はじめに
家庭菜園やキッチンガーデンなどでミントを植えている方も多いことでしょう。ミントはとても生命力の強いハーブなので、手入れも簡単です。そしてあっという間に増えてしまい驚かれることもあるほどです。この記事ではそんなミントの葉の使い方をご紹介していきます。
ミントの種類
ミントと一口に言ってもその種類は多岐に渡ります。ミントの種類によって活用方法やその効能が変わることもあるので、一度自分の庭に植わっているミントの種類を確認しておくとよいでしょう。
①スペアミント
「ミドリハッカ」などとも呼ばれ、ハーブとして古い歴史を持つミントの1つです。このスペアミントから抽出された精油は歯磨き粉やチューインガムの香料としても用いられています。歯磨き粉を思い浮かべればその香りも想像しやすいでしょう。
②ペパーミント
「セイヨウハッカ」とも呼ばれるペパーミントはまさにミントの代表格です。香りが強く、防虫効果も期待できることから虫除けスプレー、ペパーミントティーなどに利用されています。アロマオイルなどでも人気の香りの1つです。
③アップルミント
「マルバハッカ」と呼ばれることからも分かるように、丸い形をした葉が特徴です。その名の通り、リンゴとハッカを合わせたような甘くさわやかな香りが特徴です。その香りのよさからアップルミントティーや入浴剤、ポプリなどへ活用されることが多いでしょう。
④パイナップルミント
先述した上記3品種と比べるとやや知名度の下がるパイナップルミントはアップルミントの改良によって誕生した品種です。その名の通り、わずかなパイナップルの香りが特徴です。見た目に関しては、葉に斑が入っており、ガーデニングなどではカラーリーフとしても人気です。こちらも他の品種同様、お茶に活用されたり、特徴的な香りを生かして料理にしたり活用されています。
⑤ペニーロイヤルミント
他の品種と比べて背丈が低く、匍匐(ほふく)して伸びるので、グランドカバーによく利用されます。ペパーミントよりも香りが強く、庭の害虫除け、虫除けに活用されます。
⑥ウォーターミント
名前が表すように、水が多い場所を好みます。沼地に自生することから「ヌマハッカ」などとも呼ばれます。ペパーミントはこのウォーターミントから作られた品種なので、ペパーミントよりも強い香りを持つ特徴があり、その香りを生かして料理やハーブとして活用されています。
⑦ボウルズミント
数あるミントの品種の中で、背丈が高くボリュームのある品種の1つです。アップルミントとスペアミントの交配から誕生し、両者の香りを引き継いだ優しく甘い、さわやかな香りが特徴です。この香りのよさからミントティーやお酒などの香料に好んで使用されています。
ミントの葉の使い方①精油
アロマオイルなどでも有名なミントですが、このミントのアロマオイル(精油)を一から抽出するのは装置をそろえるのが困難であるため、ハードルが高いものとなります。精油=エッセンシャルオイルを望む方は購入するのが一番の近道と言えるでしょう。しかし、精油ほどの純度を求めないのであれば、アルコールを用いて簡単にハーブチンキを作れます。
ミントチンキの作り方
用意するもの
- ウォッカなどアルコール度数が高いもの
- 密閉できる瓶
- ドライミント
簡単な作り方
- 密閉瓶の中を熱湯消毒し、完全に乾燥させる。
- ドライミントを細かく粉砕し、瓶の8分目まで入れる。
- ミントが十分に浸る量のアルコールを加える。
- アルミホイルで瓶を包んで遮光する。
- 1日1回瓶を軽く振って混ぜる。
- 冷暗所で5~6日保存すれば抽出完了。
ミントチンキの活用方法
お茶やお酒にスプーン1杯ほどのミントチンキを加えれば、たちまちミントのすがすがしい香りをプラスできます。枕やマスクなどに1滴たらせば気になる匂いもマスキングできるでしょう。服にスプレーすれば虫除けとしての効果も期待できます。工夫次第で生活にミントフレーバーを気軽に取り込める便利なミントの活用方法です。
ミントの葉の使い方②お茶
続いてのミントの葉の使い方はお茶、「ミントティー」です。自宅の庭などでミントの葉がたっぷり採れたときは何といってもミントティーがおすすめです。ミントの香りがもたらしてくれる効能の「リラックス」が体感できる使い方です。
用意するもの
- 急須などのお茶を入れるポット
- ミントの葉
簡単な作り方
- ミントの葉を茎からはずし、軽く洗う。
- お湯を沸かす。
- ミントの葉をちぎりながらポットに入れる。
- 沸騰したお湯を注ぐ。
- ポットに蓋をして、5分ほど抽出する。
- カップに注げば完成。
ミントのよい香りでリラックスできる体に優しいお茶もこんなに簡単にいれられます。他のハーブと組み合わせて、自分オリジナルのハーブティーを楽しんでもよいでしょう。ミントの味や香りをふんだんに味わいたい方はお好みで葉の量を増やしてください。
ミントの葉の使い方③料理
お茶やアロマオイルとしてのイメージが強いミントですが、実はベトナムなどのアジア圏ではミントは料理に欠かせないハーブの1つです。特に夏の暑い時期などには、ミントの清涼感あふれる香りが落ちがちな食欲を呼び戻してくれます。ミントの効能には疲労回復もうたわれています。
ミント料理①生春巻き
ベトナム料理でミントを使う料理の代表的なものが生春巻きです。エビや豚肉などとたっぷりの野菜、ハーブを一緒に巻いていただくヘルシーなメニューです。
生春巻きの材料
- ライスペーパー
- レタス
- にんじん
- きゅうり
- ボイルしたエビ
- ソテーした豚バラスライス
- ミント
- スイートチリソース
生春巻きの簡単な作り方
- 野菜をすべて千切りにしておく。
- ミントは茎から葉をとり、軽く洗っておく。
- ライスペーパーを水に浸し、柔らかくなったところで、お好みの具材とハーブを手前にのせて巻く。
- スイートチリソースをつけて召し上がれ。
ミント料理②ミントのヨーグルトソース
揚げ物や肉料理にぴったりなのがミントのヨーグルトソースです。作り方も簡単で、マンネリしがちなメニューもこのミントソースにするだけで一気に異国情緒あふれるエスニック料理に変身させられます。
ミントのヨーグルトソースの材料
- ヨーグルト
- ミントの葉
- 青唐辛子
- ニンニク
- 生姜
- 塩
ミントのヨーグルトソースの簡単な作り方
- ヨーグルトをキッチンペーパーをしいたザルにあけて水を切る(最初からギリシアヨーグルトなど水切りヨーグルトを用意してもOK)。
- ミントの葉、青唐辛子をみじん切りにする。
- ニンニク、生姜はすりおろす。
- すべての材料をお好みでブレンド、青唐辛子は辛味が強いので特に様子を見ながら加える。
- 最後に塩コショウで味つけすれば完成。
ミントの葉の使い方は無限大!
あっという間に庭に生い茂ってしまうミントの葉も使い方次第では大量消費も可能なことがお分かりいただけたことでしょう。ミントと1口に言っても種類はさまざまで、用途に合わせて種類を選ぶ楽しみもありましたね。ミントのさわやかな香りによって得られる効能、「リラックス」や「疲労回復」は現代人の我々にはありがたいものです。
出典:写真AC