ルッコラとは
ルッコラとはロケットとも呼ばれるハーブです。ローマ帝国の時代から栽培されてきました。香りづけや臭みけしなどに使われるというよりは、生食でサラダや加熱して料理し、ルッコラそのものを楽しむ葉野菜です。育て方は簡単なので初心者でも安心して栽培できます。香りはゴマに似て香ばしく、味は少しピリッとした刺激があります。
基本情報
学名 | eruca vesicaria |
原産地 | 地中海地方 |
科属 | アブラナ科 キバナスズシロ属 |
形態 | 一年草 |
草丈 | 20~100cm |
栄養素 | ベータカロテン カリウム カルシウム マグネシウム など |
花 | 淡いクリーム色 紫の縞模様 |
別名 | ロケット アリギュラ キバナスズシロ |
ルッコラの育て方
ルッコラの育て方は、家庭菜園やプランター、室内などで種をまいて栽培します。春まき栽培と秋まき栽培があり、真夏や真冬以外は栽培できます。春まき栽培は種をまいてからおよそ30日で、秋まき栽培は40日で収穫できますが、秋まき栽培のほうが害虫被害が少ないので初心者にはおすすめです。晩秋だと60日くらいです。
ルッコラの育て方①栽培方法
ルッコラの栽培方法は種をまく土の準備を2週間前くらいにしておくのがポイントです。家庭菜園か、プランターか室内栽培なのかによって変わってきます。葉を楽しむハーブですが、花を咲かせると葉や茎が固くなるので摘蕾を行います。花が咲く前につぼみをカットする方法です。これをおこなうとやわらかい葉を栽培できます。
家庭菜園
種をまく2週間くらい前に苦土石灰と化成肥料をすきこみ、10cmくらいの畝を作ります。水はけをよくするためです。たっぷり水を土にふくませてから種まきをします。湿度を嫌いますので長雨が続くようであれば、支柱を立てて寒冷紗で雨除けトンネルを作ります。間引きや収穫のタイミングで追肥をしましょう。
プランター
鉢植えの場合は直径が20cm以上あるものを、縦長のプランターなら60cmくらいの長さがおすすめです。市販の培養土を使用するとよいでしょう。プランターの8割くらいまで土をいれ、種まきをします。ばらまきしたあとふるいなどで軽く土をかけ、じょうろを上向きにして種が流れないように水やりをします。発芽まで水を切らさないようにしましょう。
室内
ルッコラは丈夫なので、湿度と日当たりの管理さえできれば、室内栽培も楽しめます。種まきの要領はプランターと同じです。ペットボトルをカットしたものや、小さい植木鉢でも育てられます。緑のインテリアとしてキッチンに置いても素敵です。屋外での栽培と違って、害虫被害にあいにくいのが室内栽培のメリットです。
ルッコラの育て方②間引き
ルッコラは種まきから1週間くらいで発芽します。発芽温度は-5~40℃です。発芽したなかで、曲がったり育ちがよくなかったりするものを指やピンセットで半分くらい間引きします。2回目は本葉が4~5枚でてからです。しっかり元気に育ったものを残します。間引きした葉はベビーリーフとして食べながら半分くらいになるまで少しづつ間引くとよいでしょう。
ルッコラの育て方③収穫
ルッコラの収穫は根から抜くのと、外葉をカットする2種類です。プランターや室内で栽培している場合は、外葉をカットする方法のほうが長く収穫できます。15cmを超えたくらいで収穫ができます。ルッコラは湿度を嫌いますので、春まき栽培で家庭菜園の場合は梅雨まえに収穫してしまうのがおすすめです。
ルッコラの育て方④水やり
ルッコラは多湿を嫌います。種まきから発芽するまでは水を切らさないようにして、発芽したら土が乾いてからの水やりに切り替えます。春まき栽培のほうが温度が高いので水やりの回数は多いです。秋まき栽培は乾くのが遅いので、土の状態に注意して乾いてからをこころがけます。風通しのよい場所で管理しましょう。
ルッコラの育て方⑤日当たり
ルッコラは日当たりがよい場所でよく育ちます。特に、室内栽培の場合は窓際の日当たりのよい場所に置きましょう。ただし、夏の直射日光は葉が固くなってしまいますので、移動できる場合は半日陰や直射日光が当たらない場所へ置きます。家庭菜園の場合は、遮光ネットなどを張って3割くらいを遮光するとよいです。
ルッコラのかかりやすい病害虫
人間が食べてもおいしいルッコラは虫にもごちそうで、家庭菜園やベランダのプランター栽培の場合、どうしても被害が出てしまいます。また、水のやりすぎや、風通しの悪さから細菌が発生し、病気になってしまうこともあります。間引きや水やり、収穫のタイミングで日々よく観察し、発見をはやくして病害虫からルッコラを守りましょう。
病気
ルッコラがかかりやすい病気は、菌核病、白さび病、立ち枯れ病、軟腐病などです。原因がわからない病気もありますが、引き金となるのは水のやりすぎです。土が多湿になり細菌が発生します。また、連作障害にも弱いので、同じ場所での栽培は避けます。プランターの土は太陽熱消毒したり、家庭菜園は場所を変えたりしましょう。
害虫
ルッコラにつく害虫は、アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、ダイコンハムシなどです。室内栽培の場合は葉を食べてしまう害虫はつきにくいですが、アブラムシは何故か発生することがあります。見つけ次第、葉ごと除去しましょう。家庭菜園やプランターの場合、今いる害虫を除去したあと、防虫ネットを張ります。ヨトウムシは夜行性です。
ルッコラの食べ方
ルッコラは生食でサラダや、間引きした葉をベビーリーフとして食べるのが一般的ですが、加熱してもおいしくいただけます。生食をする場合は葉が柔らかい若いうちに収穫したものを使い、加熱する場合、成長して味、食感ともにしっかりしたものを使うのがおすすめです。実は花も食べられますので、摘蕾しない株を作っておいてもよいでしょう。
生食
ルッコラだけでもサラダができますが他の食材と合わせてもアクセントとしておいしくいただけます。アボカドとクリームチーズ、ルッコラを生ハムでまいて、ブラックペッパーをかけるとワインのおともになります。みじん切りにした玉ねぎとルッコラにライムを絞り塩コショウをして、ソースとしても白身魚のフライと相性がよいです。
加熱
加熱しすぎると食感やビタミンが損なわれますので、さっと火が通る程度が理想的です。ゆでたエビとカットしたモッツアレラチーズ、ルッコラを生クリーム入りのとき卵でオムレツにするとパンとの相性がよいです。洋食だけでなく、ルッコラとお揚げ、ヒラタケとエノキダケの煮びたしにしても箸休めにおいしくいただけます。
まとめ
栽培方法を選べば、ほぼ1年中栽培できる初心者向けのハーブ、ルッコラの育て方や食べ方をご紹介しました。ルッコラはおいしいだけでなく、ビタミンも豊富に含まれます。辛み成分に含まれるアリルイソチオシアネートはがん予防や血栓予防にも役立ちます。間引きした葉もおいしく、ハーブ入門編としておすすめですので、ぜひ挑戦してみてください。
出典:flickr