オレガノの育て方
オレガノはヨーロッパから中央アジアにかけて、乾燥地帯で育つハーブです。そのため、日本の梅雨や夏の湿気に弱く、水やりなどの管理をおこたると病気になる恐れがあります。その反面、湿気さえ上手に管理すれば元気に育ちます。
オレガノの育て方①用土
オレガノは酸性土壌を嫌います。地植えにする場合は日当たり・風通しのよい場所に苦土石灰を混ぜておき、赤玉6と腐葉土2・堆肥2で植えましょう。水はけがわるい場所は、これに砂などを加えます。鉢に植える場合は鉢底石を容積の3分の1入れます。
オレガノの育て方②種まき
オレガノは発芽温度が15℃~20℃が適温とされます。この温度が保てるなら、いつでも種まきが可能です。基本的には3月中旬~4月と、9月いっぱいです。オレガノの種はとても細かいので紙に移し、種同士が重ならないように土へまきましょう。地植えのオレガノは、こぼれ種からも発芽します。
オレガノの育て方③肥料
オレガノは基本的に肥料を必要としません。やせた土地は植えるときに腐葉土を加えるだけにします。ただし、プランターなど土の容積が小さい場合、根を伸ばす空間も狭いので適量の肥料を与えます。葉や茎の色が悪く、病気や害虫に弱くなってきたら肥料不足のサインです。反対に葉が焼けたような色になったり、成長期の夏に大きくならなかったりしたときは肥料過多と考えましょう。
肥料は控えめに
オレガノは肥料が多いと香りが弱くなったり、茎が伸びすぎ枯れたりするなどの障害があらわれます。葉を茂らせる窒素が多い肥料を与えると、オレガノは蒸れやすくなるので控えましょう。肥料は草木灰などに含まれるカリを与えれば十分です。
オレガノの育て方④水やり
オレガノはヨーロッパが原産地なので、高温多湿が苦手です。水やりは地植えであれば自然環境に任せて、鉢植えは表土が乾いて白っぽくなったら底から流れ出るくらい与えます。土が乾いて空気を取り入れられる状態のほうが元気に育ちますので、水やりは夏でも3日ほど間隔を空けて様子をみましょう。
オレガノの育て方⑤植え付けと植え替え
オレガノはどの種類でも梅雨と夏の移植を嫌います。よい時期は4月~5月下旬、それに9月中旬~10月中旬です。地植えする場所は日がよく当たるのが理想ですが、明るい半日陰でも大丈夫です。成長すると大きく茂るので、植えるときには株同士が混み合わないように、間を30cm~50cmほどは空けておきましょう。鉢に植えた場合は数年で根詰まりを起こすので、株分けをかねて植え替えを行う必要があります。
オレガノの育て方⑥剪定と切り戻し
オレガノの剪定は梅雨になる前までに行います。収穫をするつもりで茎を剪定してすかせておけば、風の通りがよくなり蒸れてカビが生える心配も減らせます。オレガノは回復が早く茎を剪定してもすぐに茂るので、様子を観察して数回切りましょう。花オレガノの種類では花後に切り戻しをすると、何回も花を咲かせてくれます。
オレガノの育て方⑦病気
オレガノは夏の多湿でカビが生え、根元から腐って葉が枯れることがあります。症状が軽症であれば殺菌剤を散布すると改善しますが、ひどい場合にはほかの株に移らないように株ごと引き抜いてしまいます。予防には梅雨から夏前に剪定をしましょう。
カビの予防には
オレガノを地植えするときに間隔を取らないと、蒸れてカビが生えやすくなります。オレガノは地下茎でも増えるので、開花の時期(7月~8月)に収穫をかねて切り戻しをすると良いでしょう。
オレガノの育て方⑧害虫
オレガノに付く害虫はアブラムシです。桜が咲く春先に発生するので、見つけたら手や歯ブラシなどで取り除くようにしましょう。料理や入浴に使うならば、牛乳をスプレーすると凝固して駆除できます。予防方法としてはキラキラしたものをアブラムシが嫌う特徴があるので、地植え・鉢植え共にシルバーマルチやアブラムシ除け銀色テープなどを利用してもよいです。
オレガノの育て方⑨冬越し
オレガノは夏の湿気には弱いのですが、冬の寒さには強く−10℃ほどまで耐えられる特徴があります。地植えのオレガノに雪が積もっても心配ありませんが、根が傷まないように株元はワラや腐葉土で暖かくしておくとよいでしょう。風が吹き付ける場所には、よしずなどで風除けをします。
冬は休眠期間
冬の時期の鉢に植えたオレガノは、霜が降りる地域であれば軒下で管理するか、室内へ移動します。オレガノも寒い期間は成長が止まり休眠するので、水やりはほとんど必要ありません。枝や葉は枯れることもあるので、短く切り戻しておくと見た目がよいでしょう。
次のページでは、オレガノの増やし方をご紹介します。
オレガノの増やし方
オレガノの増やし方は剪定や切り戻しの枝を利用して、挿し木をするのが一番簡単です。また地植えで大きく育ったオレガノは、どの種類でも株分けという増やし方ができます。どちらの増やし方も元気でよい香りの株を選べば、同じ株がたくさん育つわけです。それでは挿し木と株分けの準備をしましょう。
オレガノの増やし方①時期
オレガノの挿し木に適した時期は、寒い真冬と夏を避ければいつでも可能です。簡単に根が出るので、挿し木が初めてでも難しくはありません。株分けをする場合は、3月上旬~4月上旬に行います。
オレガノの増やし方②用土
オレガノの挿し木には、小粒の赤玉土を用います。どんな土でも挿し木は可能ですが、注意してほしいのは清潔であることです。使いまわしをした土には雑菌が潜んでいるので、病気やカビの原因となります。使った土は晴れた日に新聞紙の上に広げて、日光消毒をすれば大丈夫です。
オレガノの増やし方③挿し木
オレガノを挿し木にするときは茎を10cmほど切り戻し、水に1時間つけてから、水分を含ませた赤玉土に挿して半日陰に置きます。茎の下部はよく切れるカッターナイフで斜めに切り落とし、葉は4枚~5枚を残して取り除きます。その理由は葉が多く残っていると植物の特徴として光合成が行われ、オレガノが根を出す元気をなくすためです。
オレガノの増やし方④株分け
オレガノの株分けは根を傷つけないように堀りあげ、2株~3株を目安に分けて植え付けます。茶色い古い根は整理しておき、茎も茂りすぎていれば剪定をして切り詰めましょう。植えた直後は新しい根が出るように水やりはたっぷりと、新芽が出るまで半日陰で管理します。
根づくまではしっかり水やりを
挿し木の場合も同様ですが、オレガノを増やすときは根がしっかりとするまで乾燥は禁物です。水やりを欠かさないように、土や葉の様子を観察しましょう。
まとめ
オレガノは小さなピンク色の花が愛らしいハーブです。料理にもバスタイムにも利用でき、その香りは幸せを感じさせてくれます。園芸用の種類のオレガノは見た目の華やかさが魅力でしょう。どちらのオレガノも毎日の生活にうるおいを添えてくれるハーブです。
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出典:写真AC