オオカナダモ(アナカリス)とは?繁殖力の強い水草の概要をご紹介!

オオカナダモ(アナカリス)とは?繁殖力の強い水草の概要をご紹介!

オオカナダモ(アナカリス)とはどんな植物なんでしょう?メダカを飼っている人の間では「アナカリス」の名前で知れ渡っていますが、知っているようでよく知らないのが水草という植物です。今回はオオカナダモ(アナカリス)の帰化した経緯や概要についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.オオカナダモ(アナカリス)とは?
  2. 2.オオカナダモ(アナカリス)の花
  3. 3.オオカナダモ(アナカリス)の葉
  4. 4.オオカナダモ(アナカリス)の分布と繁殖力
  5. 5.オオカナダモ(アナカリス)は生態系被害防止外来種
  6. 6.オオカナダモ(アナカリス)は食用になるのか?
  7. 7.オオカナダモ(アナカリス)と水中生物の飼育 メダカ・他
  8. 8.オオカナダモ(アナカリス)のトリミング
  9. 9.まとめ

オオカナダモ(アナカリス)は生態系被害防止外来種

生態系被害防止外来種に挙げられている

琵琶湖では異常なまでに繁殖し船の航行を妨げ、打ち上げられたものからは異臭を放ち、腐ったオオカナダモ(アナカリス)が湖底に蓄積し、水中の酸素不足を引き起こしシジミが死んでしまうなど問題とされていました。各地で定期的な駆除作戦など実施されています。生態系被害防止外来種のリスト入りしている存在です。

生態系被害防止外来種とは?

「生態系被害防止外来種」とは環境省が管轄で2015年3月までは「要注意外来生物」といわれていました。特定外来生物法に規定される程ではないものの注意喚起を促していく外来種の一つとされています。

外来生物法の規制対象となる特定外来生物や未判定外来生物とは異なり、外来生物法に基づく飼養等の規制が課されるものではありませんが、これらの外来生物が生態系に悪影響を及ぼしうることから、利用に関わる個人や事業者等に対し、適切な取扱いについて理解と協力をお願いするために平成17年に環境省が作成しました。

現在は安定から消滅に傾いている

一時期の大繁茂から衰退し、安定そして消滅傾向へと向かっているのが現状のようですが、生育する環境により繁殖に勢いのある河川や池沼もあります。

次のページではオオカナダモが食用になるのか?について解説するよ!

オオカナダモ(アナカリス)は食用になるのか?

人の食用には向かない

全く食べられないわけではないようです。茹でておひたしにすると苦みが強くあります。生のままてんぷらにするのが一番食用として食べやすいようです。ただ、生育環境を考えるとおすすめはできません。

水草を食用とする水中生物には与えられる

ザリガニ・エビ・金魚・カメやウーパールーパーなど、水槽に入れておくと食べるようです。ザリガニは好んで食べるようです。エビ類は魚のえさの残りや苔の方を好んで食べるようですが、エサが不足するとオオカナダモ(アナカリス)など水草を食べるようになりますが、オオカナダモ(アナカリス)の成長も早いので食害で困ることはありません。

オオカナダモ(アナカリス)と水中生物の飼育 メダカ・他

出典:写真AC

オオカナダモ(アナカリス)は近年人気になっているメダカの飼育に水草として活用されています。オオカナダモ(アナカリス)が光合成をして酸素を発生させる性質があることから酸欠を防ぐ目的で水中生物の飼育に活用される理由のようです。メダカの愛好家の多くは外飼いしています。近頃ではエアレーションの利用もされるようになってきました。それまで酸欠が飼育の問題だったのがオオカナダモ(アナカリス)の活用で解消されると口コミから広まりました。

産卵床としても活用される

メダカをはじめとする水中生物の飼育の楽しみの一つに繁殖があります。オオカナダモ(アナカリス)の葉を産卵床として産み付けるようすや卵から孵化するまでを毎日を観察できます。

オオカナダモ(アナカリス)を水槽で使うときの注意点

出典:写真AC

水槽へ入れる前に水を張った別容器へ

  • 農薬などがついている心配があるため。(エビなど弱い生き物は死んでしまう可能性があります。)
  • スネールや寄生虫がついている可能性があるため。(飼育中の水中生物に害を及ぼすかもしれません。)
  • 飼育中の水中生物などに害を与える病原菌が付着していることもあるため。

上記のような心配があるので、水を張った別容器で数日間様子をみることをおすすめします。

飼育環境下では枯れてしまうこともある

フジキ

原因は日光不足・栄養不足

自然環境ではとても強い繁殖力を発揮しているオオカナダモ(アナカリス)ですが水中生物飼育に用いられるものは、枯れや腐敗してしまうことも珍しくありません。重りとして巻き付けられている金具もあまり良いとは言えません。砂底にしっかり植え付けてやることで根を張り生育していきます。日光が強すぎても不足してもよくありませんし、栄養不足で葉が枯れたりもします。できるだけ自然の環境に近い状態を維持してやることが必要です。

オオカナダモ(アナカリス)のトリミング

成長が早いのでトリミングが必要

出典:写真AC

水中生物の飼育に重宝するオオカナダモ(アナカリス)ですが、あっという間に水槽がオオカナダモ(アナカリス)でいっぱいになってしまうほど成長が早いです。水替えのタイミングでオオカナダモ(アナカリス)のトリミングを行うといいでしょう。水槽に合わせて適当な長さに整えます。

トリミング 英語:trimming

原義は、「切り落とす」「刈り込んできれいにする」「整頓する」といった意味の英語。転じて、写真画像の一部を切り取ること、犬や猫の毛の手入れをすることといった様々な意味で用いられる。

オオカナダモ(アナカリス)を見た目よく飾る

カットした頭頂部を利用する

伸びた先の方をカットしてしまえばいい水草もありますが、オオカナダモ(アナカリス)の場合、トリミングでカットした根元部分を残すと先端が途切れて見た目がいいとは言えません。その場合、根元部分を処分して頭頂部の方を適当な長さにカットして植えなおすとアクアリウムなどでも鑑賞にたえられます。

トリミングしてカットしたものは迷わず処分する

トリミング時にカットしたオオカナダモ(アナカリス)は川に戻したりしないでください。生態系被害防止外来種に指定されていることもあり、川や湖沼の生態系を崩す原因になってしまいます。余ったものは処分するようにします。

まとめ

出典:写真AC

オオカナダモ(アナカリス)が多方面で用いられている水中植物だったとは驚きでしたね。日本には雄株しかないのに、各地で繁茂していると知ると雌株はどんなものなんだろう? 雄株と雌株があったら爆発的に繁茂するのかな? などと興味がわいてきませんか? 家庭で水中生物の飼育に多用される馴染み深い水草でしたが、外来種としての取り扱いも覚えておきたいですね。

Natura
ライター

Natura

寄せ鉢で季節のお花を楽しんでます。猫の額ほどの日陰の庭は手つかずのまま

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