サボテンの基本情報
サボテンは、ユニークな姿形が人気の観葉植物です。世話がかからないため、室内に飾っている人も多いことでしょう。サボテンを育てるには環境や季節に応じた「水やりの方法」が重要なポイントです。枯らさず育てるコツを掴んで元気に育てましょう。
サボテンの特徴
サボテンは多肉植物に属するサボテン科の植物で、メキシコを中心に北・中・南アメリカ大陸が原産地です。乾燥した砂漠地帯や雨の少ない地域、植物が育ちにくい高山地帯でも生育できるよう、肥大化した茎や葉に栄養分と水分を蓄えています。
特徴①トゲが多い
サボテンは、トゲに覆われているのが特徴です。トゲは茎から生えた葉や枝が形を変えたもので、サボテンを食べようとする外敵から身を守る効果があるといわれています。毒はありませんが、一度刺さると抜き取るのが困難で注意が必要です。
特徴②シザがある
シザ(刺座)とは、トゲの根元にある器官を指し、ふわふわした綿毛のような部分です。サボテンをよく見てみると、シザから放射状にトゲが出ているのがわかります。トゲがないように見えるサボテンも、よく見るとシザを必ずもっています。シザの有無が、ほかの多肉植物と見分けるポイントです。
サボテンの水やりのポイント5選
サボテンが育つためには水が必要です。乾燥地帯に生息している植物のため、水は必要ないと思われがちですが、水を与えなければ、しわしわになり枯れてします。ただ、茎や葉に水分を溜めておけるため、ほかの植物よりも水やりの回数が少なくて済みます。サボテンを枯らさないためには水の与え方が重要です。どのような水やりが適しているのか5つのポイントを見ていきましょう。
ポイント①土が乾いたときに水やりをする
サボテンの水やりは、毎日こまめに行うのではなく、土が完全に乾いたときにたっぷり与えることがポイントです。水を与えすぎても枯れてしまいます。土の様子を見て完全に乾いていたら水やりをしましょう。少し多く与えても、水はけのよい土であれば根腐れしません。サボテンが自ら必要な水分を蓄えられるよう、鉢底から流れ出るくらいたっぷり与えます。
土の乾燥の目安
土は、水分がなくなると白く乾いた状態に、水分を含んでいると黒く湿った状態になります。見た目だけでわからない場合は、竹串や細い棒を土に挿して乾燥の様子を観察しましょう。挿した串や棒の濡れ具合で土の乾燥状態を判断します。
ポイント②冷たい水は避ける
水やりをするときは水の温度に注意します。サボテンには15℃程度の水がおすすめです。夏は水道水をそのまま与えても構いませんが、冬はできるだけ冷たい水を使わないようにしましょう。冷たい水は根を傷める恐れがあります。水道水をいったん置いておき、常温に戻してから与えてください。
ポイント③じょうろを使う
水やりは、じょうろを使って土に水をかけます。じょうろは水の量や勢いを調節できますが、シャワーは水の勢いがあり過ぎるため避けましょう。また霧吹きは葉水をかけて乾燥を防げますが、土を湿らせるには不十分です。霧吹きを使うと、夏は水滴に熱がこもり冬はサボテンの表面を凍らせてしまうため、真夏や真冬には使わないようにします。
ポイント④環境にあわせた水やりをする
サボテンは、育てている環境にあわせてた水やりをしましょう。室内か屋外のどちらに置くかで水やりの方法が変わります。屋外に置いていると、雨にあたり過湿の状態が続き枯れることがあります。天気による土の乾燥状態をしっかり見ることが重要です。室内に置いた場合は、基本的な水やりの方法を守り管理します。
ポイント⑤季節にあわせた水やりをする
サボテンは、季節によって吸い上げる水分量が異なるため、季節にあわせて水やりの方法を変えましょう。根で呼吸をしているサボテンは、必要以上の水が与えられると、吸収しきれない水が根の周りに溜まり呼吸ができなくなります。
