クラピアはグランドカバーに人気の植物
クラピアという植物をご存知ですか?ここ最近、芝生以外のグランドカバーとして人気を集めており「育てやすく、芝生より管理がしやすい」と評判です。この記事ではそんなクラピアのメリットからデメリットまで詳しくご紹介していきます。
基本情報
和名・商品名 | クラピア(スーパーイワダレソウ) |
学名 | Lippia nodiflora L. |
分類 | クマツヅラ科イワダレソウ属 |
日本で誕生した緑化・グランドカバープランツ
クラピアに注目が集まりだしたのは最近のことで、それもそのはず、この植物が品種登録がされたのは2008年です。宇都宮大学農学部雑草科学研究センターの故・倉持仁志先生が、日本の緑化のために10年もの月日を費やし、イワダレソウの品種改良に取り組みました。その末に誕生したのがクラピア(スーパーイワダレソウ)です。
品種は4つ
日本の庭をグランドカバーとして彩るクラピアの品種は、4つの種類が現在販売されています。いずれも品種登録され、種苗法によって保護されているものです。
人気No.1の「クラピアK5」
他の種類と比べても、緑が長い時間楽しめ、耐寒性と耐病性が高いことが人気の理由です。薄ピンク色のかわいらしい花を付ける品種ですが、他の種類と比べて花の量は少なめです。緑化目的で植えるのであればこちらがおすすめです。
庭のグランドカバーを早く完成させたいなら「クラピアS1」
もっとも成長スピードが速いのがクラピアS1といわれています。庭の地面が露出している部分や、芝生を貼ろうとしている広範囲の箇所などがある場合はこちらの種類がおすすめです。
グランドカバーで花も楽しみたい人には「クラピアS2」
グランドカバーとしておなじみの芝生との大きな違いは花を咲かせることともいえるでしょう。一面に広がる緑の中から小さな花が一面に咲く様子は美しいものです。花も楽しみたいという方には、こちらの種類がおすすめ。紫色の花をたっぷりと楽しめます。
満を持して誕生!ニューフェイスの「クラピアK7」
2019年に販売開始されたもっとも新しい種類のクラピアK7は、これまでの3品種のいいとこどりをして誕生しました。小ぶりでたくさん葉が茂るのが特徴で、クラピアの栽培に問題となりがちな耐病性もさらに向上しています。
ヒメイワダレソウ(リピア・リッピア)との違い
クラピアと非常によく似た植物に「ヒメイワダレソウ(別名リピア・リッピア)」と呼ばれるものがあります。その早い成長速度と手入れの簡単さから、グランドカバーにも用いられることもあります。両者にどのような違いがあるのでしょうか。
ヒメイワダレソウは外来植物
そっくりな見た目をしていますが、大きな違いは原産地にあります。ヒメイワダレソウ(リピア・リッピア)は南米アジアや東南アジアを原産地とする日本に持ち込まれた外来植物です。一方、クラピアの開発に使用されたイワダレソウは日本の固有種です。
こぼれ種がある
外来種であり、グランドカバーとして活躍するほどの強い繁殖力を持つ、ヒメイワダレソウ(リピア・リッピア)は種を作ります。そのため他の植物との交配を起こさないとは言い切れません。また種が自然と風や雨で広がり、想像もしない場所で繁殖することも考えられます。このようなことから、農林水産省から「重点対策外来種」に指定もされています。
クラピアは種を作らない
クラピアは種を作らいないF1品種として固定されています。そのため自然の植物との交配は起こりにくいでしょう。予定していた場所以外へ種を飛ばし、そこで広がることも起こりづらいと考えられます。
F1品種とは、異なる2つ以上の品種を掛け合わせて誕生した品種のことです。ハイブリット種などとも呼ばれ、よい性質を持つ品種を交配させながら品種改良を行う手法が主流となっています。
ヒメイワダレソウは外来植物ではありますが、個人の庭で管理できるのであれば心強い植物です。詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
クラピアについて少し詳しくなってきましたね。続いてはメリットやデメリットを見ていくことにしましょう。
その他の芝生以外のグランドカバーをご検討の方はこちらの記事をご参考くださいね。