育て方③植え付けと植え替え
時期は年2回
種まき・植え付け・植え替えの適期は、 春ならば3月~5月、秋ならば9月~10月です。寒さには強いですが、-5℃を目安にして、それよりも寒くなる地域では地植えではなく鉢植えにし、室内で育てましょう。
種まきと苗の注意点
種まきの場合、とても小さな種なので扱いに注意が必要です。そのため、種まきよりも苗の方が簡単です。苗の場合は、購入時に害虫が苗に付いていないか確かめましょう。ハダニやアブラムシなどが付着していると、アイリッシュモスの生育に影響があり、他の植物へも付着してしまう恐れがあります。
鉢植えの植え付け方法
苗よりもひと回り大きな鉢を用意します。鉢底には石をしき、水はけのよい用土を入れ植え付けます。植え付けたら、その直後に水やりをしましょう。そこから2週間程は水やりを控えます。ただし乾燥し過ぎると枯れるため、様子を見ながら水やりをしましょう。根が出るまでは、常に土を湿った状態にしておきます。
植え替えの場合
アイリッシュモスは、1年~2年に1度ひと回り大きな鉢に植え替えます。植え替えをしないと、根詰まりを起こし枯れる原因になります。手順は、植え付けの方法と同じです。同時に株分けを行うとよいでしょう。
地植えの植え付け方法
地植えする場所は、風通しがよく半日陰の水はけのよい環境を選びます。苗よりひと回り大きな穴を30cm程掘り、腐葉土や川砂などを混ぜて水はけをよい状態にします。株をポットから取り出したら、根に付いた土を軽くほぐしてから植え付けましょう。複数の苗を植え付ける場合、株同士の間隔を20cm程あけると、根が張りやすくなります。
育て方④水やり
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与え、受け皿に溜まった水は捨てます。株元に水を注ぎ、葉にかからないように気をつけましょう。地植えの場合は水やりの必要はありません。またアイリッシュモスは気温が低くなると休眠するため、水やりの方法を変える必要があります。
気温が10℃以上
通常の水やりのと同じく、土の表面が乾いたら十分に水を与えます。
気温が10℃以下
土の表面が完全に乾いてから、2~3日後に水やりをします。乾燥させることで、樹液の濃度が高まり耐寒性が上がります。葉が落ちる場合は、水やりの回数を増やして調整しましょう。
育て方⑤肥料
肥料は、基本的に与えなくても育ちますが、施すと成長がはやくなります。ただし冬場は成長が緩慢になるため、肥料を与えると肥料焼けする恐れがあります。肥料の種類はコバエ予防に化成肥料を使いましょう。
肥料の与え方
3月~4月と10月~11月の年2回与えます。この場合、 ゆっくりと効果をもたらす緩効性化成肥料を使用しましょう。もしくは、水やりの代わりに薄めた液体肥料を10日に1回施しましょう。
育て方⑥手入れ
通気性をよくするため、古くなった葉や茎を剪定します。剪定は、よく切れるハサミかナイフ、もしくは手で行います。道具を使う場合は、成長期の後半か成長期が終わった後に剪定を行いましょう。手で行う場合は、時期に関係なく定期的に茂りすぎているところを取り除きます。
ボタニ子
次ページからは「育て方⑦病気と害虫」について紹介します。