。また、土の表面に赤玉土や鹿沼土、化粧砂などで覆うとコバエなどの害虫予防になります。
ボタニ子
次ページからは「育て方③植え付けと植え替え」について紹介します。