ローゼルとは
ハイビスカスティーの赤い色を作り出すのは、実はハイビスカスの花ではなく、ローゼルという植物の萼(がく)です。ローゼルは栄養豊富で用途も幅広く世界中で広く栽培されています。そんなローゼルの植物としての特徴を見ていきましょう。
基本情報
和名 | ローゼル ロゼリ草 ローゼリ草 |
学名 | Hibiscus sabdariffa |
英名 | Roselle Jamaica red sorrel Indian red sorrel |
生薬名 | 洛神花(ラクシンカ) |
科 | アオイ科 Malvaceae |
属 | フヨウ属 Hibiscus |
形態 | 一年草または多年草 |
原産 | 西アフリカ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
分布
ローゼルは暑さを好むトロピカル植物で、世界中の熱帯地域に分布し、各地で栽培され食用として利用されています。17世紀の奴隷貿易にともなって西インド諸島や中南米にオクラなどの野菜とともに伝わり、栽培されるようになったといわれます。
ローゼルとハイビスカスの違い
ローゼルで作る赤いお茶を一般的にハイビスカスティーと呼び、つける花もよく似ているので混同することが多いのですが、両者は別の植物です。ローゼルとハイビスカスはともにアオイ科フヨウ属の植物で、ローゼルは一年草または多年草として食用になりますが、ハイビスカスは非耐寒性常緑低木に分類され観賞用です。
植物としての特徴
ローゼルの茎は赤紫色で滑らかな表皮をもちます。草丈は100~200cmほどになり、茎が直立します。葉は互生し、長い葉柄に3または5深裂する楕円形の葉が手のひらを広げたようにつきます。茎の赤紫色と、葉の緑色のコントラストが印相的な植物です。日本では冬越しできないため一年草として、冬越しできれば多年草として扱われます。
開花時期
ローゼルが開花するのは9~11月にかけてです。上部にある葉のつけ根に、透明感のある淡い黄色~白っぽいピンクの花をつけます。花径は約10cmで5枚の花弁があり、基部は暗赤色です。開花した花は半日で萎れますが、開花期の間は次々と花を咲かせます。
結実期
花が咲き終わると結実です。成熟とともに鮮やかな赤に色づき、萼や総苞が肥厚しふっくらしはじめます。熟したら収穫できますが、種まき用の種を採取するならさらに熟すまで待ちます。ジャムやお茶など食べるために使うのは総苞や萼の部分です。
次のページでは、ローゼルの育て方を解説します。