春の水やり
春は、株が成長する時期のため水をたっぷり与えます。水やりは1~2週間に1回程度、晴れた日の午前中に行いましょう。梅雨に入ると土が乾きにくく湿度が高くなるため水は控えめに与えます。
夏の水やり
夏はサボテンの成長が緩やかになる時期です。春や秋より水やりの回数を減らし、土が完全に乾いて2~3日経ってから与えましょう。気温が下がり始めた夕方に行います。昼間の暑い時間帯に水を与えると、土が蒸れて根を傷めます。サボテンの自生地は、昼間は高温でも夜は気温が下がり霧が発生することが多いです。同じような環境になるよう、夕方から夜にかけての水やりで空中の湿度を上げます。
秋の水やり
秋は、土が乾燥しにくく休眠期に入るため、頻繁に水を与える必要はありません。水やりは2週間に1回程度、少しの量を午前中に与えましょう。気温が下がるときは、水やりの回数を減らし霜に当らないように室内に移動します。
冬の水やり
冬は、気温が低く水分があると凍ってしまうため、水やりをしなくても問題ありません。気温が5℃以上で乾燥している場合は、月1回ほど水を与えます。寒い日よりも暖かい日の昼間に水やりをしましょう。朝晩は低温によって水が凍りサボテンが枯れる原因になります。ほかの植物が近くにある場合は、サボテンに水がかからないように気をつけてください。
サボテンを元気に育てるコツ
サボテンは湿気の多い状態が苦手な植物で、水やりのし過ぎや風通しが悪い環境にあると根が腐り枯れる原因につながります。寿命が10~20年程度と長いサボテンを、枯らさず元気に育てるためのコツを知り上手に育てましょう。
ボタニ子
コツ①雨の当たらない場所に置く
屋外で育てる場合は、雨の当たらない場所に置きましょう。サボテンは雨量が多すぎると水分を吸収できずに枯れてしまいます。風通しと日当たりがよく、土が適度に乾燥する場所に置くのがおすすめです。移動できない場合は、ビニール袋をかぶせて雨避けします。雨の当たらない場所で、定期的に水やりをしたほうが元気に育ちます。
コツ②鉢や用土を選ぶ
サボテンを植え付ける鉢は、プラスチック鉢か駄温鉢がおすすめです。どちらの鉢も、保水性があり適度に水はけがよいためサボテン栽培に向いています。植物栽培によく使われる素焼きの鉢は、通気性と水はけがよすぎてしまうため不向きです。また、鉢植えに使う用土は、市販の肥料成分が含まれているサボテン用の土がおすすめです。適度な湿気を保ちながら少しずつ乾燥していく土を使いましょう。
駄温鉢とは?
駄温鉢(ダオンバチ)とは、正式名を駄温室鉢(ダオンムロバチ)といいます。鉢の表面に見えないほど小さい穴があり、水を与えると鉢の表面から水が染み出てくるのが特徴です。固く焼き固められているため耐久性があり、割れにくいメリットがあります。適度な湿気が必要な植物におすすめです。
コツ③鉢の重さを覚えておく
サボテンを植えている鉢の重さを覚えておくと、土の乾燥具合がわかり、水やりのタイミングがつかめます。サボテンの水やりは、鉢の中の土が完全に乾いたときが基本の目安です。鉢を持ち上げて、乾燥しているときと水やりした後の重さを覚えておきましょう。
まとめ
サボテンの一般的な寿命は10年以上あり、上手に育てれば長く楽しめる植物です。ほかの植物よりも水やりの回数が少ないため、水を与えるタイミングを忘れてしまうかもしれません。するとかわいらしいサボテンがしわしわに枯れてしまいます。「土が完全に乾いたら水やりをする」というポイントを忘れないようにしましょう。
全体が濃い茶色や灰白色になったり、表面がしわしわになったら枯れているサインです。