家庭菜園で人気な「バジル」
バジルは、初心者でも家庭菜園で栽培できる手頃なハーブです。トマトやニンニクとも相性抜群で、イタリア料理には欠かせないハーブです。今回は、育て方や食べごろの見分けかた、バジルの正しい摘み方や切り方などをご紹介していきます。
バジルの基本情報
バジルの品種
スイートバジル
バジルの種類で、もっともポピュラーと言われているのがこの「スイートバジル」です。よく園芸店やホームセンターで販売されているバジルはスイートバジルが主です。葉は柔らかく、大きめです。甘みがある爽やかな香りが特徴のハーブで、イタリア料理に用いられます。
レモンバジル
レモンバジルは、「シトラスバジル」という名前で売られていることもあります。名前の通り、食べてみるとスイートバジルに似た風味のあとに、柑橘系の味わいが広がります。魚や鳥料理に相性がよく、ハーブティーとしても用いられます。葉の大きさはスイートバジルに比べやや小さく、若干ギザギザしています。
ホーリーバジル
ホーリーバジルは、タイでは「ガパオ」と呼ばれています。少し前に流行ったガパオライスのガパオは、ホーリーバジルのことだったんです!葉の大きさはスイートバジルよりやや小さく、楕円形で、ギザギザしているのが特徴です。稀に葉の色が紫がかったものもあり、炒める料理の香り付けとして用いられます。
シナモンバジル
シナモンバジルは、名のとおりシナモンに似た香りが特徴です。クッキーなどの菓子類や、アロマオイル、ハーブティーとして用いられます。葉の大きさは小ぶりですが、とても香りがいいので花を咲かせて観賞用としても楽しめます。
バジルの育て方
バジルは、日当たりがよく水はけの良い場所を好みます。草丈は大きくなれば50cm~80cmほどと、そこそこ大きさもあるので、植える場所はきちんと選びましょう。
バジルの栽培スケジュール
バジルの弱点と対策
バジルは初心者でも育てやすいハーブとして有名ですが、弱点もあります。
- 水分が不足すると葉が硬くなる
- アブラムシに食われやすい
- 栄養不足になると変色する
対策①水分不足にしないための「水やり」
バジルは、土が乾燥すると葉が硬くなりやすいので、毎日土がしっかり湿る程度に水やりをします。夏場は特に土が乾燥しやすいので、朝夕2回たっぷり水やりをしましょう。
対策②アブラムシに食われないための防除
アブラムシは、新芽や茎にくっついて養分を吸い取ってしまいます。放置していると、枯れてしまうため、見つけたらマメに粘着テープなどで取りましょう。大量発生してしまった場合には、アブラムシ対策のスプレーを使うと効果的です。
対策③変色チェックで「追肥」を実施
バジルの葉が、黄色っぽくなってきたら、栄養が不足しているサインです。土に近い、下から黄色くなることが多いです。そうなったら早めに追肥しましょう。肥料の与えすぎは肥料焼けを起こすこともあるので、必ず適正量、必要なときにあげるようにしてください。
バジルの育て方のポイント
- 日当たりがよく水はけのいい場所に植える
- 水やりを適切に行う
- アブラムシの対策をする
- 追肥タイミングをしっかり見極める
バジルの摘芯
そもそも「摘芯」ってなに?
摘芯は、株を増やすための作業です。まっすぐ伸びた株を途中で切ることによって、脇芽が出て株が増え、1本で育てるより何倍も収穫することができます。伸びている芽を切るのは可哀想と思うかもしれませんが、この作業こそバジル栽培では鍵を握っています。バジルに限らず、摘芯は野菜や花を栽培する上でとても大切な作業のひとつです。
バジルの摘芯
バジルは草丈が20cmを超えた頃に、摘芯を行います。摘芯を行わず、そのまま葉だけを収穫してしまうとそれっきりになってしまうので、摘芯をして脇芽を増やしましょう。バジルは、収穫時期が10月ごろまでと長く楽しめる上、この摘芯を正確に行うことで、どんどん脇芽が出て、収穫量を増やすことができます。
バジル摘芯のポイント
- 摘芯をすることで上に伸びすぎることを防ぐ
- 摘芯をすると脇芽が増えて、収穫量が多くなる
- 収穫時期は摘芯と収穫を同時で行う
バジルの収穫のタイミング
収穫の時期は、だいたい植え付けから30~40日、草丈20cmが目安です。栽培スケジュールで言えば6月~10月頃になります。
食べごろなバジルを収穫しよう!
バジルは、あっという間に草丈が伸び、花芽をつけます。花芽がつくと、葉の部分は栄養が行かなくなり硬くなってしまうので、花芽がついたら花芽の部分を摘芯します。バジルの食べごろは、花芽がつく前がベストです。もしついてしまっても、すぐに摘芯すれば、大丈夫ですよ。
バジルの花芽
バジルの収穫における注意点
注意!絶対にやってはいけない収穫方法
バジルの収穫において、やってはいけないこと、それは、「葉だけを千切って収穫する」ことです。葉だけをたくさん収穫してしまうと光合成ができなくなり、すべて枯れてしまいます。バジルの収穫は、「茎ごと」行うことが鉄則です。
バジルの収穫の仕方
バジルは茎ごと切って収穫しますが、切り方としては
- 手摘みする
- はさみでカットする
手摘みで収穫
手摘みで収穫する場合、手軽というメリットがありますが、茎葉を摘む際に葉の表面をこすってしまったり、茎が裂けてしまうことがあります。葉の部分は、すぐ食べる、調理する場合は向いていますが、数日保管したい場合は不向きです。
はさみで収穫
バジルの摘芯でご紹介したように、はさみでカットが一番葉も傷つけず、脇芽を増やしながら収穫ができるため、はさみでカットする収穫方法がおすすめといえます。茎ごとカットするため、小さな花瓶などに生けておけば、数日間保管も可能です。
バジルはどこから収穫すればいい?
バジルの収穫のとき、どういう切り方が適切か?と迷うことありませんか?長く収穫を楽しみたいのであれば、下から葉を一枚一枚収穫し、葉が少なくなってきたら脇芽のあたりを切ることで、脇芽が伸びて、また収穫することができます。やみくもに切ってしまうと、脇芽も一緒にとってしまったりするので、注意が必要です。
バジルの収穫方法の動画
バジル収穫の仕方
- 手で葉だけ千切ることはしない
- 下から葉を切っていく
- 葉が少なくなったら、脇芽のあたりでカットする
- 手摘みの場合は茎や葉を傷つけないように気をつける
まとめ
いかがでしたか?初心者でも簡単に栽培が可能で、料理にも使えるバジルはとても人気がありますよね。バジルの弱点や、収穫や摘芯のタイミングを知ることで、たくさんのバジルを長く栽培していくことができます。摘み方や、どこから切ればいいのかなど、わからなくなってしまったらぜひこの記事を参考に、バジル栽培を楽しんでくださいね。
これはバジルではありませんが、アブラムシがつくとこうなります。