ユウガオ(夕顔)は北アフリカを原産とするつる性植物で、平安時代に中国経由で日本へ渡来しました。名前は夏の夕方に咲く花が翌朝にはしぼんでしまうことが由来です。その様子から、はかない美女にたとえられ、平安時代の長編小説「源氏物語」にも、光源氏に愛された薄幸の美女の名前で登場しました。秋につける果実は漬物やカンピョウの原料になることで有名です。
園芸部類 | 草花 |
形態 | つる性植物、非耐寒性一年草 |
樹高・草丈 | 2m~3m(つるの長さ) |
花の色 | 白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
夏の開花時期になると、ラッパ型の花を咲かせます。夕方に咲き翌日の昼までに枯れてしまう性質から、「黄昏草(タソガレグサ)」という別名がつけられました。つるがよく伸び葉も旺盛に茂るため、緑のカーテンに利用されることも多い植物です。雌雄同株で、秋になると長さ60cm~90cmほどのウリ状の果実をつけます。カンピョウの材料になることで有名です。
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アサガオ(朝顔)は夏の花の代表格とされるつる性の草花です。ユウガオと同じく、つるがよく伸び葉がよく茂ることから、緑のカーテン作りに利用されています。青や赤など色彩豊富な花が朝に咲き、昼にしぼむのが特徴です。名前や見た目は似ていますが、植物学上はまったく異なります。ユウガオはウリ科ですが、アサガオはヒルガオ科の植物です。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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ヒョウタンはウリ科のつる性一年草で、ユウガオの仲間です。ユニークな形の果実は、容器に加工して水筒や酒の貯蔵に利用していました。つるがよく伸び果実も大きいため、棚や支柱に誘引して栽培します。古い昔から栽培されてきたため、種類が非常に多い植物です。一般にはヒョウタンの種類から苦味のないものを選抜し、分類したものがユウガオと考えられています。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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植え付け時期 | 4月~5月 |
花が咲く時期 | 7月~9月 |
実がなる時期 | 7月~9月 |
収穫時期 | 7月~9月頃 |
ユウガオの植え付けの適期は4月~5月です。なかでも完全に寒さが去る5月中が最適期とされています。ユウガオは耐寒性が弱く、よく育つ温度は18℃~28℃です。霜の心配が完全に消える5月が植え付けの最適期にあたります。ユウガオの苗が出回る時期も5月~8月です。種まきは発芽させるまでの管理が難しいため、苗を購入し、すぐに植え付ける方法がよいでしょう。
ユウガオは日当たりと水はけがよく、温度を高くたもつことができれば、鉢植えやプランター、地植えのどちらでも問題ありません。また、つる性植物なので支柱や棚などに誘引する必要があります。このため鉢植え・プランターでも地植えでも、広くスペースをとりましょう。
ユウガオの栽培に理想的な環境は、日当たりと水はけがよい場所です。病気や害虫を防ぐためには風通しのよさも必要ですが、ユウガオは栽培の適温が18℃~28℃と暖かい温度を好みます。冷たい雨や風が当たらないように注意しましょう。
ウリ科の植物には連作障害を起こしやすい特徴があります。ユウガオも例にもれません。ユウガオは一年草なので植え替えの必要はありませんが、一度ユウガオを栽培した場所には、最低でも3年は同じウリ科の植物を栽培しないようにしましょう。
ユウガオを地植えする場合、畝の高さは10cm、幅は0.8m~1mほどに作り、株同士の間隔が70cm~80cmほどあくように植え付けていきます。ユウガオはつるを3m以上に伸ばすため、広めのスペースをとって育てるのが基本です。
ユウガオが好む用土は、中性~弱アルカリ性の水はけがよい用土です。鉢植え・プランターの場合は赤玉土(小粒)5:腐葉土5の割合で作った用土、または市販の野菜用培養土を使いましょう。地植えの場合は植え付ける2週間前の庭土に苦土石灰を混ぜ込んで酸度調整し、さらに1週間前に腐葉土を混ぜ込んで、水はけをよくします。
ユウガオを植え付ける際に、元肥として野菜用の化成肥料を土に混ぜ込んでおきます。肥料はユウガオの実を大きくするために、リン酸が多めの肥料がおすすめです。
ユウガオの水やりは、植え付け後と実が大きくなる時期に水切れを起こさないように注意しましょう。特に実が大きくなる時期に水切れを起こすと、実の成長が止まってしまいます。ただし水のやり過ぎも、つるの弱体化や葉の茂り過ぎの原因になります。鉢・プランター栽培の場合は、土が乾いてから水やりしましょう。地植えの場合は、乾燥がひどい時期以外は水やり不要です。
ユウガオはつる性植物なので、栽培管理には支柱や棚が必要です。鉢植えはあんどん支柱、プランターや地植えはネットや支柱、棚を立ててつるを誘引しましょう。苗を植え付け後にすぐに用意し、上に向かって徐々につるが伸びるように仕立てます。
ユウガオの追肥は、実がピンポン玉くらいの大きさになったときに行います。肥料は元肥と同じ化成肥料がよいでしょう。その後は果実の育ち具合をみて、あまり大きくなっていない場合は、2週間後にもう一度肥料を与えます。
ユウガオは夜~翌日の昼と開花期間が非常に短い植物です。実を確実につけたいなら人工授粉を行いましょう。ユウガオの人工授粉方法は「花合わせ」が一般的です。花合わせの授粉方法は、雄花を摘んで花びらを取り除き、花粉のついた部分を雌花の柱頭に軽くこすりつけます。実の大きさが40cmくらいに成長したら収穫しましょう。
ユウガオは病気や害虫に強い植物ですが、炭そ病には注意が必要です。炭そ病は果実にも影響するうえに、一度かかると回復できません。病気にかかった部分を発見したら、病気が広がらないように早急に切り落としましょう。炭そ病は湿気と水はけの悪い土が原因で発生することが多いです。雨などで泥はねしないように、株元を敷きわらでマルチングします。
ユウガオで注意すべき害虫はアブラムシです。アブラムシが大量発生してしまうと、株が養分を奪われて衰弱してしまいます。発見次第駆除しましょう。数が少ない場合は木酢液や牛乳スプレーを、すでに大量発生した場合は殺虫剤を散布します。
ユウガオの種を育苗箱に2cmほどの間隔でまき、薄く土をかぶせます。ユウガオの種は25℃~30℃の温度がないと発芽しません。保温に注意し、水を切らさないように管理します。
ユウガオの苗植えは、鉢植えなら10号サイズで30cm以上の深さがある鉢に1株、プランターなら深型プランターに2株が、植え付けの目安です。植え付け後は支柱やネットを付近に配置して、つるを誘引できるように準備しましょう。
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ユウガオの植え付け方法は、種まきと苗植えの2種類があります。しかし種まきは発芽までの管理が難しいため、苗植えがおすすめです。ユウガオの苗は5月~8月に出回ります。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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出典:写真AC