サボテンとはどんな植物?
サボテンはサボテン科に属する植物です。その多くが多肉植物で、ほとんどのサボテンが南北アメリカやその周辺の島の原産となっています。乾燥した地の植物という印象が強いものの、中南米の森林などに着生して育つ品種もあるなど、さまざまな品種があります。
サボテンには品種が多い
サボテンは品種の多い植物としても知られています。世界中には何千もの品種が存在し、いまもなお、品種改良によって、新しい種類が増え続けています。寒さに弱い品種や花が咲くのに何十年もかかる品種など、実に多種多様。サボテンを選ぶ際、どの品種なのかを知っておくと失敗せずに育てることができます。
サボテンは花が咲く
サボテンには花がつかない品種もあると思われがちですが、実際にはサボテンはどんな品種でも花が咲きます。ただ、花が咲く短いものもあるほか、花が咲くのに時間のかかる品種があるのも事実。さらに、育て方を間違えると、なかなか開花しません。サボテンの花を咲かせるにはポイントが重要となります。
花が咲くサボテンの品種
どのサボテンも花が咲くものですが、品種によっては花が咲きやすいものもあります。花を観賞するためのサボテンの品種は花サボテンと呼ばれ、店頭でもよく見かける品種もあります。サボテンの花の色は、白、赤、オレンジ、ピンク色などがあります。育て方のポイントを押さえてかわいい花を咲かせましょう。
花が咲きやすい品種①エキノプシス属
エキノプシス属のサボテンは育て方がかんたんで、大きな花が咲くものが多いため、サボテン愛好家だけではなく、育ててらっしゃる方の多い品種です。花の色は白やピンク色などさまざまで、成長が早く、寒暖に強く、水やりを好みますが、冬の時期の霜や雪には注意が必要です。
短毛丸(たんげまる)
短毛丸(たんげまる)は、エキノプシス属の代表的な品種です。ラッパ状の白くて大きな花をつけます。株の大きさが5cmほどになるとつぼみをつけて花が咲きます。花は夜咲きですが、香りはそう強くはありません。よく日に当てて、ほかのサボテンよりも多めに水をあげ、根詰まりさせないように大きめの鉢に入れておくと成長し続けます。
花盛丸(かせいまる)
短毛丸同様、花盛丸(かせいまる)も育て方がかんたんで、成長の早いサボテンです。球形で育てていくと、高さ80cmほどになり、柱状になっていき茎をのばして花をつけます。花盛丸の花は白や薄いピンク色で、夜咲きです。とても大きな花が咲くため、驚かれる方も多いです。
花が咲きやすい品種②シュルンベルゲラ属
19世紀のころに実在したフランス人のサボテンコレクターの名が由来となるシュルンベルゲラ属。茎がシャコに類似していることからその名がついたシャコバサボテンが有名です。秋ごろから茎の先に花をつけ、赤や白、ピンク色やオレンジ色の花をつけ、クリスマスのころに店頭に並ぶことからクリスマスカクタスという別称もあります。
花が咲きやすい品種③アイロステラ属
小さなサボテンながら、花が咲きやすいのが特徴のアイロステラ属のサボテン。刺座と呼ばれるつぼみのつけ根にある綿毛のそばから花芽が出てきます。つぼみをつけるのが4月ごろですので、その前に植え替えを行うと花が咲きやすいです。花の色は赤やオレンジ色、白やピンク色などさまざま。
ムスクラ
花が咲く時期が長く、春から秋にかけて、次々に花を咲かせる品種です。花の色はサボテンに珍しい淡いオレンジ色です。刺がやわらかく、ひ弱そうに見えますが、暑さにも寒さにもけっこう強いのが特徴。つぼみがつく前の3月~4月上旬に植え替えをするとよいです。
瑠璃鳥(るりちょう)
赤やオレンジ色の花をつける品種の瑠璃鳥(るりちょう)。花は数日開くものの、午後にはしぼんでしまいます。春の終わりごろから夏にかけて茶色い小さな実のようなつぼみをつけ、いっせいに花が咲く姿があでやか。ムスクラと同じくつぼみがつく前に植え替えをしたほうがベター。
