サボテンの胴切りとは?
「サボテンの胴切り」とは、文字どおりサボテンの茎の胴部分を切る処置のことです。サボテンを育てていると、胴を切らないといけない事態に直面するかもしれません。サボテンの胴を切らないといけない理由やタイミングをよく知っておきましょう。
サボテンの胴切りをする理由
サボテンは乾燥と日光を好む植物です。水のやり方を間違っていたり、日陰で湿度が高かったりすると根腐れや茎腐れを起こし、そのまま放っておくと全体が腐ってしまいます。そんなとき、元気なところを胴切りして植え替えをすることで、また新たに発根し成長するのです。また、伸び過ぎて細く長く徒長してしまったサボテンも「胴切り」をして仕立て直しすると、サボテン全体に栄養が行き届きます。胴切りは、サボテンを救うための大切な処置です。
サボテンの胴切りに必要なこと
まずは環境を整える
「胴切り」を失敗しないよう行うために、サボテンが好む環境を整えることが必要です。サボテンが好む環境とは、涼しく乾燥した場所です。また、サボテンはデリケートなため、切り口から雑菌が入らないよう、清潔な環境であることも重要といえます。
胴切りに必要なアイテム
サボテンの胴切りのときに準備しておくもの
- 良く切れるナイフ又はカッター(大きなサボテンは包丁又はノコギリ)
- 消毒用アルコール又はアルコール除菌ウェットティッシュ
- 厚手のゴム手袋(トゲ防止)
- 新聞紙
- 新しい土(市販のサボテン用配合土)
- 鉢(素焼きの鉢がおすすめ)
- 鉢底ネット
- 鉢底石(根腐れを防ぐため)
- マドラー(植え込み時に使用、割りばしでもOK)
サボテンの胴切りの流れ
次の手順で、涼しく乾燥した場所で胴切りを行ってください。
- 刃物の消毒(刃物はこまめに消毒する)
- サボテンの胴切り
- 切り口を整え、殺菌する
- 涼しい場所で乾燥させる
- 植え替える
サボテン胴切りのカットのコツ
準備ができたらカット開始
刃物を消毒し、切りたい部分を大胆にカットします。1回でスパッとカットすると、サボテンへの負担が軽減できるでしょう。大きなサボテンはよく切れる包丁を使います。また、サボテンのトゲは小さくても細く尖っていて攻撃的です!刺さるととても痛いため、厚手の手袋をして作業することをおすすめします。
サボテンのカットのコツ①
適切な場所でのカットは、胴切りを成功させるコツです。根腐れや茎腐れした部分をカットする場合、少しでも腐敗菌が残っていると病気が発生してしまいます。根腐れや茎腐れで色が変わったところがなくなるまでしっかりカットします。また、伸び過ぎて徒長したサボテンの胴切りなら、どこをカットしてもOKです。目安としては、根元近くではなく真ん中辺りから上の元気な部分をカットします。鉢植えなら、直射日光を避け切り口を乾燥させて、そのまま育てても問題ありません。
サボテンのカットのコツ②
カットしたサボテンは、さらに整えましょう。植え替えやすくするために、切り口の真ん中を尖らせるように周りをカットします。切り口が整ったら、消毒をして30分程日光に当てます。日光に当てすぎると、切断面が傷むため注意してください。
サボテンのカットのコツ③
新聞紙で軽く包み、風通しのよい涼しい場所で切り口をしっかり乾燥させます。新聞紙は、断面を乾かすのに適したアイテムです。乾燥の目安は、小さいサボテンなら1週間程、大きいサボテンは、1〜2カ月ほどです。
胴切りの注意点
胴切りをするときには、いくつか押さえたい注意点があります。注意点に気をつけて胴切りを行えば、切り口から発根をしたり子吹きをしたりして、ゆっくり元気に成長します。
刃物は必ず消毒
腐敗菌やカビへの警戒を怠らないようにしましょう。刃物は必ず消毒を行なってください。サボテンが変色して何度も切り直すことになったときは、そのたびに刃物の消毒をしましょう。カット後、切り口を水につけたり土などで汚したりするのは禁物です。
乾燥がポイント
切り口をしっかり乾燥させることも大切なポイントです。しっかり乾燥させないと雑菌が繁殖するおそれがあるため注意しましょう。挿し木や株分けなどをする際にも、しっかりと切り口を乾燥させてください。
胴切りのタイミング
生命力の強いサボテンですが、意外に繊細です。サボテンが好む環境やタイミングで胴切りをしましょう。胴切りの時期によって胴切り後の育ち方が変わってきます。時期を間違えないよう注意してください。
胴切りの適期
胴切りをするなら、暖かく湿度が低い時期が最適です。おすすめの時期は春や秋の晴れた午前中です。この時期はサボテンに活力があり、発根しやすいため胴切りに向いています。
避けたい時期
梅雨の時期の湿度や、真夏の高温多湿は生育を停滞させます。雨の多い梅雨の時期と真夏は避けたほうがよいでしょう。過酷な環境でも育つサボテンとはいえ、日本の夏と冬は苦手なようです。
出典:筆者撮影