フリーズドライとは?
フリーズドライとは、日本語に訳すと「真空凍結乾燥」といいます。そのためフリーズドライ製法で作られた食品はフリーズドライフードともいわれ、一般家庭の保存食としてだけでなく登山の携行食や健康食品など、幅広い分野で活用されています。
古代マヤ文明には似た製法が存在
現代のように食品分野でフリーズドライ製法が使われるようになったのは20世紀以降ですが、フリーズドライと同じ原理を使い食料を保存する方法は、すでに古代マヤ文明の頃にはみられます。寒暖差の激しい気候を利用し水分を抜く乾燥法で、チューニョ(ジャガイモの保存食)が有名です。
日本の干物も方法は似ている
日本で古くから伝わる干物も、フリーズドライ製法の原理とよく似ています。下処理をした食材を天日にあて、中に含まれる水分を抜く伝統的な乾燥法ですが、乾燥するまでに時間がかかるため使用できる食材が限られます。その点でいうと、干物とフリーズドライ製法には大きな違いがあるといえます。
缶詰めの代用品として発達
フリーズドライが食品分野として注目されるようになったきっかけは、軍の缶詰めであるといわれています。缶詰めは長期保存ができる携行食として軍の食事に欠かせませんでしたが、かさばる上に重いというデメリットがあります。そこで軽量で持ち運びやすい携行食の開発のために、フリーズドライが注目されます。
乾燥たまご・乾燥ポテトもあった
軍用品として開発が活発化したフリーズドライですが、当時の技術では品質にかなり問題があったようです。軍の食事で欠かせないたまごやポテトもフリーズドライ製法によって開発され、軽量化には成功しました。しかし食感や味・風味には不満が出たといいます。
医療分野から開発が進んだ
民間レベルでのフリーズドライ製法は、当初食品分野ではなく医療分野を中心に開発が進みました。開発のきっかけとなったのは輸血用血液の輸送です。保存状態を保ったまま遠くまで運ぶやり方を研究する中で、フリーズドライ製法が注目されました。