花が咲きやすい品種④パロディア属
株が5~6cmほどになると花をつけはじめ、しかもとても鮮やかな赤や黄色の原色色の花が咲くのが特徴のパロディア属。白くて細い刺に覆われているため、花が終わった後も美しさが維持できます。真っ赤な花を咲かせる銀粧玉(ぎんしょうぎょく)、あでやかな黄色の花が咲く錦繍玉(きんしゅうぎょく)などの品種があります。
花が咲きやすい品種⑤レブチア属
株が小さめなのに、たくさんの花をつけるレブチア属。3月ごろからつぼみをつけ、次々と花が咲く嬉しい品種です。暑さにも寒さにも強い方ですが、耐寒性は0度ぐらいです。じょうぶなので育てやすいのが特徴で、品種によって赤、オレンジ、ピンク色などの花があります。
宝山(ほうざん)
宝山(ほうざん)は花の数が非常に多く、とても美しい赤色の花が次々に咲く品種です。花期は数日ですが、花の数が多いため、3月ごろからつぼみをつけ、最初の花が開花したら、1カ月ちかく花を楽しむことができます。花が咲きやすい品種なので、花の咲くサボテンを楽しみたい方におすすめです。
紫影丸(しえいまる)
小さな株から明るいオレンジ色の花をたくさん咲かせてくれる紫影丸(しえいまる)。刺が多いサボテンですが、触っても痛くはないので扱いやすいのが特徴ですが、高温多湿を嫌う性質もあるため、湿気に注意するなど育て方には気をつけましょう。
花が咲くサボテンの開花時期や育て方のポイント
品種の多いサボテンは、それぞれの特徴によって開花時期や育て方もまちまちですが、全般的に注意するべきポイントは共通しています。サボテンを置く場所、温度、水やりなどのポイントを押さえ、元気よく育てていきましょう。
日当たりや置き場所は重要
サボテンの原産地によっていろいろありますが、一般的にサボテンは日当たりがよく、乾燥した場所で育っているものが多いため、日当たりや風通しのよい場所に置くようにしましょう。ただし、日差しが強い時期は、直射日光は避けるようにしたほうがベター。
水はやりすぎないこと
サボテンで失敗するのは水のやりすぎです。土の表面が乾いたら水をやるようにしますが、成長期であっても週に1回、冬場の休眠期は月に1回ほどにしておきましょう。また、雨が当たる場所に置くと、根腐れすぐこともありますので、雨が当たらない場所に置くことも大切です。
暑さには強いが寒すぎる場所は要注意
サボテンは、暑さにも寒さにも比較的強い植物ですが、0度以下になる場所や時間帯は室内にいれましょう。品種によっては寒さに強いものもありますが、雪が降る時期は移動させ、日中はできるだけ日光が当たる場所で管理した方が心配ありません。
開花時期は品種による
サボテンの開花時期はなかなか一般化できません。品種によっては開花する条件が異なるものもあるため、花が咲くまでに何十年もかかるものもあります。このため、サボテンを購入したら品種によって育て方を調べ、つぼみがつく時期や開花する時期を覚えておくと、花が咲きやすくなります。
サボテンの花言葉の意味や由来
花言葉は枯れない愛、燃える心、温かい心、偉大さなど
サボテンの花言葉には、枯れない愛、燃える心、温かい心、偉大さなどがあります。こうした花言葉の由来は、サボテンの原産地や育つ環境などで、乾燥した土地でもたくましく生育することから枯れない愛という花言葉が生まれ、刺に覆われた株から色鮮やかな色の花が咲く姿から燃える心や温かい心という花言葉が生まれ、小さな芽が出て株が増えていく姿から偉大という花言葉が生まれたとされています。
さっそくサボテンの花を咲かせてみよう
花が咲く条件に合った手入れをしっかりと行っていれば、必ず花が咲くようになるサボテン。なかなか花がつかないで悩んでらっしゃる方は、いま一度、品種の特徴を確認して、正しい育て方に変えてみましょう。大切に育てていけば、きっとかわいい花が咲くはずです。
出典:BOTANICA