ダイカンドラとは?
ダイカンドラは庭のグランドカバーや寄せ植えのハンギングに人気の多年草の植物です。アメリカやアジアを中心に12種類ほど分布しており、日本でもアオイゴケの和名がついているミクランサという品種が自生しています。日本で手に入る品種はミクランサ種とアルゲンテア種の2種類です。どちらも地面をはって広がる特徴は同じですが、好む環境に違いがあります。
基本情報
学名 | Dichondra |
別名 | アオイゴケ・ディコンドラ・ダイコンドラ |
科名 | ヒルガオ科 |
属名 | ディコンドラ属 |
原産地 | 北南アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・アジア |
特徴
ダイカンドラの一番の特徴は茎が地面をはって伸びることです。この特徴をいかしてグランドカバーとしてよく活用されています。ダイカンドラは環境さえあえば、地面にしっかり根付いて成長し、ほぼ手入れいらずの植物なので人気があります。
ダイカンドラのグランドカバーのメリット
ナチュラルガーデンやロックガーデンを簡単に作れるのがダイカンドラです。カーペットのように広がる庭はとてもきれいです。ダイカンドラはグランドカバーに向いている植物ですが、実際に植えるとどのようなメリットがあるか詳しくお伝えします。
メリット①雑草が生えにくい
ダイカンドラをグランドカバーにしたときのメリットは、雑草が生えにくくなることです。ダイカンドラは繁殖力がたいへん旺盛です。適した場所に植えれば地面をしっかりおおい、雑草を寄せつけにくくなります。まずしっかり種まきを行う前に雑草を取り除くことが大切です。もちろんダイカンドラが根付き地面が隠れるまでは雑草のチェックを行うようにしてください。
メリット②コストが抑えられる
ダイカンドラをグランドカバーにするメリットはコスト面もあります。芝生の代替えとして利用されることも多いので比較してみましょう。1㎡あたりの相場では、天然芝は500~1,000円ほど、人工芝は1,000~3,000円ほどになります。ミクランサ種は造園用の種があり約100円ほどでグランドカバーにできます。価格を抑えられてグランドカバーにできるのはうれしいですね。
メリット③手間がかからない
ダイカンドラはメンテナンスがほとんどいらないグランドカバーです。一度地面に定着した後は1年中葉を楽しめます。メンテナンスとしては、地面に根がはるまでの水やりと増えすぎたときに整えることだけなので、ほとんど手間がかかりません。手がかからず、すてきな庭が楽しめますよ。
ダイカンドラのグランドカバーのデメリット
ダイカンドラはグランドカバーに向いている植物ですが、残念ながらデメリットもあります。ダイカンドラを庭に植えるとどのようなデメリットが起こるのかご紹介しましょう。デメリットはありますが、対策をすれば解決もできるので一緒にご紹介します。
デメリット①増えすぎる
ダイカンドラのデメリットはなんといっても増えすぎることです。育つ環境があえば成長する速度が早く、増えすぎてしまいます。また種がたくさん作られるのでさらに増えやすいです。対策としておすすめなのは、種まきや植え付け前に「根止めフェンス」「根止めシート」で囲っておくことです。地下茎でどんどん広がるわけではなく、根は浅いため簡単に取り除けるので管理は難しくありません。
デメリット②芝生ほど踏圧は強くない
ダイカンドラはある程度の踏圧に耐えられるので、芝生の代替え品として利用されます。しかし芝生ほど踏圧には強くないので、グランドカバーにする場合には、飛び石など足の踏み場を作ることをおすすめします。
ダイカンドラの育て方
ダイカンドラは適した環境であれば、販売されている種で手軽にすくすく育ってくれます。ダイカンドラにはグリーンとシルバーの2種類があるので、グリーンの庭にするかシルバーの庭にするか作りたい庭のイメージや、庭の土質でダイカンドラの品種を決めましょう。切り戻しや冬越しについても紹介します。
育て方①環境
ダイカンドラの用土は一般的な腐葉土がいいでしょう。グランドカバーとしての根付いたあとの水やりは降雨のみで大丈夫です。肥料もほとんどいらない植物で、種まきや植え付けのときに元肥として緩効性肥料をあたえるといいでしょう。病害虫の心配もなくたいへん育てやすいです。植えたい環境にあった品種を選びましょう。
ボタニ子
ミクランサ種 | アルゲンテア種 | |
葉色 | 緑色 | 銀白色 |
好む土質 | 湿気がある | 乾燥している |
好む日当たり | 半日陰 | 日なた |
成長速度 | 早い | ミクランサ種より遅い |
ダイカンドラ・ミクランサとは
ミクランサ種は水草として取り扱われることもあり、湿度がある土壌を好みます。そのため日陰でもよく広がります。分布地域はアジアを中心に自生しており、日本では関東より西に自生している品種です。ミクランサ種をグランドカバーにすると、庭は明るいグリーンになります。
ダイカンドラ・アルゲンテアとは
アルゲンテア種はシルバーフォールズの名前で販売されています。乾燥に強いですが反対に加湿になると葉が黒くなり溶けてきますので注意が必要です。日当たりがよいほど葉の色は美しい銀白色になります。また葉と茎には細かい毛が生えています。おもにアメリカ南部の州とメキシコ北部の砂漠地帯の乾燥した地域に自生する品種です。
育て方②切り戻し
ダイカンドラは成長が早いので、茎が長く伸びすぎたら切り戻しをしましょう。よく伸びる環境であれば、年2~3回ほど切り戻して株を整えると、小さな葉がよくつき密集します。アルゲンテア種は株が湿気に弱く、蒸れないように風通しをよくしてください。
育て方③冬越し
ダイカンドラの冬越しはどんな管理が必要か見ていきましょう。基準となる気温は-1℃でそれ以下の気温になる地域では葉が枯れます。しかし、土が凍らなければ根は生きていますので、暖かくなればまた成長してくれます。土が凍ってしまう地域では、腐葉土やマルチングで保護して、冬越しの準備をしてください。
ダイカンドラの増やし方
ダイカンドラは種まき、株分け、さし芽で増やせます。簡単に増やるので、低価格で庭のグランドカバーがかないます。品種によって相性のよい環境が違うので気をつけてください。
増やし方①種まき
ダイカンドラの発芽適温は20℃以上のため、時期は4月中~6月ごろの春と、9月~10月ごろの秋が適しています。春は梅雨前、秋は霜にあたる前に種まきをしましょう。植えたい場所の土壌を軽く耕して種まきをし、軽く土をかぶせその後は発芽し根付くまで水切れしないように水やりをしてください。
増やし方②株分け
ダイカンドラが成長し株が大きくなりすぎたときには株分けを行いましょう。その株を利用して植え付けすれば、またダイカンドラを増やすことができます。植え付けの時期は春の3~4月ごろが適しています。
増やし方③さし芽
ダイカンドラは生命力が強い植物で、切り取った茎を地面に置くだけでも根が出て増えますが、土に植えるほうがしっかり根付いてくれます。生えそろわない場合に簡単にできるのでおすすめです。庭にさわやかな緑のじゅうたんを作りましょう。
まとめ
ダイカンドラは庭に一度定着すればグランドカバーとして管理しやすいので、庭がさわやかな緑のカーペットになりますよ。春から夏にかけて目立ちませんが、小さな花が控えめに咲きます。ダイコンドラをグランドカバーにしたときにはぜひ探してみてください。
日本で栽培される2種類のダイカンドラが好む環境の違いは、以下の表を参照ください。